３定札幌市議会決算特別委員会（令和２年１０月２０日）　

（札幌市 2021-10-22付）

◆実態調査踏まえて　効果と課題を検証　文化芸術活動支援

　文化芸術活動への支援について質疑が行われ、市は札幌市文化芸術活動実態調査結果を踏まえ、今後も文化芸術活動の支援に努めていくとした。　

　札幌市は、今後の文化振興施策検討に当たり、アーティストや施設運営者など文化芸術活動にかかわる幅広い個人および団体を対象に１月２９日から２月１６日までの期間、市文化芸術活動実態調査を実施。調査項目、活動ジャンル、活動歴などに加え、令和元年度や２年度の活動状況等についての項目を設け、１２６７人の個人および２３８団体から回答を得た。

　集計結果では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた２年度は元年度に比べ公演等の発表回数が個人で平均約５割、団体で約６割減少し、発表の機会が損失していることが明らかになった。

　また、昨年４月の緊急事態宣言発令を受け、公共施設が閉鎖され文化芸術活動に携わる人の活動の機会が減少。このため、市は無観客公演とし、その映像を配信する場合の費用を補助する札幌アートライブを昨年５月から開始し、個人と団体合わせて８７件に合計約１億円支援した。

　昨年６月以降は、文化施設が再開したものの、入場者数の制限があるなど、依然として文化芸術団体等が公演活動等を控える状況が続いた。

　そこで昨年の１１月から公共施設および民間施設のうち、一定の要件を満たす施設の会場費等の一部を補助する文化芸術活動再開支援事業を開始。本年度も継続して実施している。

　有塚広之文化部長は「前年度から本年度末までで合計約４４００件、５・８億円程度支援できる」との認識を示した。

　その上で、「文化芸術に携わる人の実情や課題を知ること、実施した支援策の効果や課題の検証は必要なもの」とし、今後も機会をとらえ実態について把握していく考えを示した。

　池田由美委員（日本共産党）の質問に答えた。

◆１１月以降の集会で　新たな手法を検討　人権啓発の取組

　人権啓発の取組について質疑が行われた。

　札幌市は、ヘイトスピーチに関する取組について、啓発ポスターを毎年各地下鉄駅の掲示板に掲出しているほか、今後１２月からの人権週間に合わせて啓発冊子を各区役所等の市有施設へ配布する予定。本年度からは、市と札幌法務局の連名で、ヘイトスピーチ解消に向けた広告を１１月発刊のプロスポーツチームの情報誌に掲載する。

　また、性的マイノリティの理解促進やＤＶ性暴力被害者支援のための啓発画像をチカホの大型ビジョンや地下鉄札幌駅と大通駅にあるピラービジョンで放映。このほか、新型コロナウイルス感染症に起因した不当な差別や偏見に対して札幌法務局の協力のもと、市民の声を聞く課や保健所と連携し、感染症に関連した人権相談を受け付けたり、市内医療機関に啓発ポスターを配布したりするなど取組を進めてきた。

　渡邉昌輝男女共同参画室長は、今後について、ことし１１月以降に予定している性的マイノリティや女性活躍などをテーマに開催するオンラインフォーラムにおいて、リアルタイムで講師と参加者がやり取りできる手法を検討するなど、様々な形で市民の声を把握しながらより効果的な啓発に取り組んでいく考えを示した。

　太田秀子委員（日本共産党）の質問に対する答弁。

(札幌市 2021-10-22付)