道教委　道小・道中・道公教への回答　定年延長へ関係規定改正　感染症対策　人・物の支援継続

（道・道教委 2022-08-03付）

　道教委は、北海道文教施策・予算策定に関する道小学校長会（紺野高裕会長）、道中学校長会（野﨑均会長）、道公立学校教頭会（八田博之会長）の要望に対する回答をまとめた。教員業務支援員（スクール・サポート・スタッフ）の配置拡充や少人数学級の拡大など、人的・物的の両面から学校の支援の継続に努めていくと回答。５年度からの定年延長に向けては、関係規定の改正など必要な手続きを進めていく考えを示した。

　要望書は５月１２日に３団体の会長が倉本博史教育長に提出したもの。

　新型コロナウイルス感染症対策関連では、教育活動を継続するための感染症対策の経費補助や教員業務支援員の配置拡充などを引き続き国に要望し、地域における支援員等の人材確保に努めていくとした。

　小学校の３５人学級に関しては計画どおり６年度までに全学年に拡大すると回答。中学校への少人数学級拡大は国の定数改善が必要であるため、全国都道府県教育委員会連合会と連携して国に要望するとした。

　指導者用端末の整備をはじめとする教育のＩＣＴ化を進めるため、市町村への予算確保の働きかけや財政措置の拡充を国に要望。通信環境が整っていない家庭への支援では、市町村教委における事例の普及啓発や通信費等の拡充を国に要望する考えを示した。

　部活動の地域移行に向けては、本年度から開始した部活動の在り方検討支援アドバイザーの派遣など自治体を支援し、今後のスケジュール等を定める推進計画の策定に取り組む。

　特別支援教育の分野では、特別支援教育支援員の拡充や通級指導の定数措置の充実などの人的措置について国に要望するほか、研修の機会や内容の総括的なプログラムである「特別支援教育ファーストステッププログラム」の作成に取り組んでいくとした。

　定年延長に関しては今後、各都道府県・政令指定都市で関係条例の改正が見込まれることから、道教委においても関係規定の改正など所要の手続きを進める。定年引き上げ期間（５～１２年度）の経過措置として再任用制度に替わる「暫定再任用制度」に関しては、現行の制度と同様の仕組みで検討を進めていくとした。

　教員志望者の確保・育成に向けては、大学生が教職のやりがいを体験できる草の根教育実習や高校生を対象とする教員養成セミナーの拡充を図ると回答。

　管理職候補者の育成に向けた要望では、市町村教委や校長会等との連携による各種研修会への積極的な参加の促進、道立学校における人材育成の取組の共有、管理職候補者選考実施要綱の見直しなどを推進するほか、主幹教諭の配置拡大に努めていく考えを示した。

(道・道教委 2022-08-03付)