道議会質疑 一般質問(3月10日)(道議会 2022-08-16付)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】
【質問者】
▼滝口直人議員(自民党・道民会議)
▼藤川雅司議員(民主・道民連合)
【答弁者】
▼鈴木直道知事
▼京谷栄一保健福祉部少子高齢化対策監
▼森隆司環境生活部長
▼倉本博史教育長
=役職等は当時=
◆いじめ問題
Q滝口議員 道いじめの防止等に関する条例について。いじめへの対応について、これまでも道議会で議論されているが、道では、平成25年施行のいじめ防止対策推進法を踏まえ、26年に道いじめの防止等に関する条例を制定し、同年、道いじめ防止基本方針を策定するなど、これまで、いじめ防止対策を進めてきたところである。
直近の調査では、本道の小・中学校、高校、特別支援学校におけるいじめ認知件数は約2万件に上っており、重大事態が11件発生するなど、増加傾向になっていることから、いじめ防止対策は、北海道、市町村にとって深刻な課題であると考えている。
法や条例で、いじめは、児童生徒が心身の苦痛を感じているものであるとはっきり示されているが、実際には、学校がいじめの事実を認めなかったり、判断にちゅうちょしている間にいじめ問題が長期化したりすることやいじめの重大事態に至ってしまうケースがあるとも聞いている。
また、保護者等からは、いじめについての相談を学校等にしても納得できないなど、対応が十分に得られない場合、どこに相談したらいいのか分からないとの声もある。
こうした子どもたちをいじめの被害から守り、保護者の不安を解消するためにも、道教委として、市町村教委に対しても積極的にいじめ問題への対応についてしっかりと指導する必要があると考える。
教育長は、教育行政執行方針において、いじめの積極的な認知と組織的な対応によるいじめ防止や早期対応の徹底に取り組むと述べている。
道教委は、道の条例、いじめ防止基本方針に基づいて、学校がいじめを積極的に認知し、迅速に対応することを徹底する必要があると考えるが、教育長はこのことにどのように取り組んでいく考えなのか。
A倉本教育長 いじめ問題への対応についてであるが、いじめは、子どもの命や心を深く傷つける深刻な問題であり、道教委と市町村教委が連携を密にし、いじめの未然防止や積極的認知、早期の組織的対応について考えを共有し、一体となって取り組むことが重要である。
道教委では、24時間対応の電話相談などを通じた、いじめ被害に関する相談を速やかに市町村教委と共有し、連携して対応するとともに、道のいじめ防止条例や基本方針を踏まえて策定した道いじめ防止取組プランに基づき、いじめ重大事態の調査組織の設置や、各学校でのいじめ事案への対処マニュアルの改善に取り組むよう、市町村教委に指導助言しているところである。
今後、道教委としては、本プランの推進を通して、市町村や学校のいじめ防止の取組をきめ細かに把握し、未然防止をはじめとする体制整備、連携の状況、いじめの認知や早期対応、いじめ重大事態への対処等について課題が見られる場合は個別に指導するなど、道教委として指導力を発揮し、いじめ防止の取組を徹底していく。
◆消費者教育
Q藤川議員 若者に向けての消費者教育について。この4月から18歳成年となる。これは承知のとおり、国民投票法における投票権が18歳以上とされたことによって、まずは、選挙権が、国政選挙では平成28年の参議院選挙から18歳以上になった。そしてまた、民法の改正によって、ことしの4月から18歳成年となる。
NHKの18歳、19歳の方に対する調査によると、18歳成年については、期待するという方が22・4%、不安がある方が42・5%、どちらでもないが35・2%となっており、大人になるという期待もあるが、一方で不安も多いようである。
特に親などの同意がなくても消費者契約ができるようになるクレジットカードのリボ払いなどについては注意が必要であると言われている。
また、昨年、国民生活センターに寄せられた18歳、19歳の相談件数は6500件以上ということである。
札幌弁護士会も、最近の若い世代が不当に高額契約をさせられる被害が増加しているということを踏まえて、ホームページで申し込める出前講座を充実させるとのことである。
消費者契約の基本について、18歳成年を意識した若者向けの啓発をどのように行ってきたのか伺う。
