道工業高校長会が教育研究集会　コミュニケーション力を　建設業若手経営者が育成期待

（関係団体 2021-08-16付）

全道の工業科設置校の教諭などがオンラインで参加

　【網走発】道工業高校長会（太田潤一理事長）は７月下旬、第７２回道高校工業教育研究集会をオンラインで開いた。全道の工業科設置校の教諭などが参加し、講演や研究協議などを通して研鑚を積んだ。講演では、オホーツク管内の建設業若手経営者らが講師を務め、生徒へのコミュニケーション能力やチームワークなどの育成を期待した。

　道工業高校長会は、研究主題に「未来を創造する本道工業教育の推進」を掲げ、①工業教育の活性化推進方策②生徒の特性などに対応した教育内容・指導方法の工夫・改善③これからの社会に資する工業教育の推進方策―の３点の研究課題を設定している。

　研究集会は、高校教育における工業教育の果たす役割の重要性に照らし、工業教育に携わる者としての専門性を向上させるとともに、工業教育の一層の充実・発展を図ることが目的。北見工業高校が運営などを担当した。

　開会式、オリエンテーションのあと、オホーツク管内建設業者の若手経営者らで組織するオホーツク二建会の髙橋光貴氏（髙橋土建（株）社長）と森谷晴紀氏（（株）渡辺組専務）が「建設業から見た、若年層の入職・定着促進の考察」と題して講演。

　同会会員企業の新卒入社５年以内の社員を対象に行ったアンケート結果をもとに、会員企業における若手社員定着に向けた取組、社会に出る生徒や教員に期待することなどを示した。

　若手の定着に向け、各会員企業では、「社会人生活や人間関係に慣れるまで業務量を調整している」「可能な限り若年層を一人にはせず複数人配置している」「休暇および有給休暇の取得を義務化し、充実したプライベートを送れるように工夫している」といった取組が進められていることを紹介した。

　将来、社会に出る生徒たちには、コミュニケーション能力やチームワーク、社会で働くことについての意義の理解、自分の気持ち・考え方を伝える表現力などが重要となるとし、教員に対しそれらの育成を期待した。

　このあと、電子機械、電気、電子情報技術、建築、土木、工業化学、教育課程の７部会に分かれて研究協議を行った。

(関係団体 2021-08-16付)