道教委 地学協働推進フォーラム まちの魅力、再発見! 各研究指定校が実践発表
(道・道教委 2022-02-18付)

道教委地学協働推進フォーラム
130人がオンラインで参加した

 道教委は15日、オンラインで道CLASSプロジェクト地学協働活動推進フォーラムを開いた。研究指定校4校の実践発表や参加者同士の協議を通し、地学協働活動の推進を図った。商工会の紹介マップづくりや首長への提言などの活動を通して生徒たちがまちの魅力を再発見。まちづくりに目覚めるなどの成果が上がった一方、まだ学校全体ではなく一部の教員の活動になっていることや、地域とつながる意義が理解されていないことなどが課題として挙がった。

 プロジェクトは、地域と学校の連携・協働体制を整備し、活動を通じて「まち・ひと・しごと」と「学び」のつながりづくりを図るため、本年度から3ヵ年計画でスタート。道内4圏域から当別高校など4校を推進校に指定している。

 フォーラムは、研究指定校の実践発表と参加者同士の協議を通し、全道における地学協働活動の推進を図るもの。全道の高校、市町村教委、教育局等から130人が参加。岩手県教委からの参加もあった。

 はじめに五十嵐秀介社会教育課長補佐が説明。「児童生徒が社会のつくり手となるよう、協働的な学びが重要であり、地域社会と学校との連携は、地域創生にもつながる」「特に高校生は、その発想や行動が地域を変える力を持っている」「高校を指定校にしているが、各校の実践は小・中学校にも生かすことができる。自分たちの学校・地域ならば何が必要かを考えながら発表を聞いてほしい」などと述べた。

 続いて、研究指定校の当別高、白老東高校、上富良野高校、帯広三条高校が自校の地学協働活動について発表。その後、質疑応答と協議を行った。

 指定校の発表概要はつぎのとおり。

▼当別高

 1年目は計画と体制づくりをメインとし、町、農協、商工会、当別中、西当別中、石狩教育局、道医療大、当別町地域商社(株)とのコンソーシアムを組織。25日に第1回会合を開催する予定。また、実働的な団体として、フットワークが軽く、教員と連携が取れる若手を増やしていく。

 地域との連携については、地域が学校を支える心を醸成するとともに、生徒数が減少していることへの危機感を共有したい。

 4年度は、町内を歩き、まちの良さを知る機会をつくるフィールドワークや、地域の方から働くことについて話を聞くキャリアクエストタイム、まちの企業とつながる企業訪問などを予定している。

▼上富良野高

 本年度は、地域課題を題材とした探究型学習プログラムの開発に取り組んでおり、1年生はジオパークを題材に探究活動の基礎を学んだ。国立大雪青少年交流の家と連携し、十勝岳ジオパーク推進委員会の協力でフィールドワークを行った。

 2年生は、地域探究として地域の課題を探り、ポスター発表などを実施。全国高校生体験活動顕彰制度「地域探究プログラム」に参加し全国大会で入賞した。

 3年生は、地域探究の内容を町長にプレゼンし、地域課題について提言した。

▼白老東高

 3年生の選択科目「地域学」を始めて4年目となる。地域やアイヌ民族の歴史と文化について学び、紹介映像などを作成している。

 本年度は地域課題解決に向けたプロジェクトとして、ウポポイを訪れる観光客がなかなか町の商店街に流れ込んでくれないことが挙がり、商店街でのフィールドワークを通して魅力を発見。店の魅力を伝えるPR動画の制作に取り組んだ。

 名古屋外国語大と連携し、取材に同行してくれたため、生徒たちは大変心強かったと話している。また、高齢の店主からはインタビューを通し、人生についても教わった。

 町民との対話交流も行い、小グループで話し合い、地域の可能性を探り、視野を広げるとともに、地域からも「高校生と関われてうれしい」と喜ばれた。

 映像による情報発信に向け、地元出身のプロによる講習会を受け、店や商店街の魅力を伝える動画を作成。「とても高校生がつくったとは思えない」と言われるほど好評を博した。

 生徒たちはこうした活動を通じ「何もないまちと思っていたが、店の魅力やまちの良いところを知り、白老町の魅力を発見できた」などと話している。

▼帯広三条高

 3年次の選択科目「自己表現」における探究的な学びの実践や、外部人材を活用した探究プログラムの蓄積を行っている。

 コンソーシアムは、帯広市、十勝総合振興局、道教育大、道教委、帯広畜産大、道医療大、JICA、帯広美術館、十勝毎日新聞社と協働している。

 市役所の協力を得て、市のまちづくりについて探究。地域の出来事を自分事とし、各テーマについて2ヵ月探究し、まとめの発表会には、地域の方にも参加していただき、講評してもらった。

 生徒たちは、商店街のマップに課題があると考え、地図上に写真や商品のイラストを散りばめ、視覚に訴えるアピール度の高い商店街マップをつくり上げた。

 生徒たちの感想をみると、地域に対する関心が高まった子が100%、自身の考えを伝える能力が高まった子が96%。また、自分で調べたり、他のグループの発表を聞くことで、より一層まちへの興味が高まった。

 課題は、一部の授業、一部の教員による取組であり、高校全体としての取組にしていきたい。また、地域とつながることや、探究的な活動をすることで、生徒の成長や視野の広がりにつながることを教員に実感させ、意識を変えていきたい。

(道・道教委 2022-02-18付)

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