第30回心理カウンセラー研修講座 コロナ禍の悩みに対応 日本教育会が札幌で3日間(関係団体 2022-08-04付)
160人が参加した
日本教育会は1日から3日間、札幌市内のホテルノースシティなどで第30回学校心理カウンセラー研修講座を開催した。参集・オンライン合わせ全道から約160人が参加。コロナ禍で不安を感じふさぎ込んだり、怒りの感情がコントロールできなかったりする子への対応や、個人ではなくチームで援助するための、チームの作り方、進め方などについて実践的な研修を行った。
同講座は、治療的カウンセリングのみならず、予防的・開発的カウンセリングや、保護者に対する相談・助言などについて知識と技術の習得を目指すもの。
今回は、コロナ禍を経験し「怒りや感情のコントロールがうまくできない子がいる」「子どもたちの心の状況に即した指導・支援を工夫したい」といった悩みへの対応を目指した。
開会式では、常盤隆専務理事があいさつ。「前年度のある調査では、小学校高学年と中学生の1~2割にうつ症状が見られ、このうち小学生の25%、中学生の35%が誰にも相談せずに様子を見ると答えた」とのデータを紹介し「コロナ禍が続く中、悩みを抱えた子がいるということを踏まえた上で対応に当たってほしい」などと訴えた。
続いて、前川洋北海道支部長があいさつ。「30回という節目の年。本研修講座はカウンセリングについて高い評価を得ており、著名な先生方の指導をこれほど一度に受けられる研修は他に例がない」と説明した上で「感染症の流行が長引き、マスクを外すべき場面でも、マスクに依存し外せない子も現れている」「こうした新たな問題にも適切に対応できるよう、知識・技能を身に付けていってほしい」と期待した。
このあと、東京成徳大学大学院教授・石隈利紀氏が「チーム学校を支える学校心理学入門」、大阪教育大学教授・家近早苗氏が「カウンセリングの実際~教師が行う面談へのヒント」と題しそれぞれ講演。また、両者が講師となり「援助チームの作り方・進め方・活かし方」について講義した。
石隈氏は「困っている子どもには、環境を整えてあげないと成長できない。学校が有利なのは、学校自体が環境であり、それを変えられる点。環境の一部となっている教師の関わり方の工夫を」「子どもの学習スタイルと教師の教授スタイルとのミスマッチが大き過ぎてはいけない」「みんなと仲良くはしんどい。誰かと仲良くできればいい」「アメリカの授業では、いい授業をつくろうではなく、子ども一人ひとりを応援する」「SOSを出したとき、キャッチしてもらうとまた出せる。受信能力にかかっている」「苦戦を一人で抱え込まないで、スクールカウンセラーの来校を多くしてもらうなど柔軟な対応を」など、学校心理学の基礎的な知識について語った。
2日目は大河原美以心理療法研究室室長・大河原美以氏が「『怒り』感情の大切さと心の健康」、福岡教育大学名誉教授・小泉令三氏が「社会性と情動の学習~SEL―8シリーズの考え方と実践」と題し講演。
3日目は、白百合女子大学教授・宮本信也氏が「発達障害の理解と支援~病気?個性?どちらも違います」と題し講演した。
(関係団体 2022-08-04付)
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