3校4個人1団体に栄誉 渡島局 3年度管内教育実践表彰
(道・道教委 2022-04-04付)

 【函館発】渡島教育局は、3年度管内教育実践表彰受賞者を決定した。学校教育では、学校力向上に向けた取組やICT機器活用の推進に取り組んだ函館市立桔梗小学校など3校3個人1団体が受賞。社会教育では、長万部町内で地域資源を生かした体験的な放課後子供教室を展開するofficeごえんの中野美貴代表が栄に浴した。

 受賞者・受賞団体の功績はつぎのとおり。

=役職等は当時、敬称略=

◆学校教育

▼函館市立桔梗小学校(佐々木正幸校長)=教職員の総力を結集した学校力向上に向けた取組の推進

 長年にわたり、重点教育目標「豊かな心で学び合う子」の実現を目指し、一人ひとりが学ぶ楽しさを自分のものとして受け止め、生き生きと学校生活を送る子どもの育成に取り組んでいる。特に学校力向上に関する総合実践事業を通して学校マネジメント・働き方改革、教育課程・指導方法等、人材育成、地域・家庭との連携の4つの取組を推進し、その成果を実践発表会等で管内の各学校へ普及・啓発するなど、管内の教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。 

 また、函館市ICT活用実践モニター校として授業におけるICT機器の効果的な活用について組織的に実践研究を推進し、その成果は高く評価されている。

▼八雲町立八雲中学校(石岡一智校長)=組織的な学校運営と家庭・地域と連携した教育活動の推進

 長年にわたり、重点教育目標「自ら学び鍛え心豊かに貢献できる生徒の育成」の実現を目指し、家庭・地域とともに魅力ある教育活動の充実に取り組んでいる。特に、経営の重点として「チームの八雲中」を掲げ、創意ある学校運営を協働体制により進めるとともに、八雲中学校区コミュニティ・スクールにおいて9年間を見通した連続性・系統性ある教育活動を推進し、その成果を管内の各学校へ普及・啓発するなど、管内の教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。

 また、1人1台端末を効果的に活用し、授業改善を意欲的に進めるとともに、コロナ禍における学びの保障の実現に向けてオンライン授業を実践するなど、その成果は高く評価されている。

▼上磯高校(江尻巧校長)=ICTを活用した生徒主体の教育活動の推進

 長年にわたり、目標を明確にした授業、学校行事と関連付けを図った授業など学ぶ喜びを実感させる授業実践に積極的に取り組んでいる。

 特に、道教委のICTを活用した学びのDX事業では、1人1台端末の本格実施を視野に入れ、管内各校に先駆けて数学科や理科を中心にグーグルクラスルームの活用を図り、質の高い理数教育、防災教育の実践を通して生徒の資質・能力を高めるなど多くの成果を上げている。

 また、生徒主体の教育活動として、高校近くの跨線橋の壁画再生活動を北斗市教委と連携して実施するなど、生徒の主体性を育む取組は高く評価されている。

▼五十嵐大(木古内町立木古内小学校教諭)=音楽教育の振興発展およびICT教育の充実に貢献

 長年にわたり、吹奏楽部の顧問として音楽と豊かに関わる子どもの資質・能力の育成に努めるとともに、確かな学力を育成するための、ICTを活用した授業改善の推進に尽力してきた。

 特に本年度は、木古内小の吹奏楽部が第66回北海道吹奏楽コンクールおよび12年ぶりに地区代表出場権を獲得した第21回東日本学校吹奏楽大会において金賞を受賞するなど好成績を収め、町内はもとより管内の音楽教育の振興および発展に寄与するなど多大な貢献をしている。

 また、1人1台端末を活用した授業改善を進めるに当たり、教職員のICT活用指導力の向上に向けた研修会を開催するなどの取組は高く評価されている。

▼棒手優美(函館市立椴法華中学校栄養教諭)=食に関する指導の充実・発展に貢献

 長年にわたり、教育に関する資質・能力と栄養に関する専門性を生かし、望ましい食習慣を身に付けさせる指導を工夫するなど、栄養教諭が中核となった食育の充実に尽力してきた。

 特に、函館産の昆布など地場産物の活用や野菜の切れ端を使用した給食メニューの立案による食品ロスの削減など、学校給食を生きた教材として活用する様々な取組は、児童生徒の食に関する正しい知識の定着や教職員の食に関する指導力の向上に多大な貢献をしている。

 また、新学習指導要領に基づく食に関する指導の積極的な実践、調理従事者と連携した調理技術の向上や衛生管理の徹底に向けた取組は高く評価されている。

▼渡邉大輔(松前高校教諭)=学校全体で取り組む課題解決学習の推進

 松前高の教務主任として自ら先頭に立って授業改善に取り組み、喫緊の課題である探究学習や学習評価の改善・充実に積極的に取り組んでいる。

 特に、学校設定科目「松前学」では地域の人的または物的な体制を整備し、カリキュラムの改善を図り、授業の質の向上に貢献するとともに、その成果が国立教育政策研究所に認められ、3年度の教育課程実践検証協力校事業に指定され、探究学習のさらなる充実を図るなど大きな成果を上げている。

 また、道教委の授業実践スペシャリストとして地歴公民科の授業実践を全道の教員に向けて研究発表するなど、全道の教員の教科指導力の向上に貢献しており、高く評価されている。

▼函館市学校図書館研究会(代表・紺野克典函館市立大森浜小学校長)=学校図書館の充実および公立図書館と連携した教育活動を推進

 長年にわたり、函館市の学校図書館の充実や学校司書の意見交流の場の設定など、学校と公立図書館が連携した教育活動の推進に取り組んでいる。

 特に、本年度は第44回道学校図書館研究大会函館大会の運営の中核を担い、学校図書館の管理・運営にかかる研究提言や学校司書および公立図書館司書と協働した授業実践について広く発信するなど、学校図書館の機能を生かした教育活動の発展に大きな成果を上げている。 

 また、公立図書館司書と連携した教職員を対象としたブックトーク等の研修の実施や函館市の学校図書館電算化システムの導入促進など、その取組は高く評価されている。

◆社会教育

▼中野美貴(Officeごえん代表)=地域資源を活かした体験的な放課後子供教室の推進

 平成31年3月にOfficeごえんを設立し、令和元年5月から放課後子供教室「放課後みっけクラブ」の運営を通じて地域の子どもの健全育成に尽力してきた。

 特に、鮭の稚魚放流体験や秋の里山遊び、ホタテ食育プログラムなど地域の豊かな自然環境を活かした体験的な活動を取り入れ、学校や地域おこし協力隊での勤務経験を存分に生かして子どもたちの豊かな心の育成や郷土愛の醸成に多大な貢献をしている。

 また、地域の人材を積極的に講師やボランティアに活用し、地域住民の活躍の機会を提供するなど、地域が一丸となって子どもを育てる取組は高く評価されている。

(道・道教委 2022-04-04付)

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