道教委　STEAM教育事業　３ヵ年で探究活動推進　成果交流会、教員セミナー計画

（国 2022-03-03付）

　道教委が４年度の新規着手を計画しているＳＴＥＡＭ教育推進事業の概要が明らかになった。“探究”チャレンジプロジェクトなど３つのプロジェクトを柱に３ヵ年で探究活動を推進。管内・全道規模の成果交流会や、大学・企業・道立総合研究機構（道総研）と連携して探究活動に取り組む。東京学芸大学の協力のもと教員対象のセミナーを開催し、探究的な授業の指導力向上を図っていく。

　ＳＴＥＡＭ教育は、各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていく教科等横断的な教育。科学、技術、工学、数学を指すSTEMに、文化、生活、経済、法律、政治、倫理などを含めたより広い「Liberal　Arts」を定義している。

　４年度から開始を計画しているＳＴＥＡＭ教育推進事業は、新学習指導要領を踏まえた教科等横断的な学習を推進し、生徒の多様な可能性を育み、将来の北海道を支える人材を育成するもの。４年度当初予算案に関連経費として６６４万円を計上している。

　事業期間は３年間。①“探究”チャレンジプロジェクト②“社会との共創”推進プロジェクト③“ＳＴＥＡＭ”推進プロジェクト―を柱とする。

　①では、道・札幌市・北海道大学・㈱ニトリホールディングスの４者連携のもと、高校生や特別支援学校高等部の生徒が自己の興味・関心に基づく探究活動を実施して成果を交流。各学校のほか管内・全道規模でポスター発表などの成果報告会を実施し、優秀な取組を表彰する。また、探究活動の指導方法や評価方法の改善・充実を図る教員研修に取り組む。

　②は、希望高校生を対象に、実社会の課題解決につながる探究活動を実施して成果を発信するもの。企業との連携によるアントレプレナー教育型、地域の課題解決策を自治体に提言する地域課題解決型、学校教育活動の学習成果を社会に還元したり、大学や研究機関と連携して最先端の研究成果を社会課題の解決に応用する先端科学技術活用型の３類型を検討している。

　③は、多様な個性を有する生徒の育成を支える基盤となるプロジェクト。ＩＴ・データサイエンスに関する講師派遣や大学や企業などの研究者が指導助言するみらいＩＴ人財育成事業、東京学芸大と連携し、各教科の授業改善や教員対象のセミナーを実施する探究学習推進事業に取り組む。

　また、大学教授らによる企画評価検討会議を開催。事業の進ちょく管理・事業評価を行い、事業を改善する。

(国 2022-03-03付)