市町村の教育相談体制充実事業開始 研修パッケージを提供 特セン 4年度運営方針案
(道・道教委 2022-02-22付)

 道立特別支援教育センターの4年度運営方針案がまとまった。コロナ禍の時代に対応し、遠隔や配信の研修を積極的に実施。集合・遠隔・配信の研修形態を効果的に組み合わせた「研修パッケージ」を作成し提供するほか、市町村教委における教育相談体制充実事業をスタート。特別支援学校授業改善ミニ座談会(ICT活用授業改善)も新たに計画している。

特センでは、4年度の運営の重点として「“ウィズコロナ・アフターコロナ”期における学校現場が直面する特別支援教育の課題の解決に資する取組を行う」ことをはじめ、「多様な双方向型のオンラインを活用した事業を展開する」「特別支援教育の対象となる障がい教育の専門性を活かした教育相談を充実する」「特別支援教育におけるICTの効果的な利活用等の促進に寄与する」などの方針を打ち出している。

 これを受け、研究・研修事業では、集合・遠隔・配信の研修形態を効果的に組み合わせた研修パッケージを提供。

 遠隔または配信によるオンデマンド研修で事前研修を行い、研修目標や基本的・基礎的事項を確認。課題を焦点化してから、課題解決型の研修を集合または遠隔で実施。他校の取組の共有やグループ協議などで課題解決の方策を検討する。

 その後、勤務校で研修成果を踏まえた取組を実施。さらに、事後研修を遠隔で行い、実践交流やグループ協議で方策の有効性や限界性を見極め、修正等を行う。

 このほか、研修事業ではICTを活用した研修支援を充実。特別支援教育の基本的な事項を中心とした研修用動画の配信によって、教職員自身による個別最適な学びを推進する。

 教育相談事業では、新たに市町村教委における教育相談体制充実事業を推進する。

 市町村教委によって、教育相談体制の整備状況に差があるほか、教育相談担当者を持続的に配置することが困難な地域があることから、既存の教育相談担当者養成集中講座に加え、教育相談実践力育成プログラムを実施する。

 2年スパンで、1年目は心理検査に関する研修(訪問研修)、特巡による特セン相談担当者との振り返り、心理検査に関する研修(自主研修+遠隔による助言)、事例検討(受講者が担当している相談事例や特センの相談ケースを利用)を行う。

 2年目は、講義「各障がいの理解」「障がいのある児童生徒の教育支援」のほか、心理検査に関する研修(訪問研修)を実施。

 また、所員が付き添って実際の教育相談を実施しアドバイス等を行う。さらに、受講者が担当しているケースやセンターの相談ケースを使用し事例検討を行う。

 受講対象者は、市町村教委の教育支援委員会の委員。各教委の就学事務担当者に研修の運営を担ってもらうことで、市町村の教育相談体制に波及効果をもたらす効果をねらっている。また、事業を行う地域には、特巡として2年間相談員を派遣する。

 広報啓発・ICT教育推進事業では、新たに特別支援学校授業改善ミニ座談会(ICT活用授業改善)を企画運営。また、センターと各特別支援学校とのデータ共有のための環境整備(教育課の業務のICT化)を図る。

 特別支援教育ユーチューブチャンネルを活用した広報啓発については、特別支援学校紹介動画や特セン紹介動画の作成、公式ツイッターとの連動などを行う。

 また、新たにオンラインによる理解啓発セミナーを実施。小・中学校等の教職員や大学生などへの理解啓発を図る。

 このほか、各教育室では校長会、教頭会との連携を密にした取組の推進や、ICTにかかる教育実践の収集・発信、各学校の実践や教員の実践的指導の向上をサポートする取組を推進する。

(道・道教委 2022-02-22付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委 遠隔学習導入モデル事業 指定校動画を限定公開 ICT効果的活用の参考に

 道教委は、オンライン学習導入モデル事業の研究実践指定校8校における実践映像の動画を関係者に限定公開した。内容はICTの効果的な活用に向けた研修や学校全体で取り組む組織体制の整備、オンライン...

(2022-02-24)  全て読む

檜山局 教委と小・中対象に臨時会議 学び止めない環境を 学習保障の留意点等通知へ

檜山局臨時会議  【函館発】檜山教育局は17日、新型コロナウイルス感染症に伴う児童生徒の学びの保障の徹底に向け、管内町教委および小・中学校を対象とした臨時会議を開いた。児童生徒や教職員等の感染症罹患に伴い、...

(2022-02-24)  全て読む

4団体2個人に栄誉 上川局3年度教育実践表彰

実践表彰・旭川第三小  【旭川発】上川教育局は、3年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では旭川市立旭川第三小学校、富良野高校、旭川盲学校、東川町立東川小学校の木村智美教諭、旭川東高校の佐藤俊行教諭が受...

(2022-02-24)  全て読む

高校生建築デザインコンクール 最優秀賞ペアら5人に 道建築局が苫工で表彰式 

苫工高・建築コンクール表彰式  【苫小牧発】高校生建築デザインコンクールで入賞した苫小牧工業高校(宮岡勝郎校長)の生徒5人が17日、主催する道建築局から表彰状を受け取った。同校を訪問した大野雄一局長が最優秀賞を受賞し...

(2022-02-22)  全て読む

道教委 3年度教育実践表彰 9校・32人に栄誉 若手教職員等奨励賞は13人

 道教委は3年度道教育実践表彰の被表彰校・被表彰者を公表した。学校表彰で伊達市立伊達小学校など9校、教職員表彰で美唄市立東小学校の村越含博教諭ら32人が受賞。若手教職員等奨励賞には滝川市立滝...

(2022-02-22)  全て読む

道と北大 SDGs×北海道セミナー 自然農法が地球を救う 旭川農業高の研究成果紹介

 道と北海道大学は17日、オンラインでSDGs×北海道セミナー2022を開催した。中で、旭川農業高校がSDGsに関する取組「オーガニックフラワーの調査・研究」について紹介。自然農法が温室効果...

(2022-02-22)  全て読む

学校に大型提示装置 道教委 3年度教育費補正案

 道教委は18日、3年度教育費補正予算案を発表した。補正額は15億5041万円で、既計上額との合計は3856億800万円。学校感染症対策等支援事業費に6億165万円を計上し、大型提示装置や教...

(2022-02-21)  全て読む

学び保障、地域連携など重点

 道の4年度一般会計予算案に占める教育費の割合は11・8%となり、前年度と比べ0・1ポイント減少した。教育費総額は39億4285万円減少。教職員の自然減に伴い、給与費が約32億円減少したこと...

(2022-02-21)  全て読む

道教委 4年度教育費予算案 1%減の3827億円 新規6事業 STEAMなど

教育費予算案表  道教委は18日、4年度道教育費予算案を発表した。教育費の総額は前年度当初比1・0%減の3827億220万円。新規事業は6事業で、GIGAスクール運営支援センターの整備、教科等横断的な学習を...

(2022-02-21)  全て読む

3年度補正予算案 主要事業

 道の3年度補正予算案のうち、教育関係の主要事業はつぎのとおり。 ▼学校感染症対策等支援事業費=6億165万円  道立学校における感染症対策と学習の保障等に要する経費。 ▽対象校=道立...

(2022-02-21)  全て読む