札幌市教委と道教大 体力向上研究 二極化改善など4課題 子自ら運動親しむ方策など(札幌市 2021-11-09付)
札幌市教委と道教育大学が令和元年度から連携して進める子どもの体力向上にかかる調査委託研究の本年度研究概要がまとまった。委託先の道教育大札幌校の保健体育教育分野研究室が「運動習慣の二極化傾向の改善を図るための方策検討」など、4つの課題に基づく研究を推進。これまでの調査研究の結果を踏まえ、子ども自ら運動に親しむことを通じて、体力・運動能力を高めていけるような新たな方策の立案、他の事業等との連携を図っていく。
市教委は、学校教育の重点の一つに「健やかな体」の育成を位置付け、平成26年度から「さっぽろっ子“健やかな体”の育成プラン」に基づく取組において、生涯を通じて豊かに運動に親しむための基礎を培うとともに、積極的に心身の健康の保持増進を図る資質や能力の育成に努めている。
これまでの全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、運動やスポーツを肯定的にとらえる意識に高まりがみられる一方で、実技調査の結果から多くの種目で全国平均を下回っており、特に持久力と敏しょう性は全国との差が著しい。また、運動・スポーツの習慣は、積極的に運動する子どもとそうではない子どもの二極化傾向がみられることが継続的な課題となっている。
市教委と道教育大は、これらの課題の解決に向けて、令和元年度から調査研究を連携して実施。有効な方策や子どもたちの傾向等が明らかになってきている。
本年度の調査研究課題には、①運動習慣の二極化傾向の改善を図るための方策検討②全身持久力、敏しょう性の向上への取組③子どもの体力と運動習慣、生活習慣、学習習慣等の実態との関連についての調査研究④授業改善による効果検証―の4点を設定。これまでの調査研究の結果を踏まえ、より実践的・科学的に研究を深化させていくことで、市の子どもたちが、健康の大切さへの理解を一層深め、自ら運動に親しむことを通じて体力・運動能力を高めていけるような新たな方策の立案や、他の事業等との関連を図っていく。
調査研究期間は、契約締結日から来年3月31日まで。
調査研究の結果については、研究の具体的内容や調査研究の方法の詳細、採取したデータとその分析、検証結果などを後日指定する調査研究の報告書様式に記載し、市教委あてに提出する。
調査研究課題と概要はつぎのとおり(①研究内容②研究方法)
▽運動習慣の二極化傾向の改善を図るための方策検討=①運動機会が少ない中学生(体育の時間を除く1週間の総運動時間が60分未満の生徒)における運動の促進要因と阻害要因を明らかにしてきたこれまでの調査研究結果に基づき、運動習慣の形成を目的とした新しい形の活動の在り方について検討・実施する②学校における中学生を対象とした運動習慣の形成を目的とする新しい形の活動を考案し、試行的に実施する。中学校2年生を対象とした質問紙調査を実施する
▽全身持久力、敏しょう性の向上への取組=①体育の学習等において、全身持久力や敏しょう性の向上に資するHeat―up体操のより効果的な実施方法と、その継続的な取組効果を検証する②TABATAmethodに基づいて考案したHeat―up体操の効果検証を継続的に実施するともに、体育の学習等において、子どもが主体的に継続できる取組へと深化させる実施方法を検討する。またHeat―up体操を普及、啓発するための映像資料を作成する
▽子どもの体力と運動習慣、生活習慣、学習習慣等の実態との関連についての調査研究=①市の子どもの体力と運動習慣、生活習慣、学習習慣等の実態との関連について検証する②中学生を対象とし、諸調査(体力テスト、認知テスト、質問紙調査等)を行い、検証する
▽授業改善による効果検証=体育の授業改善にかかる取組によって、子どもの体力向上に資する効果を検証する①体育の授業改善にかかる取組によって、子どもの体力向上に資する効果を検証する②中学生を対象とし、授業中における対話や思考について、コミュニケーション、発話、記述、脳機能等の計測によって、授業改善前と後の変容を見取り、授業改善が子どもの体力向上に結びつく効果を検証する
(札幌市 2021-11-09付)
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