高校づくり指針検証報告案 遠隔授業 配信拡大を 道教委 通学可能圏で再編も(道・道教委 2022-02-16付)
道教委は、「これからの高校づくりに関する指針」検証結果報告書(案)をまとめた。今後の方向性として、市町村を越えた通学可能圏内での高校再編、普通科における新学科設置の検討などを記載。高校遠隔授業配信センター(T―base)では、家庭・商業などによる遠隔授業の配信教科・科目を拡大する必要性を示した。
報告書案は、平成30年3月に策定したこれからの高校づくりに関する指針に基づく取組の成果と課題を検証し、今後の見直しに資するために作成。道内の中高生や保護者を対象に実施したアンケート、関係市町村への意見照会や庁内会議を経て、14日の道教育推進会議第2回高校専門部会で提案し、近く決定の見通し。
①高校配置計画②活力と魅力ある高校づくり・経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり③教育諸条件等の整備④地域とつながる高校づくり―の4点に基づく現状と取組、課題や方向性を整理。①では、今後も可能な限り1学年4~8学級の望ましい学級規模となるよう、中卒者数の状況や生徒の進路動向など地域の実情を考慮して再編整備を進めるとした。
一方、高校の小規模化が進む中、従来の同一市町村に所在する高校の再編整備のほか、市町村を越えた通学可能圏内での再編の検討が必要とし、中核市町村と周辺市町村が共に高校の魅力化や配置について考える場を設定する必要性を示した。
定時制・通信制課程では生徒の様々な入学動機を踏まえ、夜間授業や自宅での自学自習など全日制以外の学習スタイルを求める生徒に対応していることを勘案した上で、配置の在り方を検討する。
②では、普通科、専門学科、総合学科など各学科の課題や方向性について整理。普通科では、保護者や生徒からの要望が多いプログラミングやデータサイエンスに関する教育、統計教育の充実を図るほか、学際領域や地域社会に関する新学科の設置を検討するとしている。
専門学科(職業学科)では、生徒の興味・関心や進路希望に柔軟に対応できる入選方法の改善を検討。農業科・工業科・商業科においては、都市部と郡部の高校で役割を分担するなど、広域分散型の特性を踏まえた在り方を検討する方向性を示した。
③では、地域特性や地域の要望などを踏まえ、道外からの推薦による入学者受入拡大を検討。通学費や下宿費の補助などの修学支援は、事業の実施状況などを把握し、必要に応じて見直しを図るとしている。
④では、T―baseによる遠隔授業の充実を挙げ、受信校から希望の多い家庭・商業の教科・科目の開設の可能性を検討。入学者数の増加に向けた広報活動の充実を挙げている。
地域との連携・協働の促進に向けては、連携組織(コンソーシアム)の整備、地域コーディネーターの配置、担当教職員の位置づけなど、学校・地域の実情に応じた体制の構築が必要としている。
(道・道教委 2022-02-16付)
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