道教委 夜間中学WG会議 遠隔教育の導入を協議 広域な本道での方策検討(コロナウイルス関連 2022-02-07付)
道教委は2日、オンラインで第1回夜間中学等に関する協議会ワーキンググループ会議を開いた。広域な本道において夜間中学のニーズに迅速に応えるため、遠隔教育の活用など、実現性の高い方策について意見を交わした。
ワーキンググループは、夜間中学等に関する協議について、実務的な検討等を行うため、1月14日に設置したもの。今回が初会合。
座長は行徳義朗義務教育課長。構成員は、札幌、函館、旭川、釧路の市教委や、道中学校長会、道高校長協会、道PTA連合会の代表者、北海道に夜間中学をつくる会の共同代表、北海道大学教授ら計13人。
はじめに、行徳座長があいさつ。ことし4月に札幌で、道内初の公立夜間中学となる札幌市立星友館中学校が誕生することに触れ「本協議会もこれで一定の成果を得られたと思うが、札幌市1校でニーズをカバーできるものではなく、全道における場の提供が必要」「まずは、現状を熟知している皆さんと意見交換をさせていただきたい」と述べた。
続いて、事務局がこれまでの道教委の取組を説明。平成27年度からアンケート調査で夜間中学に対するニーズや配慮事項などを把握してきたほか、道内外の実践事例などをまとめた資料の作成・配布などを行ってきたことを説明した。
続いて、札幌市教委の工藤真嗣夜間中学担当課長が、星友館中について説明。70人を超える入学者を見込んでおり、その3分の2が小学校段階からの学びを希望していること、3学級6コースの少人数指導とし、小学校3年生程度からスタートするコースを設置すること、教員は7人で、加配や学習支援ボランティアの募集により、なるべく複数配置で安心して学べる体制をつくることなどを述べた。
このあと、遠隔教育の活用について協議した。道教委は、本道の広域性から、早急に全てのニーズに応えることは困難なため、早期の学びの保障を図るため遠隔教育を視野に入れた検討を提案。文科省の遠隔教育特例制度を利用する場合、授業は同時双方向で、受信側の教室には中学校の教員免許を有する教員を配置すること、生徒は週5日間登校する必要があり、対面による授業を相当の時間行うことなどが要件となることを説明した。
これに対し、参加者からは「オンライン授業はせいぜい2時間が限界で、6時間はキツい」「機器や通信環境の問題をクリアしないといけない」「星友館中でも3分の2が小学校段階から学びたいという実態なら、まず対面授業が必要。パソコンも使えない、ローマ字も分からない人にはサポートが必要」「有朋高校のように、広域の生徒を扱い、全道28校とつながっている学校が現にある。そうした可能性は考えられないか」などの意見が出されていた。
最後に、行徳座長は「小学校段階から学びたいという方々に遠隔はキツいということは重々承知している。今後は、星友館中でどのような要望があるか生の声を聞いたり、国勢調査の結果を踏まえたりなどしながら、さらに検討を続けていきたい」などと述べた。
(コロナウイルス関連 2022-02-07付)
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