オンライン授業が日常化 出席停止自動の学び保障 富良野樹海小 ICT活用し業務効率化も(学校 2021-09-17付)
学習課題を提示する堀教諭
【旭川発】富良野市立樹海小学校(小林真弓校長)では、同居家族の風邪症状によって出席停止となった児童への学びの保障として、家庭への双方向型オンライン授業の定着に努めている。昨年11月から始め、すでに児童・教職員共に当たり前の日常の教育活動となってきた。ICTを活用した業務の効率化も推進しており、今後もできることを模索しながら活用を進めていく。
同校は、地域住民からタブレット端末の寄贈を受け、昨年の春から全児童と教職員の1人1台端末の使用が可能となった。ネットワーク環境調査を行い、全家庭と接続できることを確認。学校での活用にとどまらず、端末の持ち帰りを行い、日ごろからオンラインによる宿題を課している。
加えて、同居家族の風邪症状による出席停止となった児童を対象に、昨年11月から双方向型のオンライン授業を実施。現在は、当日の朝に欠席の連絡を受けると、実技を除くほとんどの授業をオンラインで行っている。
3・4年生担任の堀拓真教諭は、欠席連絡の後、時間割を見ながら、直接オンラインで実施する授業について児童と電話で確認。休み時間の間に教室で接続し、児童は普段の授業と同じように参加した。児童の学びを止めないため、日常的な取組となっている。
上杉直輝教諭が担当する1年生の算数では、欠席した児童が映し出されたタブレットと教室にいる児童が机を囲み、ブロックやカードを使って引き算の仕方を考えた。
ICT活用推進を担当する上杉教諭は「出席できない際に学びを保障する一つの手段として、当たり前に活用できるツールとしたい」と話していた。
日常的なICTの活用は、児童の学習活動にとどまらない。校務のデジタル化による働き方改革にも積極的に取り組んでいる。
学級通信や保護者アンケートをオンライン化することで、保護者とのやりとりが効率的に。保護者が直接、共有ファイルやGoogleフォームにアクセスできるため、配布もれがなくなった。
また、職員会議資料などをオンラインストレージサービスで共有。1つのアカウントで複数端末からアクセスできるため、職員室の校務用パソコンだけでなく、タブレットで教室からも行事のタイムスケジュールなどを確認できるようになった。前年度から始めた朝の打ち合わせのオンライン化も定着し、児童に対応する朝の時間の確保につながっている。
ICT活用によって利便性が増す一方、使いこなすスキルを向上させるためには教職員のミニ研修が欠かせない。島村圭吾教頭は「これからも目的に応じたICTの効果的な活用ができるよう、実践したことを評価し、改善を進めたい」と話している。
(学校 2021-09-17付)
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