中標津農業高の活動を支援 教育圃場の草地改良へ 地元建設業が町とパートナー協定
(学校 2022-08-01付)

上田組パートナーシップ
上田社長ら関係者が出席した調印式

 【釧路発】中標津農業高校(渡辺晃史校長)の教育活動を支援するため、地元の建設企業(株)上田組(標津、上田修平社長)は7月25日、中標津町と草地更新パートナーシップ協定を締結した。本年度から7年間、採草地など教育圃場の改良を行う。草地更新作業は生産技術科2年の授業に組み入れられ、土づくりなどを学ぶ生徒に貴重な教材を提供することに。地域農業の振興、担い手育成に大いに寄与する取組として注目されている。

 耕起や砕土など、酪農業に欠かせない草地の更新は、通常7~8年サイクルが理想とされているが、中標津農業高では過去10年間ほど、更新がなされないままにあった。

 このため同社は昨年9月、近郊での道営農業基盤整備の施工の際、同校の教育圃場の整備に向け、地域貢献活動の一環として1㌶の採草地の更新を行った。

 町との草地更新パートナーシップ協定の締結は、昨年の奉仕活動を契機としたもの。

採草地や放牧地など同校の教育圃場は合わせて7・3㌶。うち1㌶の更新は昨年完了。上田組は残る6・3㌶の更新を本年度から7年間、昨年と同様、地域貢献活動の一環として無報酬で行う。

 ことしは9月に採草地0・9㌶の更新を予定。耕起、砕土、土壌改良剤散布、鎮圧、施肥播種と、一連の作業は、同校の授業時間と調整して行い、同校は生産技術科2年生の授業に草地更新作業を組み込む。

 25日、中標津町役場で行われた協定書調印式には、西村穣町長、町教委の山田康司教育長、上田社長、渡辺校長らが出席。

西村町長は「生徒たちは、土づくりの大切さを学び理解を深めることができる」と同社の厚意に感謝を示した。

 上田社長は「当地は酪農業あっての地域。農業高校の発展に努めていく」とし、実際の更新作業が、生徒たちの農業土木分野への興味を引き出し、重機オペレーターの担い手確保にもつながる可能性を秘めていることを伝えた。

 また、渡辺校長は「上田組の高い技術力と設備、そして何より、地域への熱い思いがなければできないこと」と評価した。

 その上で「机上の教科書でしか学べなかった草地更新の作業現場を、農業を学ぶ生徒自身が自らの目で見て体験できる。本校のスクールミッションである地域や社会の持続可能な発展に貢献できる人材の育成に寄与するもの」と深く感謝した。

 さらに渡辺校長は「学校圃場という安全第一の現場において、限られた時間の中で、丁寧でスピード感ある草地更新を実施いただく姿は、生徒たちの目に焼き付いていくことと思う」と述べ、貴重な教材を得た授業の成果に期待を寄せた。

(学校 2022-08-01付)

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