帯広三条高 CLASSプロジェクト 解決策 生徒の手で実現を 第2回コンソーシアム会議(学校 2022-03-09付)
関係者ら約10人とオンラインで協議
【帯広発】帯広三条高校(合浦英則校長)は2月下旬、道CLASSプロジェクトにおける第2回探究コンソーシアム会議をオンライン開催した。本年度の取組における成果と課題などを説明。協力者たちと次年度の取組に向けて意見交換した。
同校は「生徒の進路希望に沿った探究的な学び、ならびに都市型の地域協働探究活動のプログラム構築」を研究テーマにプロジェクトを推進している。
この日、コンソーシアムに参画している関係者ら約10人が参加した。
はじめに、十勝教育局の田尾和佑社会教育指導班主査が推進校の帯広三条高、連携校の本別高校の活動内容を含めて事業概要を説明した。
続いて、帯広三条高探究推進部長の堀口人士教諭が本年度の取組を発表。成果や課題、生徒の感想などを踏まえ、次年度の方向性を伝えた。
このあと、今後の取組に向けて協議した。参加者からは「生徒が自分事として課題を考えることが大切」「地域課題の解決策を考える中で、経済の循環や社会の成り立ちなどを連想できる授業を展開してみては」「解決策を生徒の手で実現させ、地域や周囲のフィードバックを得ることで新たな提案につながる」などの意見が挙がった。
3年度の成果と課題
帯広三条高校(合浦英則校長)は、道CLASSプロジェクトにおける本年度の活動や成果・課題をつぎのとおりまとめた。
【概要】
▼目的
地域と連携・協働した探究的な学びを推進し、主体的に学ぶ力を身に付け、主体的な進路選択と進路実現ができるようになる。
▼育成を目指す資質・能力
▽他者と協働して課題を解決する力
▽思考・判断・表現する力
▽社会・国際社会を探究する力
▽実現に向けて努力する力
【3年度の取組】
▼3年次選択科目「自己表現」
▽帯広市のまちづくり
市都市政策課による協力のもと①高野ランドスケープ②満寿屋パン③電信通り商店街―の3地区で班ごとに活動。各地区の課題を探究し、調べ学習や地域住民への取材をもとに解決策を考案した。
・生徒の反応―「地域の特性を理解しながら考えた」「他グループが発表した土地への理解も深まった」
▽対話型鑑賞とアートカード
道立帯広美術館、とかち芸術文化振興機構が協力。同校に帯広美術館の所蔵品約20点を展示し、生徒間で対話しながら感想を共有。同館の所蔵品が描かれたアートカードを借用し、活用方法を考えた。
・生徒の反応―「作者と自分の見方から共通点を探しながら鑑賞した」「人によって目の付け所が違い面白かった」
▽ビブリオバトル
帯広大谷短期大学附属図書館が協力。本の紹介をもとにしたコミュニケーションゲーム・ビブリオバトルによって、表現力の向上と他者理解への姿勢を育成。
・生徒の反応―「緊張して思い通りに説明できず悔しかった」「普段は読書をしないが、本を読みたいと思った」
▼2年次「総合探究」
▽外国語を用いた活動
母国語が英語の市内在住者6人が協力。日本文化に関する発表、スポーツや科学実験などの活動体験などを行った。
・生徒の反応―「英語を使うことへの自信が付いた」「リスニングを中心に勉強を進めたい」
▼2年次「現代社会」
▽地域づくりへの住民参加・企業の地域貢献
市都市政策課、ボランティア活動などに力を入れている企業10社が取組を紹介した。
・生徒の反応―「自分も人のためになる行動をしたいと思った」「地域貢献は次世代にまちの良さを知ってもらえる活動だと感じた」
【成果と課題】
▼成果
▽生徒が自身の成長を感じ、地域への関心を持つことができた
▽コーディネーターの協力によって地域とのつながりができ、輪が広がっている
▽教員間で地域人材の活用への意識が生まれた
▼課題
▽一部の授業、一部の教員による取組を、学校全体としての取組にする
▽地域とのつながりや探究活動が生徒の成長につながることを、教員が実感して意識する
▽生徒が課外活動しやすいシステム構築
【4年度に向けて】
▽1年次は地域に関する探究的な活動を実施する
▽2年次は進路に関する探究的な活動を実施する
▽外部への発表やコンテスト等への応募を検討
▽生徒の視野と活動場所を校外に広げる
(学校 2022-03-09付)
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