釧路市大楽毛中 公開研究会で3授業 考え比較し数値理想化 1年数学 比例と反比例(学校 2021-11-08付)
1年数学を指導した藤村教諭
【釧路発】釧路市立大楽毛中学校(青木栄校長)は10月下旬、同校で公開研究会を開いた。釧路管内の小・中学校、義務教育学校、認定こども園の教諭のほか、大学生、コミュニティ・スクール(CS)委員など計81人が参加。数学科・音楽科・英語科の公開授業参観や研究協議を通して、授業力の向上を図った。
同校は研究主題を「学習内容の確かな習得を目指した授業の構築」と設定。3ヵ年継続研究の3年目に当たる本年度は、その成果を披露するとともに、釧路市教育研究センターの研修講座として授業を公開した。
数学科で1年1組「比例と反比例」(藤村弥的教諭・下山智之教諭)、音楽科で2年1組「鑑賞・ベートーヴェン交響曲第5番ハ短調第1楽章」(永村裕希教諭)、英語科で3年1組「Stage Activity2 Discover Japan」(堂前勇太教諭・岡倉美智子教諭)を公開した。
このうち、1年数学の授業は18時間扱いの16時間目で、目標を「ともなって変わる個数と重さの関係を、理想化・単純化してとらえ、比例するとみなして(ペットボトルの)キャップの個数を求め、(交換すると)ワクチン何人分になるかを求めることができる」と設定した。
本時の問題「エコキャップ860個でポリオワクチン1人分になるとき、学校で集めたエコキャップ9460gはワクチン何人分になるか」から「ワクチン何人分になるかを求めるには、どのように調べればよいか」という課題を示した。
キャップの個数やキャップ10個分の重さなどの必要な情報を得るため、実測結果から表やグラフを作成した。根拠を明確にした上で、自他の考えを比較し、数値を理想化・単純化してとらえることで比例とみなし、キャップの個数を予測。何人分のワクチンになるかを求めた。
公開授業後の開会式では、青木校長があいさつ。3年間の研究の経緯を説明し「生徒同士が自他を認め合う姿がみえてきている」とした上で、授業改善と生徒指導の両輪をバランスよく動かす研修を推進するため、多くの意見を求めた。
市教委の岡部義孝教育長は、市内の学力の現状にふれながら、授業改善が学力向上に結びつく大きなポイントとし「小学校で身につけた学力を中学校でどうやって伸ばしていくか」が重要であると訴え、小中連携のさらなる発展に期待を寄せた。
続いて、学力向上推進部長の溝渕修也教諭が研究の概要を発表した。基礎的・基本的な学習内容の定着までのモデル図を提示。自他の考えを比較する場面を設定した指導過程について説明するとともに、比較場面設定のメリットについて具体的な解説を行った。
このあと、3部会に分かれ研究協議。
数学科部会では、比例とみなすことの難しさや、小学校6年生で学習する比例に関連する意見が出されるなど、あらためて小中連携の重要性を確認した。
助言に立った釧路教育局義務教育指導班の中嶋由佳主任指導主事は「どんなことでも伝えられる雰囲気が学級内に感じられた。自他の考えを比較し、互いを認め合うことで、確かな学習内容の習得にもつながっていた」と安心感のある学級風土が基盤にあるとした。
また、まとめの段階では違う問題で理解の定着を図るなど、振り返りの重要性にもふれ、今後の指導に期待を寄せた。
(学校 2021-11-08付)
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