文科省 4年度から高校改革事業 新学科設置の取組推進 高校に地域との調整役配置
(国 2022-02-14付)

 文部科学省は、4年度から3ヵ年で取り組む新時代に対応した高校改革推進事業の公募を開始した。学際領域学科や地域社会学科の設置に必要なカリキュラム、遠隔・オンライン教育を活用した教科等横断的なカリキュラムを新たに開発するもの。高校には地域・企業・関係団体との調整を担うコーディネーターを配置し、全国規模のプラットフォームを構築して成果の普及を図る。委託個所は合計33ヵ所で、3月下旬から4月上旬に公表する。

 事業は、高校生の学習意欲を喚起し、可能性や能力を最大限に伸張する高校の特色化・魅力化に向けた取組や、新しい教育手法を用いた教科等横断的な学習を推進するために4年度から開始を予定しているもの。

 ①普通科改革支援事業②創造的教育方法実践プログラム③高校コーディネーター全国プラットフォーム構築―を柱とし、①では学際領域学科・地域社会学科の設置に必要な特色・魅力あるカリキュラムや教育方法を開発・実践する。

 自治体、産業界、高等教育機関、NPOなどとの連携・協働体制の構築に当たり、連絡・調整を担当するコーディネーターを新たに配置する。授業や生徒活動、学校行事等における地域連携の調整・企画・教材作成、年間指導計画の策定支援、地域人材の発掘・育成などを担い、地域と連携・協働した教育活動の継続性につなげるとともに、教員の負担軽減を図る。

 カリキュラムや教育方法が全国的に先進的で、他のモデルとなることが要件。委託個所は24校。

 ②は、遠隔・オンライン教育を活用した新しい教育手法によって教科等横断的な学びを実施するカリキュラムを開発する。AIやIoT等の最先端の技術の活用や社会での問題発見・解決力を育成する学びを実践する。委託個所は8ヵ所。

 ③では、連絡調整業務を担うコーディネーターに研修や情報提供の場を提供する仮称・高校コーディネーター全国プラットフォームを構築し、取組を検証。成果や課題を他の高校に普及させる。委託個所は1団体。

 現在、全国の高校設置者等を対象に委託先を公募している。3月下旬から4月上旬に審査結果を公表し、4月上旬以降に事業を開始する予定。事業開始初年度から新学科を完全に実施する必要はなく、実施可能な教科・科目から調査研究を進める。

(国 2022-02-14付)

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