上川局主管 プログラミング研修会 道教委指定校実践学ぶ 美瑛小授業 読み仮名クイズ
(道・道教委 2021-11-29付)

 【旭川発】道教委のプログラミング教育事業指定校・美瑛町立美瑛小学校(堀内隆功校長)を拠点に10月中旬、小学校プログラミング研修会がオンラインで開かれた。上川教育局主管で、同校教員のほか、上川管内から教職員18人が参加。「漢字の読み仮名クイズ」をプログラミングして漢字練習への意欲を高める活動を展開した国語の授業動画をもとに研究協議し、プログラミング教育の充実に向けて実践的指導力の向上を図った。

 新型コロナウイルス感染症対策のため、事前に録画した授業動画を配信。当日は動画をもとに、プログラミング教育や1人1台端末の活用、操作スキル習得時間の確保などを話題に研究協議した。

 公開した授業は、同校の鏡雄介教諭による5年1組の国語「漢字の広場3」。3時間扱いの3時間目に当たる本時の目標を「設定した課題に向かって、粘り強く漢字の練習に取り組むことができる」と設定した。

 冒頭、課題「テーマを決めて漢字の読み仮名の練習をしよう」を提示。4年生までに習った漢字について自己課題を設定し、1人1台端末を操作してプログラミング言語・Scratchで漢字の読み仮名クイズをつくる活動を行った。

 つくったプログラミングを共有ファイルにアップロードしたあと、アップされた友達の問題の中から自己課題にあったものを選んでダウンロードし、練習を繰り返した。

 振り返りでは、「漢字は苦手だけど、スクラッチでやるといろいろな問題ができて楽しくできた」など、学び合いを通して学習意欲の向上がみられる感想が挙がった。

 研究協議では、はじめに同校研修部長の増子淳一教諭が単元計画や同校のプログラミング教育について説明。「自分の学習ペースに合わせて漢字の読み仮名練習を進めることで、国語科の学びを深める」「テーマを設定することで、得意・不得意な漢字の読みを児童自らがとらえて客観的に自分を知る」ことをねらいに単元構成したことなどを伝えた。

 鏡教諭は、授業を振り返って「書くことや漢字の学習に強い苦手意識のある児童も、プログラミングを取り入れることで前向きに取り組めていた。算数や英語で反復が必要な学習など、他教科でも生かせると感じた」と話すとともに、「プログラミングの効果的な活用場面の精選が必要」との課題意識を伝えた。

 参加者からは、「目的意識をはっきりさせる導入だった」「子どもたちの漢字への抵抗感が下がっている感じが伝わってきた」などと評価する声が寄せられたほか、「操作にかかわる学習を事前にどれくらい行っているのか」など、操作スキル習得時間の確保に関する質問が挙がった。

 増子教諭は「操作を学習する時間は授業中にはなかなか時間がとれないので、“朝の基礎学習タイム”の10分間を活用して積み重ねていった」と紹介した。

 このほか、端末活用に際して「全校で統一している取組などはあるのか」との質問が上がり、情報部と連携した活用チェックリストや共通指導事項の確認、養護教諭と連携した健康面での留意の呼びかけなど、全校挙げた体制づくりについて紹介した。

(道・道教委 2021-11-29付)

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