端末持ち帰り学習 好事例② 岩見沢南小 学習意欲向上など成果 実証実験や子主体の授業など(学校 2022-03-10付)
ICTを活用した協働学習に取り組んだ
【岩見沢発】岩見沢市立南小学校(菅原伸介校長)は、ICTを効果的に活用し、学習効果を高める授業づくりに取り組んでいる。昨年秋には端末の持ち帰りの実証実験を行い、学習意欲の向上などの成果を確認。学級活動で端末の適切な利用方法を話し合うなど、情報活用能力の育成に向けた取組を進めている。
市内の小・中学校では2年11月に児童生徒1人1台のアイパッド端末を整備。市教委や市教育研究所の所員が中核となって全教職員のICT活用指導力の向上に向けて研修に取り組んできた。
南小は市教育研究所の研究指定校として、ICTを効果的に活用した子ども主体の授業づくりの研究を推進。主に使用している学習支援ツールはロイロノートで、中学や高校への進学も見越し、グーグルスライドなどのアプリも活用している。大型提示装置と合わせて利用することで、児童の考えの整理・共有に効果を発揮している。
社会科「これからの食料生産」の授業では、地産地消をテーマとする探究的な学習を実施。子どもたちが協働で課題解決に向かい、発表資料の共同作成に取り組んだ。「授業効率化に伴う考える時間の確保」「授業支援クラウドを活用した振り返りによる学習内容の定着」「タイピング速度の向上」などの効果が上がり、国語、算数、音楽など他の教科での活用を進めている。
端末の持ち帰りについては非常時にとどめているが、児童在校時に学級閉鎖が決定した場合は持ち帰り、不在時に決定した場合は保護者に取りに来てもらうなど家庭と連携して対処。インターネット環境がない家庭の子どもには市がモバイルルーターを貸与して対応しているが、データ量の制限があることから、1日のはじめに課題を示すなど工夫して対応している。
こうした中、市教委は昨年秋に南小と明成中学校を対象に端末の持ち帰りの実証実験を実施。南小では9月21~10月12日にかけ、5年生において端末を家庭に持ち帰り、学習課題に取り組んだ。子どもたちは協働学習に意欲的に取り組み、学習意欲の向上に効果が見られたという。
端末の適切な利用方法を主体的に考えるため、学級活動で使用ルールを話し合う取組も。機器のトラブルに大きな問題はなく、国におけるデジタル教科書の本格導入の動向を見据え準備を進めている。
南小の黒坂俊介教諭は、新型コロナウイルスの感染拡大による学級閉鎖が増加する中でICTの重要性が高まっているとする一方、本来の目的である「子どもの力を育てる」有効性の検証が今後の課題と指摘する。
(学校 2022-03-10付)
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