上川局 教育長会議・働き方改革会議 学び止めない体制確立 河野局長 教育長に協力要請(道・道教委 2021-10-28付)
服務規律の厳正な保持などを求めた
【旭川発】上川教育局は10月上旬、アートホテル旭川で本年度第3回管内教育長会議を開いた。管内市町村教委の教育長21人と局職員9人が出席。各課担当者による説明を通して管内課題を共有し、服務規律の徹底や学力向上の取組などに向けて共通理解を図った。
開会に当たり、河野秀平局長があいさつ。全国学力・学習状況調査の結果等を活用した検証改善サイクルの確立にかかわって、コロナ禍でも学びを止めない指導体制を確立するとともに、ICTを効果的に活用した授業改善を呼びかけた。また、教職員の不祥事が道内で相次いでいることから、引き続き規範意識の徹底に向けた指導を求めた。
議題に移り、高野拓実義務教育指導監、泉川佳孝企画総務課長、泉大吾教育支援課長が、それぞれ所管事項を説明した。
高野義務教育指導監は、学校訪問の実施状況について説明。新型コロナウイルス感染症の影響で延期になった日程があることから、より多くの学校を回るために時間短縮を図っていることや、今後の感染状況によってオンライン実施も検討していると伝えた。
泉川企画総務課長は、教職員の服務規律の保持などについて要請。公務員倫理法令の順守について各市町村でも徹底を呼びかけたほか、教職員の飲酒運転根絶に向けた取組として道教委が作成した研修資料を紹介し、各校で校内研修の参考とするよう周知した。
また、学校職員の交通違反・事故発生状況を示し、全道の件数が8月現在ですでに前年度より多いことから、引き続き規範意識の高揚に向けた指導を求めた。
泉教育支援課長は、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた臨時休業等の取扱いや通学路における合同点検の実施についての通知を示し、引き続き指導を要請。学力向上に向けた上川管内独自の取組として、ICT活用促進事業プロジェクトIPPOを立ち上げたことや、管内学力向上ロードマップ具現化への取組として、学校訪問等で各校の好事例を取材して取りまとめてリーフレットを作成・配布し、管内全体に普及する「上川 Best Practice」を実施することなどを伝えた。
◆課題解決へ真相に手を 働き方改革推進2校が成果発表
教育長会議に続き、管内における第3回働き方改革推進会議を開催。働き方改革推進事業中間報告会として、推進校の旭川市立知新小学校(千葉昌之校長)と美瑛町立美瑛小学校(堀内隆功校長)が取組の成果と課題を発表した。
推進校等におけるこれまでの取組の進ちょく状況を関係者間で確認し、必要な助言などを行うとともに、推進校等以外の学校や地域への啓発と成果の普及につなげることが目的。会場には教育長・局職員に加えて推進校から6人が参集し、推進地域教委の担当者、オブザーバーとして渡島教育局の毛利繁和主幹がオンラインで参加した。
本年度3年目の指定となる知新小からは、中野絢子教諭がこれまでの取組を紹介。2年間の取組で確立してきた機能的な組織体制を生かし、本年度は「働きがいのある学校」を合言葉に掲げて取組を推進していることを説明した。
働きがいのある学校を①働きやすさ②やりがい―の2つに分け、各3つの要素を抽出。①の要素に「均衡」「環境」「標準」を掲げ、自身の勤務実態を可視化する自分マネジメントボードの活用や、街頭指導等の業務の外部移行、学年通信の書式の全校統一・隔週発行などに取り組んだことを伝えた。
②では、「感謝」「対話」「成長」の3要素で推進。互いに認め合い自由に意見を交わせる雰囲気の醸成や、成長を実感できる授業改善、成長機会を提供するミニ研修などの取組を紹介した。
続いて、千葉校長が教職員アンケート結果から6要素別に成果と課題を説明。②にかかわる「感謝」「対話」の2項目で数値目標を達成した一方、「均衡」「環境整備」に関する項目に課題がみられると報告した。
指定2年目を迎えた美瑛小からは、堀内校長による学校説明のあと、植村靖志教諭がこれまでの取組内容について説明した。
本年度は4月にコアチームを立ち上げ、「個人の働き方改革」「ルール・環境の整理整頓」「業務の平準化」の3テーマに焦点化して取組を推進。個人で翌週の退勤時刻を決定して掲示する取組や、高学年のクラブ活動・委員会活動を低学年の教員がメーンとなって指導する取組などを紹介した。
アンケート結果の数値と自由記述のテキストマイニングから、成果と課題を分析。個人の働き方改革にかかわっては、退勤時刻の設定等が退勤を早める動機づけ・帰りやすい雰囲気づくりにつながった一方で、仕事量が変わらないことから実現が難しい教員もいたことなどを伝えた。
発表を踏まえ、毛利主幹が助言。課題解決の質を高めるためには「何をする」という発想だけでなく、課題の真相に手を打つ必要があることを伝えた上で、未来志向の学校づくりに向けて今後も取組を着実に進めていくことを期待した。
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知新小の取組を発表する中野教諭
(道・道教委 2021-10-28付)
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