札幌北陽小 教育実践発表会　考え高め合う子育成へ　算数、理科など１６授業公開

（札幌市 2022-07-25付）

積極的に発言する児童たち

　札幌市立北陽小学校（石野清隆校長）は１５日、４年度教育実践発表会を開催した。研究主題「自ら考え、高め合う子の育成」のもと、算数や理科など１６授業を公開。児童たちの考えを生み出す教師の関わりを通して、学ぶ楽しさを実感できる授業構築の成果を披露した。

　本年度は、４ヵ年研究の集大成に当たる。研究主題のもと、副主題「どの子にも“分かる・できる・楽しい”授業づくり」を設定。研究の視点に①教材化②教師の関わり―の２点を据え、低学年、中学年、高学年、特別支援の４ブロックで目指す姿に迫った。

　この日は、低学年ブロック４授業、中学年ブロック５授業、高学年ブロック５授業、特別支援ブロック２授業を公開した。

◆１年１組算数　のこりはいくつ

　１年１組（鈴木綾華教諭、児童数３６人）では、算数「のこりはいくつ」を公開した。単元では、式や答えを導き出すまでの過程をブロックで操作することで表現できるようにすることを目指した。

　本時は、８時間扱いの４時間目。ブロックで操作したり図にしたりすることを通して、求補の計算の意味を考えることができることを目標に設定した。

　鈴木教諭は冒頭、「８人でキャンプに行きました。そのうち３人は大人でした。子どもは何人でしょうか」という問題文の一部を隠しながら、子どもの人数を求める方法を問いかけた。児童たちは、前時までに学んだ「残りはいくつ」というキーワードがないことに注目しながら「引き算でできそう」などと気づいた。

　鈴木教諭は「どのような式になるか、ブロックを使って考えよう」と投げかけた。机間指導しながら「大人を表すブロックの色を変えてみたんだね」「分かっている方を動かすといいね」「ブロックを隠すと答えが出たね」などと声をかけ、児童一人ひとりの考えを見取った。

　このあと、適応問題を出題し、学びの定着を図った。

◆６年１組理科　てこのはたらき

　６年１組（倉本匠教諭、児童数２５人）では、理科「てこのはたらき」を公開した。単元では、日常生活で使う道具と“てこのはたらき”をつなげ、より効果的に使おうとする姿を目指した。

　本時は、１０時間扱いの１０時間目。トングなどの仕組みと実験用てこを結び付ける実験を通して、「てこのはたらき」がどのように活用されているかを確かめ、効果的な使われ方を考えさせた。

　児童たちは前時までに、くぎ抜きやせん抜きの仕組みについて実験を通して学習。小さな力で大きな力を生むことを学んだ。

　この日は、トングを題材に学習。力点、支点、作用点の位置関係を確認したあと、実験用てこを使って、力点、作用点それぞれで、支点からの距離とおもりの重さ、ばねばかりの重さを検証し、タブレットに入力した。

　児童たちの入力を確認したあと、倉本教諭は、くぎ抜きやせん抜きの実験結果をモニターに映し、前時の結果との差異を問いかけた。児童たちは「（加えた力より）作用点に働く力が小さくなっている」などと発言し、くぎ抜きとトングの特性の違いに気づいた。

　倉本教諭は、トングのほか、ピンセットなど同様に作用するものが、どのような場面で使われているかを質問した。児童たちは「柔らかいものをつかむとき」「力の調節がしやすい」などと発表。てこが、大きな力を出すだけではなく、力を調節する場面でも使われていることを学んだ。

この記事の他の写真

実験を通して、てこの働きを理解した

(札幌市 2022-07-25付)