檜山局主管 管内特別支援連携協 実効性のある方向探る 体制整備、資質向上に向け
(道・道教委 2022-08-04付)

檜山管内特別支援連携協議会
オンラインで14人が参加した

 【函館発】道教委は7月29日、特別支援教育総合推進実践事業「特別支援教育の体制整備の推進」に係る本年度第1回檜山管内特別支援連携協議会をオンライン開催した。檜山教育局主管で教育、医療、保健、福祉関係者ら14人が参加。協議では特別な教育的支援を必要とする幼児児童生徒に対する支援体制の整備推進や教員の資質向上を目指し、地域一体で実効性のある研修の方向性を考えた。

 開会に当たり、檜山局の近藤史郎局長があいさつ。3月に行われた文部科学省の有識者会議で、特別支援教育を担う教員の専門性向上に向けた取組が求められたことを踏まえ「管内でも一層教員の資質・能力を高めるための取組を整備する必要がある。協議を通して関係機関の連携が一層深まれば」と期待した。

 義務教育指導班の上野暁彦指導主事が特別支援教育に係る全道および管内の状況と、道教委の特別支援教育に係る本年度指定事業の方向性について説明。管内の全在籍者に占める要支援者の割合は、小・中学校共に全道と比較して多い状況と分析。特別支援担当者は教職経験5年未満の教員が多く、組織的な人材育成や関係機関との連携、保護者との適切な教育相談の機会確保が必要であることを伝えた。

 続いて、道教育大学函館校でインクルーシブ教育や特別支援教育を研究している細谷一博教授が話題提供。教員養成段階における指導の留意点、教育現場での支援策について解説し、集団指導や個別指導などを通して、個に応じた支援を具体的に追究する指導の必要性を強調した。

 協議では障がいのある幼児児童生徒に関わる人材の養成・確保をテーマに、構成員から「研修機会の充実が必要。学校としても気軽に参加できる体制確保を」といった声が上がった。

 檜山管内特別支援教育研究会会員で今金町立今金中学校の佐々木弘司校長は、同会でモデル授業の蓄積を検討。「特別支援学級にかかわらず、学校としての推進体制を整備していくために、学校経営方針の中に組織の位置づけを明確にしていきたい」と話した。

 道自閉症協会道南分会の平清水美奈会長は「特別的な支援を必要とする子どもは、人間関係や社会性を学ぶ場面が難しいのではないか。学校でこうした機会を確保してもらえるとありがたい」と話し、保護者の立場から教員に求められる能力について意見を述べた。

 このほか、福祉や医療関係者が学校と連携して実施する新たな研修を紹介するなど、情報共有を通して地域の連携を一層強めた。

(道・道教委 2022-08-04付)

その他の記事( 道・道教委)

道教育推進会議 高校専門部会 道教委の調整機能に期待 高校配置新協議体制で

 北海道教育推進会議高校専門部会は3日に第4回会議を開き、来年度から開始となる「これからの高校づくりに関する指針」の改定に向けて審議した。地学協働の推進や遠隔授業配信センターの機能強化など指...

(2022-08-05)  全て読む

道CLASSPJコーディネーター会議 地学協働で生徒が成長 上士幌高の明石氏が講話

 道教委の北海道CLASSプロジェクト第1回地域コーディネーターミーティングでは、上士幌高校学校コーディネーターの明石穂乃香氏が同校の取組について講話した。高校生の目線で地域の人・もの・こと...

(2022-08-05)  全て読む

道家庭教育サポート企業等制度 オカモトと協定締結 道教委 十勝管内348者に

道家庭教育サポート企業等制度協定締結  【帯広発】道教委は7月21日、(株)オカモトと道家庭教育サポート企業等制度にかかる協定を締結した。帯広市内の同社に十勝教育局の新山知邦局長らが訪れ、協定書に調印。管内の協定締結企業等は34...

(2022-08-04)  全て読む

道教委 時間外勤務の状況調査 副校長・教頭 多忙さ顕著 特支 全月で平均45時間以上

表2  道教委は、3年度道立学校・市町村立小・中学校(札幌市を除く)の教育職員の時間外在校等時間の状況をまとめた。1人当たりの時間外在校等時間の平均は中学校の4月、高校の4、10月を除く全ての月で...

(2022-08-04)  全て読む

道教委 高校生対象セミナー始まる コロナ禍でも能力発揮を 心身維持・向上へ専門家が講話

道教委高校生フィジカルセミナー  道教委が主催する高校生心身強化セミナー事業「高校生フィジカル&メンタル向上セミナー」がスタートした。2日に札幌手稲高校で開かれた石狩会場には、管内の運動部に所属する生徒94人が集まった。各...

(2022-08-04)  全て読む

道教委 道小・道中・道公教への回答 定年延長へ関係規定改正 感染症対策 人・物の支援継続

 道教委は、北海道文教施策・予算策定に関する道小学校長会(紺野高裕会長)、道中学校長会(野﨑均会長)、道公立学校教頭会(八田博之会長)の要望に対する回答をまとめた。教員業務支援員(スクール・...

(2022-08-03)  全て読む

白糠養廃止 5年3月に 文教委で道教委報告

 道教委は2日の道議会文教委員会で、白糠養護学校を5年3月に廃止することを報告した。入所者を対象とする白糠学園(設置者・社会福祉法人北海道社会福祉事業団)が5年3月31日に閉園することを踏ま...

(2022-08-03)  全て読む

道教委 医ケアハンドブック改訂 検討シートの様式改善 法と医療進歩踏まえ見直し

 道教委は『医療的ケア実施のためのハンドブック(改訂版)』を作成した。3年の「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の施行に合わせて内容を見直し、法律の解説のほか、医療的ケア児の...

(2022-08-03)  全て読む

高校配置計画地域別検討協〈日高〉 地域のため高校存続を 中高連携の重要性を再確認

高校配置計画検討協日高学区  【苫小牧発】道教委は7月26日、高校配置計画地域別検討協議会(日高学区)の第2回会合を対面とオンライン形式で開催した。メイン会場の日高合同庁舎で担当者が5~7年度の計画案、「これからの高校...

(2022-08-02)  全て読む

ほっかいどう学推進フォーラム 動画教材作成検討へ 総会開き新保理事長再任

ほっかいどう学推進フォーラム総会  ほっかいどう学推進フォーラム(新保元康理事長)は7月29日、札幌市内の北海道開発技術センターで4年度第4期通常総会を開催した。3年度事業報告とともに、4年度事業計画案などを協議。4年度事業...

(2022-08-02)  全て読む