また、高校においても消費者契約の基本は教えているようであるが、トラブルが生じた場合は消費生活センターのサポートが必要になる。18歳成年を意識したサポートの体制について知事に伺う。
A森環境生活部長 若年者の消費者被害の防止について。道では、本年4月からの成年年齢の引き下げを見据え、啓発資料の作成、配布や、年40回の学校訪問講座の開催に加え、若者向けの特設ホームページやツイッターなどで消費者契約の基本や相談事例などについて啓発を行うとともに、大学や各種団体などとも連携して、学生向けに相談窓口や消費者トラブルに関する情報を提供してきたところである。
また、近年、若年者の消費生活相談は増加傾向にあるが、こうした消費者トラブルに対しては、道立消費生活センターにおいて、電話や電子メールなどで相談を受け付け、法令に基づく助言やあっせんによって被害の救済に努めているところである。
今後とも、若者に身近なSNSなどを活用した相談窓口の周知や、多く見られるトラブル事例の情報提供などを行い、若年者の消費者被害の防止に努めていく考えである。
◆高校の消費者教育
Q藤川議員 高校教育における消費者教育について伺う。18歳成年に向けて、高校ではどのように対応してきたのか伺う。
国から「社会への扉」という副教材が配布されているとのことであるが、これをどう活用してきたのか、そして、今後の取組について、教育長に伺う。
A倉本教育長 18歳成年に関し、高校における消費者教育についてであるが、本年4月から成年年齢が18歳に引き下げられることに伴い、生徒一人ひとりが自主的かつ合理的に社会の一員としての自覚を持って行動する自立した消費者となるよう、各学校では家庭科等において、消費者庁が作成した「社会への扉」を活用するなど、消費行動における意思決定や契約の重要性、消費者保護の仕組みなどについて指導しているところである。
今後、道教委としては、研修の充実を図り、生徒の日常生活に即した指導や相談体制を確立させるとともに、具体的な実践事例を集め、各学校に周知するほか、消費生活センター等の関係機関と連携するなど、より実践的なセミナーの実施など、効果的な消費者教育を推進していく。
◆人権施策
Q藤川議員 人権施策について。基本方針の見直しが行われ、昨年7月に発表された。これに伴って、各部局の施策の見直し点検が昨年中に行われたということであるが、特徴的な施策の見直しの内容について、また、今後の施策への反映はどのように行うのか、伺う。
最近では、ネットによる誹謗中傷などの事件が多く生じているが、ネット被害への対策やネットリテラシーについての啓発はどのように行っていくのか、併せて伺う。
A森環境生活部長 人権施策について。昨年改定した人権施策推進基本方針を踏まえ、道の計画や施策への反映状況の確認を行った結果、計画については、道総合計画に多様性尊重の視点を追加したほか、林業労働力の確保に関する計画に、新たに女性活躍や障がい者の方々の就業促進を盛り込むこととしたところである。
また、新たな施策として、外国人生徒などへの適切な指導を行うための対応や、職場での性の多様性への理解を促進するための取組のほか、インターネット上での人権侵害問題について、国の出先機関と連携して、法の内容の周知やネットリテラシーの啓発に取り組むとともに、人権侵害情報の削除要請に関する相談へ適切に対応するなど、引き続き、基本方針の考え方に沿って、可能なものから鋭意取組に反映させ、人権が尊重される社会の実現に向けて取り組んでいく。
◆校則の見直し
Q藤川議員 高校における校則の見直しについて伺う。元年以降、文部科学省などの通知が何回か出されており、高校の校則の見直しが行われてきたと聞いている。
頭髪の色や髪型の規定など、人権侵害とも思われるような規定があるようである。制服についても、ジェンダーの観点から見直しの議論があるようである。
人権の視点から見直された点はどのようなものがあるのか、また、見直しの作業は、生徒や保護者、地域の意見を聞いて行われてきたのか、教育長に伺う。
A倉本教育長 校則の見直しについて。学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は変化するため、校則の内容は、絶えず積極的に見直すことが必要である。
