佐古会長　授業力向上につなげ　道視研が研究大会旭川大会

（関係団体 2021-12-08付）

クラウドで資料配布し、オンラインで開催した

　【旭川発】北海道視覚障害教育研究会（＝道視研、会長・佐古勝利札幌視覚支援校長）と全日本盲学校教育研究会北海道支部（支部長・同）は１１月中旬の２日間、旭川盲学校（宮岸尚平校長）を主会場に令和３年度道視覚障害教育研究大会旭川大会をオンライン開催した。旭川盲による授業公開や研究発表のほか、筑波大学の佐島毅准教授による講演、分科会協議を展開した。

　道視研の研究主題「視覚に障がいのある幼児児童生徒一人一人のニーズに応じた指導・支援の在り方の探求」を中心に研究協議し、本道の視覚障がい教育の充実と発展を図ることが目的。全道盲学校などからＺｏｏｍを通じて５９人が協議などに参加し、講演会は９０人以上が聴講した。

　開会に先立ち、旭川盲が幼稚部・小学部・中学部の授業を公開。４歳児の朝の会、小学２年国語「ぞうさんのさんぽ」、中学２年国語「平家物語」をそれぞれ約１５分間の動画に編集して配信した。

　開会式の冒頭、佐古会長があいさつ。今回のオンデマンド配信による授業公開の取組を契機に、会員同士がＩＣＴで学校間の垣根を越えて授業を参観し合い、授業力向上につなげる取組に広がることを期待した。

　また、在籍児童等数の減少などによって専門性の向上が一層困難な状況を打破すべく、道視研在り方検討チームを立ち上げたことを紹介。全児童等が予測困難な時代を生きる力を身に付けるため、道視研が果たす役割などについても活発に協議・情報共有するよう呼びかけた。

　主管校を代表してあいさつに立った宮岸校長は、大会資料等をクラウド上に保存し、各参加者が端末を活用して資料を閲覧する新たな形での開催となったことを紹介。新たな道視研の活動を通して道内視覚支援学校４校が連携・協力し、一層の専門性向上が図られることを期待した。

　来賓祝辞では、上川教育局の河野秀平局長があいさつ。道内視覚支援学校４校がネットワーク体制の構築を進めてきたことや、ＩＣＴを活用した新たな学習を創造するプロジェクトを立ち上げてきたことを取り上げ、研究大会によってさらなる視覚障がい教育の充実が図られることを期待した。

　続いて、旭川盲が研究発表。研究主題「子どもが見通しをもって主体的に活動するための、個々の教育的ニーズに応じた取組」のもと、３学部・寄宿舎でそれぞれテーマを設定して取り組んできた研究内容を紹介した。

　５分科会で研究発表・協議を行ったあと、筑波大の佐島准教授が「視覚障害児の概念形成と教材・教具」と題して講演。認知発達の段階や、発達段階に応じた学習活動・教材教具、視覚障害による発達の影響などを示した上で、子どもたちの主体的な学びを通して発達を促すために指導者が大切にしたいポイントを伝えた。

(関係団体 2021-12-08付)