6団体5個人に栄誉 後志局 3年度管内教育実践表彰
(道・道教委 2022-03-17付)

教育実践仁木小学校
仁木小学校

 【小樽発】後志教育局は、3年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では、仁木町立仁木小学校、小樽市立桜小学校、泊村立泊中学校、高等聾学校、ニセコ高校の5校と、余市町立沢町小学校の児玉瑞佳教諭、留寿都村立留寿都小学校の近藤美来栄養教諭、小樽市立潮見台中学校の清水馨教諭、倶知安高校の土生紘太郎教諭、倶知安農業高校の鈴木貴史教諭の5人が受賞。社会教育からは、後志管内文化団体連絡協議会が栄誉に輝いた。表彰は9日にオンラインで実施し、川端香代子局長が受賞者の優れた教育活動をたたえた。

 受賞者の功績はつぎのとおり。    =敬称略=

◆学校教育

▼仁木町立仁木小学校(山﨑貴志校長)

 「絶えず変化する今を強く生きるために、過程を重視する教育」を教育ビジョンに掲げ、児童一人ひとりの成長を支え、未来を生きる資質・能力を育てるため、チーム仁木小として創意ある教育活動を組織的に展開している。

 特に学力向上に向けて、単元配列表の作成・活用、仁木小リフォームキャンペーン、教育活動パワーアップワークショップなどを通じて、学校課題を全教職員で共有するとともに、解決に向けた取組を具体化・重点化して実践することによって大きな成果を上げている。

 また、組織力強化会議における学力向上ロードマップを活用した学校課題の共有方法や解決に向けた具体的な取組の発表を通じて、各種データ等に基づく検証改善サイクルの確立や組織的な取組を広く管内の学校に普及するなど、管内全体の教育に大きく貢献している。

▼小樽市立桜小学校(水口正紀校長)

 穏やかな学級風土を基盤として、目指す子どもの姿を「ひとりだち」と設定し、変化の激しいこれからの時代をたくましく生きる子どもの育成に努め、大きな成果を上げている。

 特に授業改善の取組として、校内研修の算数を窓口として全学級の共通実践を大切に取り組み、承認・賞賛・励ましを意図的に行い、自尊感情を高める指導からスタートし、指導過程を統一し「導入」「展開」「終末」という授業の流れを全学級で徹底して取り組むことによって分かりやすい授業改善に努め、大きな成果を上げている。

 また、桜町中学校との小中一貫教育においても3年度から「ひとりだち」を共通目標に掲げ、9年間を通して自立する力を育むことを目指し、公開研究会などを通じてこれまでの取組を広く発信し、成果を管内に普及するなど、管内教育の充実に大きく貢献している。

▼泊村立泊中学校(浦嵜昌明校長)

 「自他の良さを知り、自ら学び続ける生徒」を最重点目標に掲げ、学力の定着・向上を目指して組織的に教育活動を展開している。

 特に学力向上ロードマップの活用による検証改善サイクルの確立・促進を図るとともに、全教職員で組織的に授業改善を行い、学力向上に大きな成果を上げている。

 また、校務分掌組織の改編によってベテラン段階教員が初任段階教員の悩みに答えたり、報告・連絡・相談の体制を整えたりするなど、人材育成の重要性を踏まえた校内の支え合う環境づくりを促進している。

 さらに3年度第2回組織力強化会議ではこれらの取組を発表し、全教職員による組織的な取組を広く管内の学校に普及するなど、管内全体の教育に大きく貢献している。

▼高等聾学校(室岡弘明校長)

 昭和45年度の開校以来「進んで実行する人になろう、働くよろこびを知る人になろう、伝え合うよろこびを知る人になろう」の校訓のもと「生徒・学生1人1人の可能性を引き出す教育活動を重視し、高校に準ずる教育を行い、自立し社会参加するために必要な資質・能力を育てる」ことを学校教育目標として学校づくりに取り組んでいる。

 特に、特別支援学校ICT就労促進事業の実施校として卒業後の職域の拡大等によって、就労促進に向けた取組を行うとともに、学校にいながら企業と遠隔による就業体験を行うなど、卒業後を見据えた取組を行っている。

 さらに職員が開発したTnetというシステムを使ってICT活用事例を蓄積し、聴覚に障がいがある職員にとっての内線電話や校内放送の役割を果たすチャットなど、大きな成果を上げている。

 また、本事業を通じてこれまでの取組を広く発信し、成果を管内および全道に普及するなど、管内教育の充実に大きく貢献している。

▼ニセコ高校(篠原圭校長)

 昭和23年の開校以来73年目を迎える歴史の中で、ニセコ町の基幹産業である農業に関わる教育を基本として、農業後継者と観光産業にかかる人材の育成を目指すハイブリット教育構想によって、農業科学コースとニセコエリアの観光資源を活用した観光リゾートコースを開設して、地域に求められる人材育成を目指す高校づくりに取り組んでいる。

