生み育てやすい　４７・６％　札幌市　第４次子ども未来プラン報告書

（札幌市 2021-09-16付）

　札幌市は、第４次さっぽろ子ども未来プラン令和２年度実施状況報告書をまとめた。２年度に実施した各基本目標に基づく施策や事業内容などを整理。計画全体の成果指標の達成状況における「子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合」については、元年度から１・０ポイント増加して４７・６％となったものの、当初値（平成３０年度実績値）に比べて３・３ポイント下回った。１５日にオンライン開催した本年度第２回市子ども・子育て会議で示した。

　第４次さっぽろ子ども未来プランは、子どもの権利に関する推進計画、市町村子ども・子育て支援事業計画、市町村行動計画などの各種計画を包含した計画として２年度３月に策定したもの。

　計画期間は２～６年度までの５年間。計画の実施状況について、公募による市民や有識者などからなる市の附属機関の市子ども・子育て会議、市子どもの権利委員会に毎年度の実施状況を報告し、点検・評価を受けた上で、次年度以降の施策の改善につなげるとともに、計画の点検・評価や見直し状況を公表している。

　計画全体の成果指標の達成状況をみると、「自分のことが好きだと思う子どもの割合」について、２年度は６７・６％で当初値に比べ０・２ポイント増加。

　「子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合」については、２年度は４７・６％で元年度から１・０ポイント増加しているものの、当初値に比べて３・３ポイント下回った。

市は、自分のことが好きだと思う子どもの割合について「子ども自身の様々な意欲や達成経験、周囲への信頼感も関連すると考えられる」と分析。目標値の達成に向け、子どもの権利に関する普及・啓発や、子どもの参加・意見表明の促進、子どもを受け止め育む環境づくり、子どもの権利侵害からの救済の取組などの子ども・子育て関連施策を着実に実施する必要性を示した。

　子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合については、子育てへの関心の高まりや、就労する女性の増加に伴う仕事との両立の不安など、子育て環境を取り巻く状況の変化が影響していることから、出産、保育、子育て支援、教育など様々な要因が複雑に関連しているものと推測。

　また、子育てに関するアンケート調査で子育てに大変さを感じている世帯ほど、「話し相手や相談相手がいない」「子育てに関して配偶者の協力が少ない」と回答する割合が高いことから、「特に、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、人と接する機会が減ったことによって、子育て世帯が感じる孤独感が助長されていることも影響している」と分析。目標値の達成に向け、プランに掲げる子ども・子育て関連施策を着実に推進するとともに、多様化する子育て世帯のニーズを適切に把握し、必要な施策を推進する考えを示した。

　このほか、報告書では各基本目標における２年度の取組状況や成果指標の達成状況、取組状況の自己評価などを記載している。

(札幌市 2021-09-16付)