札幌遠征後の自宅待機児童41人対象に 2日間の全授業遠隔で 網走小 双方向通信基本に工夫(学校 2021-09-14付)
オンラインで参加する児童の様子をテレビに映し出した
【網走発】網走市立網走小学校(吉田昌広校長)は8月30日から2日間、自宅待機となった児童を対象にオンライン授業を実施した。札幌市で開かれた第66回道吹奏楽コンクールに出場したブラスバンド部の児童など41人が対象。ビデオ会議システムGoogle Meetでの双方向通信を基本に、3年生以上のすべての授業を行った。各学級では、オンライン参加の児童同士でのグループ交流や、チャットでの意見交流など様々な工夫を講じた。
同校ブラスバンド部は、8月29日開催の第66回道吹奏楽コンクール小学生の部に北見地区代表として出場。所属する児童や関係児童計41人が、札幌市に遠征した。
しかし、直前に舞い込んだのは道内への緊急事態宣言発令。札幌市が特定措置区域に指定された。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、道教委の通知に基づき、対象の児童に網走市への帰着後3日間自宅待機の措置を講じることに。これだけ多数の児童が出席停止となるのは、同校にとって初の出来事となった。
同校は、「すべての子に学びを保障し、教育目標を実現する」ため、校内研修などを通してオンライン授業の在り方などについて検討してきた。また、児童の希望に応じて日常的に端末の持ち帰りを推進し、家庭での端末使用に慣れさせるなど、緊急時を想定した取組も進めてきた。
7月に行った端末持ち帰り訓練で各家庭の接続状況を確認していたこともあり、オンライン授業が実現可能と判断。網走市教委の協力を得て、急きょ実施に踏み切った。林理沙主幹教諭は「組織的に取組を進めてきたことで、すぐ対応できた」と話す。
札幌市への出発前の27日、対象の児童に実施方法を指導した上で、端末を持ち帰らせた。ネットワーク環境が整っていない家庭には、市教委が所有するモバイルルーターを貸与した。
オンライン授業は、3年生以上の全学級で実施。Google Meetでの双方向通信を基本に、朝の健康観察とすべての授業を行った。
オンライン参加の児童同士でグループ交流を行わせたり、チャットで意見を挙げさせたりするなど、登校できなかった児童も学びを深められるよう、各学級担任が様々な工夫を講じた。吉田校長は「登校できなくても友達と顔を合わせることができ、子どもたちも喜んでいた。家庭で学ぶ様子を見た保護者からもよい反応をもらった」と笑顔をみせた。
一方、終日Google Meetを活用する方法では、通信量が多くなってしまうという課題がある。林主幹教諭は「市教委のモバイルルーターだとすぐに制限がかかってしまい、追加でルーターを借りて家庭に届けるなどの対応に追われた」と振り返る。そのため、Google Meetを活用する場面を再考するなど、ネットワーク機器に負荷がかからない方法を検討する必要性を示した。
また、吉田校長はGoogle Classroomの活用に慣れていない低学年の児童も習熟できるよう、学校内で練習機会を創出する必要性にも言及。各学級で端末の持ち帰りを想定した練習や計画的な持ち帰りなどを推進し、「いざというときに備えていきたい」と意欲をみせていた。
(学校 2021-09-14付)
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