 特に環境に配慮した取組や、SDGsの理念を授業だけでなく農業クラブ活動や委員会活動、部活動にも取り入れた活動を実践し、大きな成果を上げている。

 また、公開研究会などを通じて、これまでの取組を広く発信し、その成果を管内に普及するなど、管内教育の充実に大きく貢献している。

▼児玉瑞佳(余市町立沢町小学校教諭)

 小学校外国語巡回指導教員として余市町内の小学校を巡回し、外国語活動・外国語科の学習過程の統一による効果的な指導に向けて指導助言したり、外国語に関する教材を蓄積したりするなど、町内の外国語の授業改善に貢献するとともに、後志教員研修センター外国語科・外国語活動研修講座の講師として活躍し、卓越した学級経営力、教科指導力を発揮し、学校運営を支えるとともに、校内における若手の育成に努めるなど大きな成果を上げている。

 また、授業改善推進チーム推進教諭として余市町内の小学校を巡回し、学級担任とチーム・ティーチングを行いながら授業改善にかかる指導助言を行うとともに、作成したチーム通信をもとに各学校の研修を支援するなど、町内はもとより、管内全体の教育に大きく貢献している。

▼近藤美来(留寿都村立留寿都小学校栄養教諭)

 栄養教諭として学校給食の充実に取り組み、安全・安心な給食の提供に尽力するとともに、学校教育活動全体を通じた食に関する指導の充実に向けて創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に学校給食の充実に向けて世界各国の代表食を学校給食で提供することで、外国の食への関心を高めたり、地元の食材や菓子店の特産品を献立に取り入れて紹介したりする取組は、管内の食育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、学級担任と連携を図った食に関する指導の授業づくりの推進に向けて中核的な役割を果たすとともに、初任段階教員研修において講師を務め、様々な取組を若い栄養教諭に紹介するなど実践力は高く、管内全体の教育に大きく貢献している。

▼清水馨(小樽市立潮見台中学校教諭)

 教務主任として優れた学級経営力や教科指導力を発揮するとともに、学校運営を支え、道徳の指導やICT機器の取り扱いにおいても他の教職員の模範となっている。

 特に道徳教育の充実に向けて3年度道道徳教育推進会議において授業者に選出され、参加者のアイデアを柔軟に取り入れながら授業を構成し、オンラインで公開した授業においては、ICTを効果的に活用した実践を広く道内に普及した。

 また、3年度後志教育研修センター音楽科研修講座の講師として、音楽科の指導の充実を目指した実践を普及するなど、小樽市内はもとより管内全体の授業改善に大きく貢献している。

▼土生紘太郎(倶知安高校教諭)

 英語教諭として地域の特性を理解し、生徒の英語コミュニケーション能力の向上を図るため、積極的な授業改善に取り組み、国際理解教育を推進する中で、授業はもとよりESSのクラブ活動等を通して、創意工夫ある教育活動を展開してきた。

 特に教科指導においては、アクティブラーニングによる主体的な英語コミュニケーション能力(スピーキング能力)の育成、ICTの積極的な活用、地域の小・中・高連携事業への協力等、本道ならびに管内英語教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 元年にはG20観光大臣会合における高校生交流事業(提言)担当者として力量を発揮し、3年度には国立教育政策研究所の教育課程実践検証協力校事業において指導と評価の一体化に関する研究を推進し、中核的な役割を果たすとともに、道高校英語研究セミナー講師としてこれまでの取組の成果を発表するなど、英語教育の振興と充実に大きく貢献している。

▼鈴木貴史(倶知安農業高校教諭)

 長年にわたり高校教諭として担任業務や教科指導に取り組み、現在は倶知安農業高の生徒指導部長として学校運営の中核的な役割を果たすとともに、初任段階教員研修4年次の講師として学級経営や教科で直面した困難や解決方法を分かりやすく伝えるなど、学校内外において管内の教育活動の充実に尽力している。

 特に2年度高校生ステップアップ・プログラムにおいて主担当として事業を実施し、生徒が命の大切さや苦しいときに一人で抱え込まないということの理解を深めさせるなど、その取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の自殺予防教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、3年度授業改善セミナー(保健体育)講師として主体的・対話的で深い学びの視点を取り入れた授業の在り方について実践発表を行うなど、管内全体の教育に大きく貢献している。

◆社会教育

▼後志管内文化団体連絡協議会(中兼裕美子会長)

