室工大と連携し学習　教科等横断「大樹高ＳＴＥＡＭ」

（学校 2022-06-30付）

２年生の授業「放物運動の解析」

　大樹高校（前田英伸校長）は本年度から、室蘭工業大学と連携し、教科等横断的な学習「大樹高ＳＴＥＡＭ」に取り組んでいる。今月中旬、理系科目の授業時間を統合し、同大大学院工学研究科の清水一道教授による講義を実施。生徒たちは、数学や物理など、普段の学習と身の回りの構造物等とのつながりを実感しながら学びを深めた。

　大樹町と室蘭工業大は２年度に包括連携協定を締結。地域活性化を図る「宇宙のまちづくり」を核とした地方創生の中で、教育および人材育成の推進にも取り組んでいる。

　同校は、数学科・理科・芸術科・情報科・商業科などにおける教科等横断的な学習を推進。出前授業を核とした同校独自のＳＴＥＡＭ教育の確立に向けて取組を進めている。本年度から清水教授による出前授業を実施しており、年５回の来校を予定している。

　６月中旬、１年生の数学Ⅰと情報Ⅰ、２年生の物理基礎と情報処理の授業時間を活用して講義を行った。

　うち２年生に向けては「放物運動の解析」と題して授業を展開した。

　世の中にある構造物の規則性などから、工学分野の技術が身の回りに多く存在していることを説明し「実生活の課題を解決するために、知識を使うという発想が大切」と伝えた。安定した美しさの比率とされる黄金比・白銀比においては、植物の葉が日に当たるよう広がる形状は黄金比だと紹介すると、身近な自然にも規則性があることに生徒たちは驚いていた。

　また、衛星通信や電波天文等に用いられる放物曲面をしたパラボラアンテナの形状を、Ａ４用紙で再現する演習を実施。生徒たちは計算を重ねて放物線を描き、数学など普段の学習が生活の中に浸透していることを実感した。

　授業を見守った前田校長は「知識が増えると物事の見え方が変わる。普段の学びが身の回りのものに生かされていることを知り、理系科目に親近感を持ってほしい」と話した。

　今後、９月、１１月、来年１月に１・２年生を対象とした連携授業を実施する。１年生においては、本年度必修化されたプログラミング教育に関わり「プログラミングと工学」と題した授業を計画。２年生に向けた授業「振動と波動の解析」では、理系科目と音楽を組み合わせた講義内容を予定している。

(学校 2022-06-30付)