全国知事会　地方創生緊急提言案　教育にデジタル活用を　柔軟な教職員配置等要望

（道・道教委 2021-11-29付）

　全国知事会（会長・平井伸治鳥取県知事）は２６日、東京都内で会合を開き、コロナを乗り越える地方創生に向けた緊急提言などを審議した。提言案には、教職員定数のさらなる改善や、ＧＩＧＡスクール構想に基づくデジタル技術を活用した教育の推進などを盛り込んだ。

　教育関連では、少人数教育の推進に当たって、きめ細かな指導体制や小学校高学年からの教科担任制など新しい時代の学びを支える指導体制のための教員定数の一層確保を要請。実施に向けては、地域の実情に応じた柔軟な学級編制と教職員配置が可能となるよう、所要の措置を講じることを求めた。

　いじめ・不登校等への対応では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員、学力向上支援スタッフ、スクールロイヤーなどと教員の連携体制充実を図るため、専門スタッフ等の一層の配置に向けた必要な財源確保を要請した。

　デジタル技術を活用した教育の推進に向け、国庫補助の対象外となっている家庭でのオンライン学習時の通信費や高校、特別支援学校高等部のＢＹＯＤを含む１人１台端末について、十分かつ恒久的な財政措置による継続的な支援とともに、有償ソフトウエアに対する財政的支援を求めた。

　デジタル教科書における実証事業を拡充した上で、国における調査研究を進め、効果的な活用方法の提示や無償化を要望した。

　また、学校のＩＣＴ環境整備に関して、ＧＩＧＡスクール構想実現後のネットワークの増強、学校の情報セキュリティー対策の強化を含む設備の維持管理や更新等への適切な対応を盛り込んだ。

　高校の魅力化や特色化の推進に向け、より柔軟なカリキュラム編成を可能とする教育課程特例校制度の指定要件柔軟化や、みなし単位の上限撤廃を要請。すべての大学に、大学教育の先取履修を単位認定する仕組みを構築するよう働きかけるなど、高大連携のさらなる推進を求めた。

　魅力ある地方大学の実現に当たっては、地域・産業界とのさらなる連携強化やイノベーションの創出、地方産業の振興など、地方創生に資する共創の拠点としての役割を果たせるよう、地方大学の機能強化・研究環境を抜本的に充実するための積極的な財政支援を訴えた。

　さらに、新規学卒者の雇用確保、高校生の地元定着に向けた支援体制構築、こども庁創設に向けた早期の検討などを求めた。

(道・道教委 2021-11-29付)