初の遠隔就業とVR修学旅行を報告 可能性広げる貴重な機会 特別支援課が教育委員会に(道・道教委 2022-03-03付)
DXを踏まえた特別支援教育について報告した
道教委特別支援教育課は2月24日の教育委員会で、コロナ禍におけるDXを踏まえた特別支援教育について報告した。初めて実施した「リモートによるインターンシップ」と「バーチャル修学旅行」について、実践した岩見沢高等養護学校と高等聾学校がオンラインで報告。「肢体に障がいのある生徒にとって、就労の機会を広げ社会参加への一歩を踏み出す貴重な機会」「コロナ禍で修学旅行が行えない中、現地にいるような臨場感のある学習ができる」と成果の大きさを語った。
新型コロナウイルス感染症の流行によって、非対面、非接触へと社会全体が大きく変化し、教育においてもICTの効果的な活用が求められている中、特別支援教育課ではDXを踏まえた特別支援教育を推進。今回は、特別支援学校では初のリモートによるインターンシップとバーチャル修学旅行を実施したことから、教育委員会に報告した。
倉本博史教育長はじめ6人全員が参加した教育委員会で、冒頭、金田敦史課長が概要を説明した。
リモートインターンシップについては、高等聾学校、拓北養護学校、岩見沢高等養護学校の3校が、リモートワークを積極的に取り入れているPwC Japan合同会社(本社・東京)と遠隔で接続し、それぞれ3日間実施。書類作成、電子データの入力などを指導役の社員の指示に基づいて行い、生徒1人が就職内定したことを報告した。
バーチャル修学旅行については、コロナ禍による渡航制限等を踏まえ、高等聾学校で実施。シンガポールの道ASEAN事務所による現地からの中継などで、シンガポールの魅力を紹介したことを述べた。
続いて、岩見沢高等養護と高等聾がオンラインで活動報告した。
岩見沢高等養護の佐橋正智校長は「リモートワークでも仕事の厳しさや充実感が味わえ、オフィスと変わらない環境で働けると実体験でき、生徒はリモートワークで就職したいとの思いを一層強くし、面接を経て内定を得られた」と報告。
また、リモートを活用した就労について「肢体に障がいのある生徒の就労や社会参加などに可能性を大きく広げるもの」と強調。「社会への一歩を能動的に踏み出せるよう、リモートインターンシップを大切に継続していきたい」と述べた。
高等聾の室岡弘明校長は、2月8日に1年生9人がバーチャル修学旅行でシンガポールを体験したことを報告。「生徒はほとんど海外の経験がなく、シンガポールの街並みや料理などに大変興味深く見入っていた。バーチャルとはいえ、実際に行った気分になれるものだった」「現地のどさんこプラザからの中継もあり、道産品が売られていることを知り、シンガポールを身近に感じていた」「シンガポールと日本の手話の違いにも興味が寄せられていた」などと述べた。
また、昨年新型コロナウイルスのため修学旅行が中止となり、京都や奈良についてインターネットで調べる学習を行ったがなかなか深まらなかったこと、バーチャル修学旅行は臨場感があり、生徒が興味を示し理解が深まったことなどを報告した。
(道・道教委 2022-03-03付)
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