根室局 独自事業の一環で防災教育会議 支えるシステム構築を 地域と連携した取組充実へ(道・道教委 2022-01-06付)
管内の関係者約30人が参加。写真は配信会場の中標津町役場
【釧路発】根室教育局は昨年12月下旬、ねむろ防災教育会議をオンライン開催した。同局職員、管内市町教育長、学校管理職など約30人が参加。防災教育充実に向けた取組の概要説明、各学校の実践発表などを実施。地域と連携した防災教育を充実させるための方策について協議した。
根室局は3年度、独自の取組「ねむろ防災教育ネットワーク構築事業」を展開。将来発生が懸念される大規模自然災害に備え、地域の防災意識の向上、防災教育充実に資する取組を進めてきた。
具体的な取組としては、事業に参画している管内の高校6校が防災教育に関する動画を制作したほか、関係機関が情報を共有できるクラウドサービス「ねむろ防災教育Workspace」を新設した。
会議は、これまでの取組を共有するとともに、防災教育のさらなる充実に向けて、管内の関係者が協議するもの。配信会場の中標津町役場には、松田俊也局長ら同局職員や管内市町教委教育長、渡辺晃史中標津農業高校長ら16人が出席。オンラインでは管内高校・特別支援学校の管理職、管内小中学校校長会および教頭会の役員、根室振興局および市町の防災担当職員ら計15人が参加した。また、道教育大学釧路校の境智洋教授が講師を務めた。
はじめにあいさつした松田局長は、根室管内において大地震とそれに伴う津波の発生が危惧されていることにふれ「子どもたち、地域の防災意識を高める取組が求められている」と強調。そのために今回の事業を始めたことを説明し、「事業の一層の充実に向け、きたんのない意見をお願いしたい」と述べた。
引き続き、小山彰教育支援課長が事業の概要を説明。管内高校6校が防災教育にかかる動画を制作してWorkspaceで公開していること、Workspaceでは管内の幼・小・中・高計19園・校、道教委、根室局などが作成した防災教育関係資料が掲載されていることなどを紹介した。
このあと、標津高校と別海高校が制作した動画を視聴。動画については森田泰史標津高校長、佐藤一昭別海高校長が説明し、教育実践のポイントを紹介した。また、別海町危機管理室の和田直人室長、別海町教委の登藤和哉教育長が行政からの視点での防災教育について説明した。
協議では、根室高校の久保肇校長が避難訓練を冬に実施する必要性などを指摘した。別海町立野付中学校の小崎伸人校長は、町内会、近隣幼稚園・小学校と合同で行っている避難訓練を紹介し、地域との信頼関係で取組がスムーズにできていることを伝えた。
根室振興局地域政策課の国井淳一郎防災係長は、防災ボランティアの担い手を広げるためにも、子どもたちが防災について学ぶ重要性を強調した。
最後に助言した境教授は、防災教育を支えるシステムの必要性に言及。避難訓練の改善、教科と関連させたカリキュラムの編成・実施、教材・教具・人材の確保・提供などを組織的に進めることが重要とし「どの学校、どの先生でも実施できる防災教育」の実現を訴えた。
今回の会議に関し、「実践的・効果的な防災教育を支えるシステムづくり、地域を支える学校の姿をみることができた」と評価し、さらなる発展を期待した。
(道・道教委 2022-01-06付)
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