道教委では、昨年12月、道立高校に対し、生徒の人権を尊重した内容となるように、校則の見直しを行うことなどについて通知し、各学校においては、頭髪の色などの身体的特徴や性自認などに配慮する観点から、いわゆる地毛証明の廃止や制服の選択制の導入などに取り組んでいる。
また、各高校では、生徒が校則について話し合う機会を設けることや、保護者からの意見聴取、学校ホームページを通した地域住民の皆さんへの公表や学校運営協議会での地域住民からの意見聴取など、校則を見直すための仕組みづくりに努めている。
道教委としては、全ての道立高校において、生徒一人ひとりの個性が尊重され、より良い学校生活を送ることができるよう、引き続き、学校の実情に応じて、きめ細かく指導助言していく。
◆地域活性化と高校教育活動
Q藤川議員 地域活性化と高校について伺う。2018年に策定した、これからの高校づくりに関する指針の成果と課題を検証した報告書が提出された。その中で、地域とつながる高校づくりもテーマになっている。
高校は、地域にとって本当に大切なものであり、人口流出を防ぎ、地域の活性化につなげていくという役割があると思う。
高校の配置は、一定の基準に基づく配置計画によって統廃合などが決められていくが、単純に、人口あるいは中学生の人数などによって配置計画をつくっていくと、地方の人口減少に伴い高校も縮小してしまい、それがまた地方の人口減につながり、悪循環となる。
一方で、地域と高校が連携した地域の産業を生かした高校の取組が紹介されている。
静内農業高校は、まさに、地域の産業である競走馬の生産という特色を生かした取組で全国的にも注目され、道外からも生徒が集まってきている。三笠高校は道立から市立に変わったが、地域産業に貢献しているとの報道がある。
また、小規模校においては、本年度スタートした遠隔授業「T―base」を活用するなど、地域にいても学べるという点を活用して魅力をアップすることも可能だと思う。
このように、地域産業と高校が連携することによって、人口の流出を防ぐということも可能になると思う。
そのためには、市町村、小・中学校、地元企業、協力校、教育局、総合振興局を巻き込んだ地域の活性化と高校の在り方について議論しながら、あるべき姿をつくっていく必要がある。
そのための協議の場を設けるべきと考えるが、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、教育長に所見を伺う。
また、高校の在り方は地域創生に深く関係することから、知事部局においても、有識者から意見を伺うなど議論していくべき問題だと考えるが、知事の所見を伺う。
A鈴木知事 地域創生に向けた高校の役割などについてであるが、人口減少や少子・高齢化、都市部への人口流出が課題となる中、高校段階で地域の産業や文化等について理解を深めることは、その後の地元定着やUターンにもつながるなど、地域の将来の担い手となる人材の育成において高校の果たす役割は大きいものと考えており、地域創生に向けた高校の役割や魅力化などについて、第2期北海道創生総合戦略にも位置づけているところである。
こうした中、道教委においては、コミュニティ・スクールの導入や地元企業の方と一緒に地域課題を解決する学習体験の実施など、地域の皆さんとの連携による魅力ある高校づくりを進めているところである。
道としては、今後、各振興局と教育局との緊密な連携による地域創生に向けた取組を促すとともに、総合教育会議など、様々な機会を活用し、有識者等の意見も伺いながら、地域の特性を生かした教育環境の整備に取り組んでいく。
A倉本教育長 地域活性化と高校に関し、地域とつながる高校づくりについてであるが、北海道が将来にわたって輝き続けていくためには、より良い学校教育を通じて社会をつくるという理念のもと、学校と地域との連携を深めて、魅力ある高校づくりを推進し、これからの社会を担う人材を育成することが重要である。
このため、道教委では、地域創生に向けた高校魅力化の手引を道内全ての市町村と道立学校に配布し、推進体制の構築を促すなど、特色ある高校づくりについて協議する場の設定に努めてきており、本年度からは、学校と地域が連携協働する体制づくりを図る北海道CLASSプロジェクトを道内8校で展開し、持続可能な地域づくりの仕組みの構築に取り組んでいる。
