【解説】多様な背景の生徒指導ＷＧ

（解説 2021-08-26付）

　文部科学省の設置する生徒指導提要の改訂に関する協力者会議は２５日、第３回会議をオンライン開催した。本年度の改訂を目指す生徒指導提要の目次構成案を了承したほか、多様な背景をもつ児童生徒への生徒指導に関するワーキンググループ（ＷＧ）の設置を決定した。

　児童生徒のいじめ、不登校など生徒指導上の課題には様々な背景が関連し、学校的背景以外に児童生徒の障がいや健康問題などの個人的背景、家庭的背景が影響している可能性があり、学校単独で対応することが困難な課題も含まれている。

　このため会議では、学校・関係機関が協働して児童生徒が抱える問題の緩和を図る必要があるとし、ＷＧの設置を決定。児童生徒の障がいや健康問題といった個人的背景、家庭的背景などに関する問題を抱える児童生徒への指導に当たり、留意すべき事項などを検討するとした。

　また、学校・教職員向けの生徒指導の基本書である生徒指導提要改訂の目次構成案を了承。第Ⅱ部「個別の課題を抱える児童生徒への対応」では、いじめ、暴力行為、非行少年など１０課題に関する現状や対応の基本的姿勢、未然防止、早期発見、対応の具体を盛り込むこととした。

　このほか、自殺や非行少年に関する関係者による有識者によるヒアリングを実施。児童生徒の自殺予防教育の具体化に向け、自治体を挙げた保護者の普及啓発研修の必要性を指摘したほか、自殺予防教育プログラムの体系化と教育課程への位置づけ、関係機関との連携体制の整備を提案した。

　少年非行の課題では、暴力事件が減少している一方で性犯罪、薬物乱用（大麻）、児童ポルノ事犯の被害が増加傾向にあるとし、スマートフォンの普及、母子家庭の貧困などを要因として指摘した。

(解説 2021-08-26付)