部活動地域移行へスポーツ庁　５～７年度改革期間に　学習指導要領等見直しも

（国 2022-03-31付）

　スポーツ庁は２９日、第５回運動部活動の地域移行に関する検討会議を開いた。休日の運動部活動の地域移行に向け、５年度から３年間を改革の集中期間に設定。都道府県や市町村における推進計画の策定、学習指導要領における部活動の規定の見直しなど今後の方針を確認した。

　はじめにスポーツ庁から部活動の地域移行に伴う①学習指導要領②高校入試③中学校等の教員採用選考・人事配置―に関する課題や今後の対応策を示した。

　①では、現行の中学校の学習指導要領総則解説編において「部活動の強制は不適当であること」「設置・運営は学校の判断で実施しない場合もありること」などを明記するよう提案。次期学習指導要領において部活動の意義や留意事項を削除するほか、過渡的な措置としての規定を明確化する必要性を示した。

　②では、一般入試で作成する調査書で、部活動の活動歴や大会成績のみならず生徒の長所・個性・意欲・能力に言及する多面的な評価を導入するよう提案。国が高校入試における評価の在り方を指導助言するほか、部活動に参加していないことが高校入試の評価で不利に取り扱うことを周知する方針を示した。

　③では、任命権者における教員の採用選考の際に部活動指導に関する意欲や能力等を評価している場合は見直すこと、人事配置においても部活動指導の能力や意欲を過度に評価しない必要性を示した。

　地域における新たなスポーツ環境の構築に向けた今後の予定をみると、５年度から３年間を部活動改革の集中期間に設定。７年度末を目標の達成時期とした。国においては運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを改訂。各都道府県が具体的な取組やスケジュールを定める推進計画を策定し、各市町村で推進計画を策定する。

(国 2022-03-31付)