石狩花川北中　学校課題研究発表会　ＳＤＧｓ視点に授業　２年理科　水の循環を学習

（学校 2021-11-16付）

雨が降るまでの雲や水の循環について調べる生徒

　石狩市立花川北中学校（加藤秀典校長）で５日、学校課題研究発表会が開かれた。石狩教育振興会が主催。研究主題「教科横断的な教育課程を通して思考力を身につけた生徒を育てる～ＳＤＧｓに視点をあて主体的・対話的で深い学びを引き出す授業の在り方」のもと、社会・理科・保健体育・特別支援の４授業を公開。このうち、２年１組（生徒数２４人）の理科「水の循環」では、雨雲の発生から降雨までの循環と、日本で発生している豪雨災害の原因などについて学んだ。

　同校は本年度、「基礎・基本の定着と活用」「学習意欲向上」など、生徒の課題解決に向け、「教科横断的な教育課程を通して思考力を身につけた生徒を育てる～ＳＤＧｓに視点をあて主体的・対話的で深い学びを引き出す授業の在り方」を研究主題に設定した。

　生徒が学びに向かうよう動機付けを図り、学びを継続的なものにしていけるよう教育課程を編成した。ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）を軸とし、各学年の各教科で扱うＳＤＧｓの内容を一覧としてまとめた「ＳＤＧｓカレンダー」を作成。ＳＤＧｓと関連付けた教科横断的な授業・活動を展開するとした。

　北山貴理教諭が指導した２年１組の理科「水の循環」では、雲の発生から降雨・降雪の過程のほか、世界の気候変動と地球温暖化の関係性について理解を深める。

　本時は、８時間扱いの３時間目。目標として「水が様々に姿を変えながら地球全体を循環していることを理解する」を設定した。前時までは、雲ができるまでの過程や気圧と空気の関係について学習してきた。

　冒頭、北山教諭が「日本で雨や雪となる水がどのようにやってくるのか調べてまとめる」と、本時の課題を提示。地球上の水の総量と日本の１年間の降水量を確認した。

　つぎに、教科書やタブレット端末を使用し、水が日本にどのようにやってくるかを個人で整理。その後、４～５人のグループに分かれ意見を確認し合った。

　生徒の発表では、「河川や海の水が太陽の熱で蒸発し、水蒸気から雲になり、雨になる」などのほか、「草木から蒸発した水分も関係していると思う」という意見も挙がった。

　まとめでは、北山教諭が「水は地球全体にあり、遠くの国で発生した雨雲が、日本に流れてくることもある」などと説明。水の循環が地球全体で行われていることを伝えた。

　また、北山教諭は、地球温暖化による豪雨や河川氾濫にもふれ、「日本に災害をもたらす雨雲が、インド洋で発生していることもある」と説明。生徒は、温暖化や豪雨災害がＳＤＧｓで示されている１７個のうち、どの目標とかかわりが深いかを確認し、地球規模の課題解決に向けた個人の意識向上も図った。

(学校 2021-11-16付)