札幌市立高５年度入選実施要領改定へ　全日制で自己推薦開始　入学者割合　学校裁量で決定

（札幌市 2022-04-04付）

　札幌市教委は、５年度札幌市立高校入学者選抜実施要項を改定する。３月に道教委が示した「道立高校入学者選抜における改善の基本方針」を踏まえたもの。全日制課程での推薦入学選抜では生徒の自己推薦を開始するほか、入学者の割合を学校裁量で決定する推薦枠を設けた。このほか、出願状況発表後の出願変更が可能な学科の制限を撤廃する。具体的な内容については９月に決定する。

　道教委の基本方針では、①一般入学者選抜における出願条件の緩和②全日制の課程における推薦入学者選抜の推薦標準枠の設定にかかる学校裁量の拡大および自己推薦による推薦入学者選抜の実施③道外からの入学者の受け入れの拡大―の３点を示した。

　市教委は道教委の方針を踏まえ、５年度市立高校入学者選抜において、①と②については同様に改善するとした。

　①では、これまで当初出願状況発表後に出願変更できる学科に制約を設けることを撤廃。学科に関わりなく１回の出願変更を認め、生徒の多様な進路選択の幅を広げる。

　②では、推薦入学者選抜を中学校長による推薦から自己推薦に変更することを明記。推薦入学者選抜を実施する全学科において、入学者受け入れに関する方針を『入学者選抜の手引』で公表。方針に合致すると考える生徒が自己推薦できる。出願の動機・理由が明確であること、当該学科に対する適正、興味・関心、学習意欲を有することなどが条件となる。

　また、推薦入学者選抜における推薦標準枠を「推薦枠」と改め、各学校の裁量で１０％の区切りで設定が可能に。設定できる範囲は普通科で１０～４０％、農業・水産学科で５０～９０％、その他の学科で３０～５０％とした。

　市教委は、３月２２日に通知「札幌市立高校入学者選抜における学校裁量に係る事項」を発出。推薦入学選抜における入学者の受入れに関する方針等を学校に作成するよう求めた。

　方針は５月１３日までに各校が市教委に提出。９月には市教委のホームページ等で示す。

(札幌市 2022-04-04付)