今後は、こうした成果を踏まえ、地域における高校の魅力化に向けた議論が一層深まるよう、全ての地域連携特例校に、市町村や地域の企業など、多種多様な人材から成るコンソーシアムを組織し、地域課題の解決に向けた教育活動への支援に取り組むほか、各高校の取組状況を把握し、必要な指導、支援を行うことを通して、地域とつながり、地域に根差した活力ある高校づくりを進めていく。
◆知事公邸の在り方
Q藤川議員 知事公邸・近代美術館エリアの在り方について伺う。現在、知事部局では、知事公邸等の在り方について議論されている。また、隣の近代美術館も老朽化が激しく、道教委において、これからの道立近代美術館検討会議が設置され、再整備について検討されている。
私は、このエリアを一体的に整備すべきと考えており、近代美術館の庭や知事公館の緑地の活用も併せて検討すべきではないかと考えている。
私が子どものころは、知事公館の林でセミなどを捕ったということがあった。知事公邸の緑地の活用も併せて検討すべきではないかと思う。
例えば、本郷新記念札幌彫刻美術館では、3日間ではあるが、雪像彫刻展を開催し、ライトアップして、そして、地域の方々も非常に楽しんでいる。
私は、このような企画も、美術館の庭や知事公館の緑地で取り入れ、周りに高層マンションが建ち並ぶ中にあっても、都心近くのオアシスとして憩える場としての活用を考えるべきだと思う。
昨年8月に取りまとめられた、知事公邸等の在り方研究会の開催結果においては、三岸好太郎美術館や近代美術館も含めて全体像を考えることが大事といった意見とともに、緑地の平穏な環境を維持保全するとともに、周辺施設とのつながりに配慮しながら検討していく必要があるとの課題が示されている。
また、近代美術館の検討会議においては、美術館のコンセプトや必要な機能、建て替えや移転も含めた施設整備の在り方についても、今後、検討が進められると承知している。
現在、知事部局と道教委のそれぞれで、近接するエリアの在り方の検討が進められている状況であるが、この地域一帯がより魅力ある場所となるよう、知事部局と道教委がしっかりと歩調を合わせ、スケジュール感を持って検討を進めていくべきと考えるが、知事および教育長の所見を伺う。
A鈴木知事 知事公邸等の在り方についてであるが、知事公邸等が所在するエリアは、長い歴史の中で文化と自然が融合して築き上げられ、大切に守られてきた道民の皆さんの貴重な財産であることから、その将来像を見据え、次世代へ確実に引き継いでいくといった観点に立って検討する必要があると認識している。
隣接する近代美術館については、現在、道教委において、今後の在り方に関する有識者会議を立ち上げ、美術館に求められる役割や必要な機能のほか、施設整備や運営方法に関しても議論されているところである。
道としては「知事公邸等のあり方に関する研究会」からいただいた意見や課題とともに、道教委における議論も踏まえ、道議会はもとより、道民の皆さんや民間事業者の方々などから幅広く意見を伺いながら、公館や緑地の活用なども含め、エリア全体の価値が高められるよう、関係部局が連携し、丁寧に検討を進めていく。
A倉本教育長 知事公邸・近代美術館エリアの在り方に関し、近代美術館等の在り方について。
近代美術館から続く知事公邸エリアは、市内中心部に位置し、広大で緑豊かな憩いの場としても親しまれ、道民の皆さんにとって貴重な財産である。
道教委では、本年1月に、今後の整備方針の検討を目的に設置した、これからの道立近代美術館検討会議において、コンセプトや必要な機能、施設整備の考え方などについて協議していただいている。
今後、現施設を生かす方法をはじめ、現敷地内での建て替えや移転も含めた民間事業者からの美術館整備に関する提案募集や、新たな利用者を呼び込む観点からの道民アンケートを実施するなど、4年度中に協議の内容を取りまとめるとともに、本道の美術文化の振興の中核を担ってきた近代美術館の在り方について、関係部局と連携しながら検討を進めていく。
◆児相機能の強化
Q藤川議員 児童相談所の機能強化について伺う。先般公表された国の社会保障審議会の委員会による報告書では、これまで、より良い家庭環境や養育環境の体制構築、児童相談所の体制強化、社会的養育の質の向上に取り組んではきたものの、依然として、様々な課題を抱える中での子育ての困難さ、児童相談所における虐待相談対応件数の右肩上がりの増加、社会的養育に関する子どものニーズに応じた支援の在り方について不十分な点があると指摘されている。
