帯広東小 研修で算数模擬授業 全員納得に導く指導 関西大初等部・尾﨑教諭
(学校 2022-08-02付)

帯広市立東小関西大初等部の尾﨑教諭模擬授業
児童から意見を引き出す尾﨑教諭

 【帯広発】帯広市立東小学校(上坂寛校長)は7月中旬、同校で特設研修を開いた。関西大学初等部の尾﨑正彦教諭が3年生算数「円と球」で模擬授業を実施。児童たちの多様な意見を拾い上げ、全員が納得する解答へと導く授業を展開した。

 同校は元年度から、市教育研究所による「学識経験者の指導・助言をもとに改善を図る研究」の実践協力校として活動。研究主題「自ら考え、主体的に学び合う子どもの育成~“わかる”“できる”“活かす”算数科の授業を目指して」のもと、4ヵ年にわたり研究を続け、本年度が最終年度となる。

 この日、オンライン学習サービス・スタディサプリの講師や算数科教育に関する著書などで知られる関西大初等部の尾﨑教諭が同校で模擬授業を行った。

 尾﨑教諭は3年生算数「円と球」で、登場人物4人による的当てを例に、的に向かう立ち位置がまばらな例と、中心の的から四方に等間隔の例の2つを示した。児童たちは「的までの距離」に着目し、後者の例を公平だと判断。図面上で的と人物との距離を測り、感覚と実際の数値をすり合わせた。

 尾﨑教諭は児童一人ひとりのつぶやきに耳を傾け、大きな声で発表させることで多様な意見や正解へのヒントを引き出しながら授業を展開した。

 さらに、登場人物を4人増やし計8人を的から等距離に位置するよう児童に図面を書かせた。

 的を中心に正方形状に並べたり、的からの距離を意識して並べたりして、児童の解答は二手に分かれた。児童の意見をもとにして実際に距離を測ると、後者の解答に児童全員が納得。「人数を増やすと花火みたいな形になった」「きれいな円に見える」など、中心点から等間隔の点の集合体が円となることを児童自ら見いだした。

 授業後、全体交流を実施。教員たちは「児童の声を拾って自然に発展させるなど、自然な声かけや引き付け方が勉強になった」「意見の相違を怖がる児童が多い。異なる意見を楽しみ、高め合う授業づくりを目指したい」などの感想が上がった。

(学校 2022-08-02付)

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