第4期教育振興基本計画策定へ オンライン教育活用など 文科相 4事項の審議諮問
(国 2022-02-09付)

 末松信介文部科学大臣は7日、中央教育審議会に5年度から始まる第4期教育振興基本計画の策定を諮問した。新たな価値を創造する力の必要性を提起し、2040年以降の社会を見据えたわが国の教育施策として4事項の審議を要請。幼児教育から高等教育までの連続性・一貫性を持って、社会のニーズに応える教育の在り方、生涯を通じたあらゆる教育段階における教育政策の方向性の検討などを挙げている。今後、各検討部会で具体的な審議を進め、4年度をめどに答申をまとめる。

 教育振興基本計画は、教育基本法で示す理念の実現とわが国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るために政府が策定する教育の総合計画。計画期間は概ね5年間としている。

 7日の第130回中教審で末松大臣が次期計画策定を諮問。諮問書では、人口減少、高齢化、DX(デジタルトランスフォーメーション)など将来の予測が困難な未来を迎える中、「望む未来を私たち自身で示しつくり上げていくことが求められている」と指摘した。

 労働市場の構造や職業の在り方そのものが大きく変化する超スマート社会(Society5・0)、一人ひとりの多様な幸せと社会全体の幸せでもあるウェルビーイング(well―being)の視点に基づき、変革を起こすコンピテンシーや新たな価値を創造する力の必要性を提起。新型コロナウイルス感染症を契機として、デジタルの学びの可能性の提示や学校の福祉的機能や教師の存在意義の再認識を掲げた。

 その上で諮問事項として4点を挙げ、教育政策に関する基本的な方針として「デジタル」と「リアル」の最適な組み合わせによるコロナ後の教育や学習の在り方、幼児教育・義務教育の基礎の上に、高校、大学、高専、専門学校、大学院まで全体が連続性・一貫性を持ち、社会のニーズに応える教育や学習の在り方について検討を求めた。

 第2に、生涯を通じたあらゆる教育段階における今後5年間の教育政策の目指す方向性と主な施策について検討を要請。

 第3に、学校内外で主体的に社会の形成に参画する中、共生社会の実現を目指す学習を充実する環境づくりを挙げ、第4に現行の計画や点検結果を踏まえ、多様な教育データをより有効な政策の評価・改善に活用する方策の検討を求めた。

 会議ではこのほか、4年度から始まる第3次学校安全の推進に関する計画について答申。末松大臣は、答申内容を反映した新計画を年度内に策定し、関係者と連携・協力して施策に取り組む考えを示した。

(国 2022-02-09付)

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