マイスター・ハイスクール　キーワードは「挑戦」　指定２年目の静内農業高

（学校 2022-06-03付）

委員１３人中１２人が出席した

　【苫小牧発】静内農業高校（佐藤裕二校長）のマイスター・ハイスクール運営委員会は５月３１日、同校で本年度第１回会合を開いた。委員１２人が出席し、２年目を迎えたマイスター・ハイスクール事業の取組内容などを確認。事業の充実に向けて意見交換したほか、事業終了後に継続していくための方法についても情報共有した。

　同委員会は、委員長の大野克之新ひだか町長をはじめ、倉本博史道教委教育長、佐藤校長ら産官学の委員１３人で構成。文部科学省から３ヵ年計画で研究指定を受けている同校のマイスター・ハイスクール事業に関わる意思決定を行う機関で、この日は主に２年目の取組について議論した。

　はじめに大野町長があいさつし「２年目が一番重要な年。いろいろな角度から意見をいただき、有意義な会にしたい」と述べた。

　続いて、同校の桑名真人副校長が本年度の取組を説明。２年目のキーワードを「挑戦」とし、様々な機関・団体・事業所の協力を得て行う「商品開発」、１５日間に及ぶ長期実習を行う「デュアル派遣実習」などを進めることを伝えた。また、事業評価を行うために生徒・教職員へのアンケート・インタビュー調査などを行うことを説明した。

　意見交換では倉本教育長が、２年目の取組の一つに挙がっている地域の子ども向けイベントの企画などに触れ「異年齢交流のきっかけにもなるようにしてほしい。良い内容になると期待している」と述べた。

　日本軽種馬協会静内種馬場の遊佐繁基場長は、取組内容が充実していることを評価する一方で「詰め込みにならないようにしてほしい」と求めた。

　佐藤校長は前年度からの生徒の様子を振り返りつつ「充実した内容によって学習への満足度が高まっており、学ぶ意欲が向上している」と伝えた。

　酪農学園大学の大塚浩通教授は、事業に多くの予算と人員が割かれていることを踏まえ、事業終了後のカリキュラムの継続性について問題提起。大野町長は「今後検討していかないといけない」と述べ、国、道と協議していく考えを示した。

　最後に＝あしたの寺子屋の嶋本勇介社長が「マイスターハイスクールの事業自走に向けて」と題して講話。過疎債や地域おこし協力隊、企業版ふるさと納税など、事業の継続に向けて活用できる様々な制度とその活用例を紹介した。

(学校 2022-06-03付)