高校配置計画地域別検討協〈日高〉 地域のため高校存続を 中高連携の重要性を再確認
(道・道教委 2022-08-02付)

高校配置計画検討協日高学区
メイン会場となった日高合同庁舎

 【苫小牧発】道教委は7月26日、高校配置計画地域別検討協議会(日高学区)の第2回会合を対面とオンライン形式で開催した。メイン会場の日高合同庁舎で担当者が5~7年度の計画案、「これからの高校づくりに関する指針」改定の方向性を説明。参加者からは地域連携特例校の再編整備に関連して、地域から高校がなくなる影響の大きさを訴える声などが上がった。

 日高管内の関係者37人が参加。配信会場の日高合同庁舎では一部の関係者が対面で参加し、その他の関係者はズームによるオンライン参加となった。

 はじめに日高教育局の行徳義朗局長があいさつ。「高校配置については、教育水準の維持、活力ある教育活動の展開を図る観点で進めていく」とし、計画案等に関する忌憚のない意見を求めた。

 引き続き、道教委高校教育課の小倉賢治課長補佐(高校配置)が5~7年度の計画案を説明した。日高学区の高校に関する定数調整等はなかったが、8~11年度の見通しでは4年間で1~2学級に相当する中卒者数の減少が見込まれていることが示された。

 意見交換では、地域連携特例校の再編整備が話題に上がった。1年生が20人未満で生徒数増加の見込みがない地域連携特例校は再編整備の対象となるが、この取り扱いについて平取町が質問。本年度の入学者数が11人となっている平取高校は再編整備が留保されている状況となっており、遠藤桂一町長は「高校がなくなると地域への影響が大きい」と訴えた。

 道教委の担当者は「再編留保は無期限ではない。ある期間の中で生徒数を増やしていこうという趣旨。生徒数が少ない状況で存続を図るというのが教育環境上どうなのかという問題がある一方、地域から高校がなくなるという影響も大きい」と回答。今後「これからの高校づくりに関する指針」の素案を作っていくことに触れ「その中で取り扱いについても触れるので、それを見て意見をいただけたら」と述べた。

 また、高校の入学者確保に関連して、中学校での進路指導の取組状況や中高の連携について参加した関係者から話題提供があった。浦河町立浦河第2中学校の佐藤恵美校長は、同校生徒のほとんどが地元の浦河高校に進学している状況に触れた上で、保護者を対象にした進路説明会や高校体験入学への参加など、生徒等の進路意識を高める取組を進めていることを説明した。ここ2年はコロナ禍で高校との連携が取れていないことから「高校生のインターンシップを受け入れたり、高校の部活動に参加したり、生徒が関係する取組を進めたい」と今後の活動を展望した。

 えりも町立えりも中学校の中田実千代校長は「ここ数年6割程度が地元のえりも高校に進学している」と説明。えりも高とは連携型の中高一貫教育をしていることを紹介し、年3回の合同会議や高校教員による乗入授業、連携入試などを行っていることを説明した。今後に関しては「小中高3校の取組も考えている。えりも高に進学したいという子どもを増やしていければ」と述べた。

 この話題提供に対し平取町の遠藤町長が「えりも高は町立。町立と道立で連携の取りやすさに違いはあるのか」と質問。中田校長は「(川上松美)教育長が“えりも教育の出口はえりも高校”という考えで町民に発信している。えりもは一緒にやっていくというスタンスでいるのが大きいと思う」と述べた。

 一方、道教委の担当者は管外の事例を紹介し「道立高と町立中で連携しているところもある。町立、道立にかかわらず連携を深めてもらえたら」と述べた。

 このあと「これからの高校づくりに関する指針」の改定の方向性についても協議し、忌憚のない意見を交わした。

(道・道教委 2022-08-02付)

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