札幌市教委 ピア・サポート研修 子を成長させる支援を いじめ・不登校防止へ(札幌市 2021-08-04付)
広島大の栗原教授が講話
札幌市教委は3日、道立総合体育センターで、いじめや不登校を未然に防ぐピア・サポート研修を実施した。市内の教職員など約50人が参加。広島大学大学院人間社会科学研究科の栗原慎二教授の講話などを通して、児童生徒を成長させるサポートについて理解を深めた。
研修は、いじめや不登校の未然防止の観点から、よりよい学級・学年、学校づくりに向け、日常生活で実践できるピア・サポートについて学ぶことが目的。
栗原教授は「ピア・サポートの理論と実際~子どもと作る生き生きとした学校」をテーマに講話。
児童生徒による自殺者が、新型コロナ流行後から増加しているデータを示し、「これまでの学校生活が不可能となり、会話というコミュニケーションも限定されるようになり、ストレス等を発散する場が限られてしまった」と解説した。
その上で、進路や家庭内環境、虐待など、コロナによって表面化してきた問題に理解・対応していく必要性を強調。
いじめや校内暴力などの問題行動への対応については「問題を起こす子どもに対しては、指導するのではなく、適切なサポートが必要」と説明。「問題行動を起こす子どもは、自分の現状に苦しんだり、もがいていることが多い。そのような状況での注意や指導は効果が薄く、受け入れることが難しい」とし、子どもへの適切なサポートを求めた。
また、問題行動を繰り返す子どもについて、「問題に対する指導・サポートではなく、長期的なスパンで、人として成長を促していくことが重要」と述べた。
問題の解決に向けては「事態の情報収集と原因の仮説化が必要。適切な目標がなければ、目の前の事態を収めることに終始してしまう」とし、データ等を基に目標を明確した上で、実践・取組を進めていくよう呼びかけた。
(札幌市 2021-08-04付)
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