国の高校普通科改革

（国 2022-02-14付）

　高校の普通科には高校生の約７割が在籍している一方、生徒の能力・適正や関心などを踏まえた学びの実現への課題などが指摘されており、国は生徒や地域の実情に応じた特色・魅力ある教育の実現を図る普通科改革に取り組んでいる。

　普通教育を主とする学科はこれまで普通科のみだったが、４年度から、学際領域に関する学科、地域社会に関する学科、その他特色・魅力ある学びに重点的に取り組む学科の設置が可能となる。

　内容をみると、学際領域学科は現代的な諸課題のうち、ＳＤＧｓの実現やSociety５・０到来に伴う諸問題に対応する学際的・複合的な学問分野や、新たな学問領域に即した最先端の特色・魅力ある学びに重点的に取り組む。

　地域社会学科では、地元自治体を中心とする地域社会の課題に対応し、地域や社会の将来を担う人材の育成を図るため、現代・将来の課題や魅力に着目した実践的な学びを重点的に実施。その他普通科は、当該高校のスクール・ミッションに基づく特色・魅力ある学びに重点的に取り組む。

　文部科学省は新学科設置に当たり、学科の特色等に応じた学校設定教科・科目２単位以上を全ての生徒に履修させることなどの要件を設定。学際領域学科では大学等の連携協力体制を、地域社会学科では地域の行政機関等との連携協力体制の整備を求める。

　文科省は新学科の科目の例として、社会科学的な考え方で経済活動を読み解き、社会問題の解決策を提案する「社会科学研究」、複数の立場で論じられる文章の読解を通し多面的・総合的に考える能力を育成する「クリティカルシンキング」、データに基づく論理的思考や調査手法を学び、ＳＤＧｓ達成に向けた研究活動を実施する「グローバル探究」などを挙げている。

(国 2022-02-14付)