道教委 全国学力調査報告書 6町村で全教科平均超 主体的な課題解決学習が成果
(道・道教委 2021-11-30付)

管内別平均正答率の状況
管内別平均正答率の状況(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は、『令和3年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書』をまとめた。平均正答率が全国平均を上回った管内は、小学校では国語が2管内、中学校では国語が4管内、数学は1管内。公表した市町村のうち、全教科で全国平均以上だったのは妹背牛町など6町村だった。授業では、「主体的な課題解決や対話型の学習に取り組んでいた」と回答した児童生徒ほど平均正答率が高い傾向にある。道教委は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、小中連携の取組の充実など、改善の方向性を示した。

 報告書は、全国学力・学習状況調査結果における全道・管内の状況を分析して改善の方向性を示すとともに、教育委員会や学校の参考となるよう、授業改善例や特色のある取組を掲載したもの。29日の道議会文教委員会で報告した。

 全道の状況では、児童生徒質問紙調査と教科に関する調査結果のクロス分析を掲載。授業では、「課題解決に向け自分で考え、自分から取り組んでいた」「話し合う活動を通して自分の考えを深めたり、広げたりすることができた」と回答した児童生徒ほど平均正答率が高く、「当てはまる」と回答した児童生徒の平均正答率は国語・算数共に全国平均を上回っている。

 学習習慣・生活習慣との関連をみると、「1日当たりの学習時間が長い」「テレビゲームをする時間が短い」と回答した児童生徒ほど平均正答率が高く、学習時間は小・中学校の国語で1時間以上、小・中学校の算数・数学で2時間以上のグループで全国平均を上回っている。

 道内と全国の平均正答率との差(道内平均正答率÷全国平均正答率×100)を学習指導要領の内容・領域等で比べたところ、算数の「図形」で6・7ポイント下回るなど、特に小学校の算数で差が大きい。中学校国語の「言語についての知識・理解・技能」は全国平均以上。問題形式別では記述式がすべての教科で全国平均を下回った。

 家で計画を立てて勉強をしている児童生徒の割合は全国平均を上回った一方で、学習塾や家庭教師の先生に教わっている割合は小学生が23・0ポイント、中学生17・3ポイント下回り差が大きい。

 国語の勉強が好きと回答した割合は、小学校が0・4ポイント、中学校が6・8ポイント全国平均を上回ったが、算数(数学)は小学校が5・4ポイント、中学校が6・6ポイント下回った。

 平均正答率が全国平均を上回った管内は、小学校では国語で檜山・釧路の2管内。算数で上回った管内はなかった。

 中学校では国語が石狩・檜山・上川・十勝の4管内。数学は令和元年度に続き石狩のみだった。

 平均正答率が高かった管内と低かった管内の差は、小学校では国語が9・6ポイント、算数が8・2ポイント、中学校では国語が6・5ポイント、数学が8・8ポイント。元年度と比べると中学校で差が縮まり、小学校で広がった。

 報告書では、同意を得た178市町村の調査結果と分析、今後の改善策を掲載。平均正答率を公表した市町村のうち、全教科で全国平均を上回った市町村は妹背牛町、当別町、ニセコ町、真狩村、安平町、厚沢部町の6町村となっている。

(道・道教委 2021-11-30付)

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