【解説】新時代の高校改革　調査研究へ

（解説 2021-08-19付）

　文部科学省は、高校における教育の質確保への対応のための調査研究（新しい時代の高校改革に関する調査研究）を実施する。スクール・ポリシーの策定や遠隔教育の実施状況など高校改革の取組状況を調査。優良事例を収集し、成果の普及を図る。

　高校改革に関する国の動向をみると、令和２年１１月に中央教育審議会「新しい時代の高校教育の在り方ワーキンググループ」が審議のまとめを作成。高校生の学習意欲を喚起し、可能性と能力を最大限に伸長する高校の特色化・魅力化に向けた方策や、定時制・通信制課程における多様な学習ニーズへの対応と質の保障などを提言した。

　高校における教育の質確保への対応のための調査研究の主な調査内容は、①高校教育の改革に関する推進状況②高校改革に関する優良取組事例―の２点。

　①では、高校におけるスクール・ポリシーの策定・検討状況、中高一貫教育校の設置・検討状況、高校生のための学びの基礎診断の利用状況、遠隔教育の実施状況などを調査。併せて、通信制高校に在籍する高校生の実態調査を抽出で実施。入学・転学の動機や通信制課程への認識、自学自習の状況などを調べる。

　②では、１０程度の都道府県を選定し、高校教育改革の取組状況、総合学科、単位制高校、中高一貫教育校における取組の事例をまとめ、報告書と事例集を作成。ヒアリング対象は文科省と相談し、決定する。現在事業者を募集しており、９月下旬に決定する予定。

　文科省は１１月２５日、仮称・全国高校教育改革研究協議会の開催を計画。翌日に地域との協働による仮称・高校改革推進協議会、１２月以降に仮称・全国定時制通信制教育研究協議会を開催する予定で、取組の成果の普及を図るとしている。

(解説 2021-08-19付)