道研附属情報処理教育センター　ＬＥＤランプを点灯　工業科教員がプログラム制作

（道・道教委 2021-10-29付）

センター開発教材を活用した

　道立教育研究所附属情報処理教育センターは１４日から２日間、同センターで工業科教員の実践力向上研修を開いた。工業教育の課題と改善策を整理し、プログラミング演習などを実施。教諭７人が、課題に基づいて構想したシステムを作動させるプログラミング等に積極的に取り組んだ。

　科目「工業情報数理」におけるプログラミングと工業に関する事象の数理処理を指導する授業づくりについて理解を深め、実践的な指導力の向上を図ることが目的。

　道内の工業高校教諭７人が受講した。

　初日は、同センター職員が「工業教育の課題と改善策」と題して講義した。工業科において情報活用能力を育成する意義や目的、新学習指導要領におけるプログラミング教育導入の背景などを説明。受講者は講義内容を踏まえ、工業科で育成すべき資質・能力に関して協議した。

　続いて、プログラミングと制御回路の基礎について、同センターが開発した教材を活用して演習を実施した。

　本年度から中学校で新学習指導要領が施行され、小・中学校、高校で内容の系統性が明確化されたことを踏まえたもの。中学校で学ぶ知識や技術を把握し、工業に関する事象の数理処理などを理解するための演習を通して、工業科において情報活用能力をどのように育てるかを深く考える場とした。

　受講者は、明るさや二酸化炭素の濃度によってＬＥＤランプを点灯させる共通課題に基づいてシステムを構想し、プログラムを制作。構想した動作の実現に向けて受講者間で協議したり、課題を発展させて応用的にプログラミングを試行したりするなど、主体的・対話的で深い学びを体感しながら取り組んでいた。

　２日目は、前日の演習で培った知識や技術を踏まえ、より専門性を高める講義・演習に臨んだ。工業情報数理の授業づくりや、指導と評価の一体化に向けて研鑽を積んだ。

　また、札幌琴似工業高校の髙橋豪校長と受講者が、「魅力的な教育活動を創造・実践するために」をテーマにトークセッションを行った。

　受講者は工業科教員としての視点を広げ、今後の教育活動への思いを新たにしていた。

(道・道教委 2021-10-29付)