 管内市町村の文化団体連絡協議会等と連絡協調を図り、地方文化の伸長に寄与することを目的に昭和46年10月に創設され、3年度で創立50年の節目となる。

 道文化団体協議会と連携し、昭和52年から短歌、俳句の部門で道民芸術祭(地方祭)を実施している。その後、郷土芸能、合唱、盆栽、写真、舞踊の部門でも道民芸術祭(地方祭)を実施し、令和に入ってからは短歌、俳句、合唱の3分野を継続して実施し大きな成果を上げている。

 長年にわたり管内の文化活動の振興に大きく貢献している。

この記事の他の写真

教育実践桜小学校
小樽桜小学校
教育実践柏中学校
泊中学校
教育実践北海道高等聲
高等聲学校
教育実践ニセコ高
ニセコ高校
教育実践児玉教諭
余市沢町小・児玉教諭
教育実践近藤教諭
留寿都小・近藤教諭
教育実践清水教諭
小樽潮見台中・清水教諭
教育実践土生教諭
倶知安高・土生教諭
教育実践鈴木教諭
倶知安農業高・鈴木教諭
後志管内文化団体連絡協議会
後志管内文化団体連絡協議会

(道・道教委 2022-03-17付)

その他の記事( 道・道教委)

登録有形文化財(建造物)に答申 北大 空沼小屋登録へ 文化審議会文化財分科会

北大空沼小屋北西側外観  国の文化審議会は、18日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに90件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申した。道内からは、北海道大学空沼小屋(札幌市)が登録有形文化...

(2022-03-22)  全て読む

道教委 教員免許申請時の証明書類 4月から有効期限延長 旧姓欄を新設 電子申請も可

 道教委は16日の教育委員会で、4月から教員免許申請時に必要となる証明書の有効期限を延長することを決定した。様式に旧姓や通称名の記載項目を新設するほか、検査項目の眼疾や結核の有無に関する項目...

(2022-03-18)  全て読む

特セン 4年度研修講座に新形態 研修パッケージを導入 成果向上と日常実践に還元

 研修パッケージの基本的な流れをみると、はじめに事前研修を実施し、研修テーマに関する基礎的・基本的事項や国・道の動向等を学び課題意識を高める。  また学校課題を整理し、解決に向けた自身の役...

(2022-03-18)  全て読む

局と道立校 若手が相互訪問 資質高め連携強化へ 後志局の事務職員実務研

管内事務職員実務研修  【小樽発】後志教育局はこのほど、教育局と道立学校の若手事務職員が互いの職場に訪問して業務を体験する事務職員実務研修を行った。双方の実務を体験し、若手事務職員の資質向上や一層の連携強化を図る...

(2022-03-18)  全て読む

全国体力・運動能力体力・運動能力調査結果 各管内の状況 第2回 石狩

体力テスト管内別石狩 ◆分析 小学校 【265校、児童数1万8301人】 ▼実技  体力合計点は全国と比較して、男子が1・41ポイント、女子が2・23ポイント低く、課題である。  体力合計点は一昨年度と比...

(2022-03-17)  全て読む

子の体験学習機会提供 後志局 泊の建設企業に感謝状

茅沼建設後志教育局感謝状  【小樽発】後志教育局は10日、泊村の建設企業・茅沼建設工業(株)(草薙博昭社長)に感謝状を贈呈した。地域の子どもたちのため、レンガアーチ橋づくりや草刈車の見学などの体験学習の機会を提供して...

(2022-03-17)  全て読む

4年度 独自にオンラインアート教室 遠隔地でも作品鑑賞 帯広美術館 道東全域対象に

 【帯広発】道立帯広美術館は、4年度から帯広美術館オンラインアート教室事業(仮称)の独自展開を検討している。鑑賞プログラムとオリエンテーション動画配信の試行を予定。道東全域で実施することで、...

(2022-03-16)  全て読む

道教委 遠隔インターンシップ試行 分身ロボットで接客体験 モデル校に手稲養護三角山分校

 道教委は手稲養護学校三角山分校をモデル校として、分身ロボット(OriHime)によるリモート・インターンシップを試行する。㈱オリィ研究所による協力のもと、同校の生徒が分身ロボットを遠隔で操...

(2022-03-16)  全て読む

道教委 プログラミング教育事業 取組改善 継続が重要 成果報告会で千歳科技大講師

 道教委は11日、プログラミング教育事業成果報告会をオンライン開催した。多様な教材を活用した創意工夫あふれる授業実践や校種を超えた連携など研究実践校20校が取組を発表。千歳科学技術大学の山川...

(2022-03-16)  全て読む

釧路局 スクールリーダー研修会 つなぎまとめる管理職に 協働性高める学校づくり等

 【釧路発】釧路教育局は2月下旬、リモートによる管内スクールリーダー研修会を開催した。3人の講師による講話や演習、協議などを通して、参加者は学校力を高めるスクールリーダーとしての在り方につい...

(2022-03-15)  全て読む