道教委等 地学協働フォーラム 縄文文化学ぶ喜び発信 身近な遺跡から歴史に思いはせ
(道・道教委 2022-03-02付)

地学協働世界遺産フォーラム
道内児童生徒や教員約150人が参加

 道教委、練成会グループ、NPO法人ほっかいどう学推進フォーラムは2月26日、地学協働フォーラム「世界遺産 北海道の縄文に学ぶ」をオンラインで初開催した。シンポジウム「過去と未来を結ぶ世界遺産の学び」では、伊達緑丘高校や函館市内中学校の生徒が縄文文化の学習内容を発表。身近な地域の遺跡から1万5000年前に思いをはせるなど、歴史を知る楽しさを伝えた。

 フォーラムは、道内初の世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の価値を全道の生徒・教員に知ってもらうため開催。札幌市内かでる2・7を会場として、オンラインで小中学生、高校生、教員ら約150人が参加した。

 はじめに、道環境生活部文化局文化振興課縄文世界遺産推進室の阿部千春特別研究員が「世界遺産になった縄文遺跡群」と題して基調講演。縄文人の共同墓地である千歳市のキウス周堤墓群、北海道で唯一国宝として指定を受けている中空土偶などを取り上げ、複雑・高度な精神性を持つ縄文社会の特色を伝えた。

 続いて、「過去と未来を結ぶ世界文化遺産の学び」をテーマにシンポジウム。シンポジストとして道教委の池野敦教育部長、練成会グループの今村明広塾長、函館市教委の辻俊行教育長が参加。ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長がコーディネーターを務めた。

 はじめに、中高生が縄文文化の学習について発表。伊達緑丘高2年生の梅村涼楓さんら3人は北黄金貝塚の探究活動を発表。「縄文文化のリサイクル精神はSDGsにも合致している。古代日本の精神性を世界に知ってほしい」と述べた。

 遺愛女子中学校1年生の柳川桜子さんは全国のコンクールで入選した縄文文化の自由研究を取り上げ、地域の出土品から古代の歴史を学ぶ楽しさを伝えた。

 池野教育部長は道内における縄文遺跡の分布図を示し、地元の郷土資料館に足を運ぶよう呼びかけ「歴史を知ることが自分たちが住むまちへの愛着や誇りにつながる。学校の勉強にとどまらず、いろいろなことに興味を持って調べてほしい」と期待した。

 辻教育長は、世界遺産登録によってまちが活性化している様子から人々の心を寄せ付ける縄文文化の魅力を語り「今後の遺跡の発掘で新しい歴史が発見される可能性も十分にある。縄文の未来を見つけるのは子どもたちに託されている」と述べた。

 今村塾長は興味・関心を持って学習する大切さとともに、教育資源が広域に点在する北海道の可能性を指摘。新保理事長は「北海道は宝の島。縄文文化を生かし、若い人たちと一緒に北海道を盛り上げていきたい」と締めくくった。

(道・道教委 2022-03-02付)

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