４年度　独自にオンラインアート教室　遠隔地でも作品鑑賞　帯広美術館　道東全域対象に

（道・道教委 2022-03-16付）

　【帯広発】道立帯広美術館は、４年度から帯広美術館オンラインアート教室事業（仮称）の独自展開を検討している。鑑賞プログラムとオリエンテーション動画配信の試行を予定。道東全域で実施することで、遠隔地でも制約なく作品鑑賞や講義参加が可能となる効果が見込まれている。

　同館はコロナ禍によって、学校等による団体観覧の実施数が減少した。管内でも遠方にある学校は往来が難しくなり、実施した場合でも人数や時間の制限など、様々な影響が出ている。

　現状を踏まえ、同館は新たに帯広美術館オンラインアート教室事業（仮称）において①鑑賞プログラム②オリエンテーション動画配信―の２点を検討している。各学校のＧＩＧＡスクール構想や、同館の配信機材等の整備が進んだことから事業の本格始動に結び付いた。

　鑑賞プログラムでは、動画配信や中継によって学校と連携した授業を展開する。同館所蔵作品や開催中の展覧会を題材にした授業、郷土の美術に触れる授業などをオンラインで展開することを想定している。

　オリエンテーション動画配信は、以前まで団体観覧時に行っていた展覧会説明を動画として作成し、配信するもの。事前に各学校でオリエンテーションを受けることで、観覧時の密を極力回避する。

　また、動画教材として美術科授業等での活用も想定。９月１７日から開催する特別展での試行を予定している。

　事業は道東全域で実施する見込み。遠隔地でも制約を受けずに作品鑑賞や講義が可能となる効果が期待されている。担当者は「子どもたちや住民の美術作品への理解促進につながれば」と話している。

(道・道教委 2022-03-16付)