大樹高　文科省普通科改革事業指定　６年度に普通科新学科　地域連携・推進体制を確立

（学校 2022-06-30付）

　【帯広発】文部科学省の普通科改革支援事業の指定を受けた大樹高校（前田英伸校長）は、「地域社会に関する学科」の６年度新設に向け、地域と協働した探究学習やＳＴＥＡＭ教育に取り組んでいる。サポートコンソーシアムの設置やコーディネーターの配置など地域との連携・推進体制を確立。航空宇宙産業等の関係者と協議し、本年度中に教育課程等を編成する。

　事業は、高校生の学習意欲を喚起して可能性や能力を最大限に伸張する高校の特色化・魅力化に向けた取組や、新しい教育手法を用いた教科等横断的な学習を推進することを目的としている。事業期間は３年。

　同校は地域共創・共生社会をテーマとした探究学習、高大連携による教科等横断的な学びをかけ合わせ、相乗効果を得る教育課程の運用を目指す。地域社会に関する学科の６年度新設とともに、町が力を入れる航空宇宙産業に関わる学校設定科目の確立が見込まれている。

　具体的な取組としては、個別最適かつ協働的な学びに向けた授業改善「大樹スタンダード」、地域探究学習と台湾高雄市大樹区との国際交流を行う「大樹学ＰＬＵＳ」などこれまでの取組を継続し、室蘭工業大学や航空宇宙産業関連企業との連携による教科等横断的な学習「大樹高ＳＴＥＡＭ」を本年度から始動。校内にＳＴＥＡＭ委員会を設置し、出前授業を核とした小規模校でのＳＴＥＡＭ教育メソッドを確立する。

　事業開始に当たり、産業界や観光業界、宇宙産業関連企業など多種多様な地域人材１２人によるコンソーシアムを設置。探究学習などの教育活動に参画し、生徒に指導助言等を行う。

　また、大樹中学校の地域コーディネーターを務めている（株）キタテラスの神宮司亜沙美代表をはじめとする３人をコーディネーターに選出。学校とコンソーシアム構成員との連絡調整に加え、探究学習や教員向け研修の企画立案、校内外への情報発信などに取り組む。

　今後、ＪＡＸＡ（宇宙航空研究開発機構）や宇宙産業のインターステラーテクノロジズ（株）などと連携し、新学科における学校設定科目や教育課程の編成に向けて協議を進める。５年度に行う中学生や保護者対象の説明会で発表できるよう、本年度中に新学科の名称や科目等を決定する。

　前田校長は「宇宙産業などの地域の新たな技術を身近に感じ、知識や技術を正しく活用していくための人間性を育成するとともに、多様な価値観を育むカリキュラムをつくりたい」と話している。

(学校 2022-06-30付)