海洋教育パイオニアスクールプログラム　人・海の共存へ行動変容　全道成果発表会に実践９校

（道・道教委 2021-11-02付）

発表する小樽水産高校の生徒

　道海洋教育推進協議会は１０月２９日、札幌市内の道第２水産ビルで海洋教育パイオニアスクールプログラム全道成果発表会を開いた。研究実践校９校の児童生徒が、自然環境や地域産業への理解を深める海洋教育の取組を発表。意見交換では、人と海が共存するために人々の意識や行動を変えていく重要性が指摘された。

　海洋教育パイオニアスクールプログラムは、日本財団、東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター、笹川平和財団海洋政策研究所の３者が主催する事業。令和元年度から３ヵ年計画で研究を進め、海洋教育を実践する学校や教育委員会を支援し、海洋教育カリキュラムの開発と海洋教育の担い手の育成、学校における海洋教育の面的広がりと質的向上を図っている。

　成果発表会は、海洋教育への理解を一層深め、各地域ならではの教育プログラムの一層の充実を図ることがねらい。研究実践校９校の児童生徒や引率教職員など約３０人が参加した。

　開会に当たり、道海洋教育推進協議会の会長を務める道教委の唐川智幸学校教育局長があいさつ。コロナ禍においても工夫を凝らし、プログラムに取り組んだ各実践校に敬意を表し、取組の成果を広げるため、発表の様子を動画共有サイトＹｏｕＴｕｂｅの高校教育課チャンネルで配信することを伝えた。

　引き続き、日本海地域（古平町立古平小学校、古平中学校、小樽水産高校）、太平洋地域（浜中町立散布小学校、厚岸翔洋高校）、オホーツク海地域（羅臼町立羅臼小学校、春松小学校、知床未来中学校、羅臼高校）の児童生徒が海洋教育の成果を発表。サケの稚魚の放流、海岸漂着物の調査、マガキの養殖実習など、自然環境や産業への理解を深める多彩な学習活動を紹介した。

　発表後、参加者と運営指導委員が意見を交換。「人と海が共存するには、人間が海に与える影響の大きさを自覚し、ごみを捨てることをやめなくてはならない」「地域を超えて海洋汚染の問題の重要性を理解する必要がある」と発表した。

　このあと、参加児童生徒は札幌市下水道科学館を見学。引率教員は運営指導委員との研究協議に参加した。

　今後、各研究実践校の取組を収録した北海道版海洋教育の副読本『わたしたちの海　～海と人との共生を目指して』を作成し、各学校に配布する予定。

(道・道教委 2021-11-02付)