今後、この報告書に示された施策の考え方に基づき、必要な制度改正が行われると思うが、道としても、児童虐待の防止に向けた児童相談所の体制強化や社会的養育における子どもの権利擁護のさらなる推進が必要という観点で、以下、伺っていく。
まず、児童相談所の体制強化についてである。先の報告書にもあるとおり、国では、2年度の児童相談所における虐待相談件数が20万件を超え、過去最多を更新し、このうち、一時保護が必要とされるのが13%、施設入所などの措置をされるのが約2%とのことであり、これらの対応に加えて、在宅での対応が必要な児童が数多く存在するなど、児童相談所では、一層、多様かつ専門的な対応が求められるとのことである。
また、先月は、岡山県で母親やその交際相手から虐待を繰り返し受けていた5歳の女の子が亡くなる事案が発生するなど、悲惨な虐待事案が後を絶たない。
こうした状況を踏まえると、児童相談所の体制強化や虐待の未然防止に向けた相談機能の充実をさらに進めていく必要があると考える。道として今後どのように取り組んでいくのか伺う。
A鈴木知事 児童相談体制の充実と強化について。道では、児童虐待に関する相談に迅速かつ的確に対応するため、国のプランに基づき、児童福祉司や児童心理司などを増員するとともに、実践研修の充実や、日常業務を通じた専門的、技術的な指導を通じて、様々な事案に的確に対応できる職員の育成に取り組んでいる。
こうした中、前年度の道内における虐待相談件数は、前年度より減少したものの、札幌市では増加傾向が続いていることや、全国各地で貴い命が失われる深刻な事例も発生をしていることから、悩みを抱える子どもたちや家庭環境に課題のある子育て世帯に対し、早期に必要な支援を講じていくことが何より重要であると考えているところである。
道としては、新年度から、児童相談所に新たに保健師を配置し、子どもの健康面や発達面からの評価や保健指導を実施するほか、相談等の初期対応を強化するため、SNSを活用した全国一律の相談支援システムを運用するとともに、障がいのある子や虐待のあった家庭への支援に取り組むこととしており、市町村など、地域の関係機関の方々との連携のもと、機能強化を図った道の児童相談所が中心となって、児童虐待の未然防止や早期の支援に取り組んでいく。
◆子の権利擁護
Q藤川議員 子どもの権利擁護について伺う。子どもの最善の利益を図るためには、子どもを中心として、支援の在り方を見直す必要がある。
とりわけ、児童相談所に一時保護を行う場合や施設への入所措置を行う場合などは、子どもの意見や意向を聴取し、それを勘案していくことが必要である。
子どもが一人で意見や意向を形成し、表明することはなかなか難しいことが多いのではないかと考えられる。その支援を図っていくことが必要と考える。
鳥取県では、社会的養育施設で暮らす子どもたちの意見を第三者が代弁する県独自のアドボカシー制度を、県が新年度に試験的に始めるとのことである。児童相談所の一時保護所にアドボケイト(意見表明支援員)を派遣し、子どもたちから、保護されたことへの受け止めや不安、あるいは、日々の生活で望むことなどを聞き取るということである。
道では、児童相談所で措置される児童の権利擁護のためにどのように取り組んでいくのか伺う。
A京谷少子高齢化対策監 児童相談所の機能強化に関し、措置される子どもの権利擁護について。道では、これまで、一時保護や施設入所措置している子どもたちに対して、子ども自身が有する権利を分かりやすくまとめた子どもの権利ノートを活用しながら、その子の年齢や状況に応じて、自分の意志を自由に言うことができること、記載されている相談先などにいつでも相談できることなどを職員が丁寧に説明するなど、意見表明の機会の確保に取り組んできたところである。
こうした中、先月取りまとめられた国の審議会の報告書では、児相の一時保護時における司法審査の導入のほか、一時保護所における通学環境の確保や健康診査の実施などの子どもの処遇改善や、運営面への第三者評価の導入などが指摘されていることから、道としては、今後、具体的な制度設計に向けた国の動向を注視するとともに、子どもの権利擁護に関する取組が進んでいる他県の事例も参考にしながら、一時保護や施設に入所措置されている子どもたちの最善の利益が確保されるよう、一層の権利擁護の尊重に取り組んでいく。
(道議会 2022-08-16付)
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