文化部活動地域移行へ初会 芸術親しむ環境実現を 文化庁 7月めどに提言
(国 2022-02-17付)

 文化庁の文化部活動の地域移行に関する検討会議は16日に第1回会議を開き、文化部活動改革に関する議論を開始した。文化部活動の固有の課題を整理するとともに、教員の働き方改革への対応、青少年が文化芸術に親しむ環境の実現など目的を確認。ことし7月をめどに提言をまとめる。

 検討会議は、5年度以降の文化部活動の地域移行を着実に実施するとともに、子どもたちへの質の高い文化芸術活動の機会を地域で整備・充実する課題を検討するために設置。

 検討事項は、主に①地域における受け皿の整備・連携②活動時間等の在り方③指導者の養成、質・量の確保④施設の確保方策⑤費用負担の在り方⑥大会・コンクール等の在り方―の6点。

 会議では、スポーツ庁の運動部活動の地域移行に関する検討会議の動向を踏まえ、文化部活動の固有の課題を整理した。

 スポーツと相違点の大きい「地域で文化芸術に親しむ環境の構築」「受け皿となる組織・団体」「活動場所となる施設」「大会の在り方」に関しては個別に検討を進め、地域移行の達成時期、適正な会費負担、保険、関係諸制度の見直しなどに関しては、運動部活動と共通の課題として位置づけた。

 その上で、「教師の働き方改革への対応のみならず、中学校等の生徒をはじめ、青少年にふさわしい文化芸術に親しむ環境を実現する」など改革の目的・目標を確認。指導を担う団体として、地域の文化芸術機関、文化芸術に関する教育機関(芸術系大学など)、民間・自治体・地域の文化教室などを挙げる一方、教育機関の設置状況の偏りなどの現状も踏まえ検討を進めるとした。

 高文連・中文連の関係者からは、学校の統廃合の進行や教員の負担軽減を図る必要性から、部活動の地域移行に賛意を表明。地域間の状況の格差、指導人材の育成、防音設備を備えた活動の場所などの課題を検討しながら準備を進めるべきとした。

 このほか、学校と地域間を調整して全体を把握する人材配置の必要性、VRなど最新の技術を活用した指導方法の模索などが提案された。

 次回会議は3月24日に開催予定。今後1、2ヵ月に1回程度会議を開催して検討を進め、7月をめどに提言を提出する。

(国 2022-02-17付)

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