道 ヤングケアラー支援へ 助言・調整機関を新設 市町村の所管 一元・明確化
(道・道教委 2022-02-15付)

 道は10日、札幌市内かでる2・7で第7回道ケアラー支援有識者会議を開催(集合またはウェブ参加)し、ヤングケアラーの支援に向けた今後の方向性を示した。市町村では学校が把握した情報を受ける所管を一元化・明確化し、関係機関によるケース会議を通して適切な支援につなげる。道では市町村への助言や調整機能などを担う機関を設置するほか、学校以外で相談できる窓口や当事者同士が意見を交換する場を設けるとした。

 会議では、はじめに、道が市町村におけるヤングケアラー支援に必要な視点・考え方のたたき台について説明。市町村の実情に応じたヤングケアラーの支援体制の整備を促進するため、早期発見・把握および支援体制に関する考え方を整理したもので、道は今後、このたたき台を市町村に示すとともに、市町村における体制整備について助言等を行うとした。

 ヤングケアラーの早期発見・把握では、「学校における子どもの状況把握」「家族が福祉・医療と関わりがある場合」「地域や支援団体からの把握」の3つの観点を整理。「ヤングケアラーとしての気づきは学校が中心と考えられる」としつつ、介護保険や障がい福祉サービスを利用する家庭の関わり、児童委員による状況把握、子どもの居場所などの支援団体、住民などの情報提供による発見が必要とした。

 学校における子どもの状況把握として、教員が日常の教育活動で遅刻や欠席の多さや成績の不振など子どもの日常の変化に気づくことや、スクールカウンセラーによる教育相談を挙げている。

 市町村における支援体制では、市町村は学校(教員等)が把握した子どもの状況(情報)を市町村に提供するためのつなぎ先(担当部署)を定めるほか、学校等にあらかじめ周知することが必要とした。担当部署を一元化した上で、中核的な役割を担う所管を明確化し、関係機関との連携体制を構築すべきと指摘。

 また、ヤングケアラーの発見後に適切なサービスにつながるよう関係機関によるケース会議を開催し、様々なケース(親が精神疾患、祖母が認知症、障がいのあるきょうだいなど)に応じた支援方法や連携体制の検討が必要とした。

 道立・私立学校では複数の市町村から通う子どもが多いことから、道において複数の児童相談所管内などの範囲でコーディーネート機能を持つ機関を設置。各市町村に助言する体制を併せて構築する。

 また、学校以外でヤングケアラーの相談窓口を設置し、状況に応じて学校に知られず支援を受けることができる体制を整備する。さらに、インターネットを活用してヤングケアラーの当事者同士が意見交換できる場を設け、悩みの相談や精神的な負担軽減を図る取組を行うとした。

 会議で委員からは、学校でヤングケアラーを発見した場合、校内における組織的な対応を示す指針が必要とし、他県の事例を取り上げて検討することを要請。多くの機関が関わる中で対象者を早期発見・把握するため、子どもの状況を評価・共有するためのアセスメントシートの作成を提案した。

(道・道教委 2022-02-15付)

その他の記事( 道・道教委)

しらおい食育防災センターが最優秀賞 アイヌ料理を取り入れ 道教委等 学校給食コンクール

道教委等学校給食コンクール  道教委と道学校給食会(千葉俊文理事長)は15日、札幌市内の道第2水産ビルで道学校給食コンクールを開いた。郷土料理や伝統料理をテーマに、道内4チームがそれぞれ考案した献立を発表。アイヌ民族の...

(2022-02-18)  全て読む

道教委 地学協働推進フォーラム まちの魅力、再発見! 各研究指定校が実践発表

道教委地学協働推進フォーラム  道教委は15日、オンラインで道CLASSプロジェクト地学協働活動推進フォーラムを開いた。研究指定校4校の実践発表や参加者同士の協議を通し、地学協働活動の推進を図った。商工会の紹介マップづく...

(2022-02-18)  全て読む

道教委 学びのDX事業 授業改善へICT活用 4校種23校の事例公開

 道教委は、ICTを活用した学びのDX事業の推進校23校の取組事例をまとめ、ホームページに公開した。1人1台端末を効果的に活用した授業実践、教員のICT活用指導力向上に向けた校内組織体制の整...

(2022-02-17)  全て読む

高校づくり指針検証報告案 遠隔授業 配信拡大を 道教委 通学可能圏で再編も

 道教委は、「これからの高校づくりに関する指針」検証結果報告書(案)をまとめた。今後の方向性として、市町村を越えた通学可能圏内での高校再編、普通科における新学科設置の検討などを記載。高校遠隔...

(2022-02-16)  全て読む

道研 3年度研究所運営懇談会 遠隔研修への期待多数 双方向や学び合う形式に

道研運営懇談会  道立教育研究所は9日、オンラインで研究所運営懇談会を開いた。学識経験者等から「これからの道研に期待すること」をテーマに意見を聴取。本道の広域性や小規模校の多さから遠隔研修を求める声が多数出...

(2022-02-16)  全て読む

道教委 公立高入選の出願変更状況 全日制8人増 0・99倍 専門学科 1・24倍に上昇

 道教委は14日、4年度公立高校入学者選抜出願変更後の状況を発表した。2日現在の出願者数は、当初出願時と比べて全日制で8人増の3万427人、定時制で4人増の953人。全定合計で3万1380人...

(2022-02-15)  全て読む

道立図書館の4年度市町村支援事業 申込を直接受付に変更 新たに縄文文化セット貸出

市町村活動支援事業案内  道立図書館は、4年度の「市町村活動支援事業」の申込受付を開始した。来年度は大きく7つの事業について、市町村や学校の利用を募集。世界遺産登録に合わせて「縄文文化セット」を新たに貸し出すほか、...

(2022-02-15)  全て読む

4年度図書館関連大会・研修会 6月 札幌で北日本大会 道立図書館 日程まとめ

 道立図書館は、4年度に実施が予定されている図書館に関係する大会や研修会等をまとめた。  第62回北海道図書館大会・第73回北日本図書館大会北海道大会が6月8~9日に札幌市教育文化会館で、...

(2022-02-15)  全て読む

道総研・開発局の研究成果を学校へ 出前講座等積極活用を 道教委 リーフレットで周知

 道教委は、連携協定を締結した道立総合研究機構(=道総研)、道開発局と教育活動を行うためのリーフレットを作成した。両機関が有する優れた知見や研究成果をもとに、防災教育の出前講座、現場見学会や...

(2022-02-14)  全て読む

26日に地学協働世界遺産フォーラム 北海道の縄文を学ぼう! 道教委、練成会グループ等

 道教委等は、26日午後1時30分から地学協働フォーラム「世界遺産 北海道の縄文に学ぶ」を開催する。児童生徒らに身近な世界文化遺産である縄文遺跡の普遍的価値や、縄文文化の面白さを発信する。 ...

(2022-02-14)  全て読む