道議会質疑 予算特別委員会(3月17日)(道議会 2022-08-23付)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】
【質問者】
▼宮崎アカネ委員(民主・道民連合)
▼佐藤禎洋委員(自民党・道民会議)
【答弁者】
▼田辺きよみ環境生活部くらし安全局長
▼西田陽一郎環境生活部道民生活課長
▼倉本博史教育長
▼池野敦教育部長
▼山本純史総務政策局長兼幼児教育推進局長
▼伊賀治康教職員局長
▼荒川裕美教育政策課長
▼大畑明美幼児教育推進センター長
▼今村隆之働き方改革担当課長
=役職等は当時=
◆LGBT理解
Q宮崎委員 パートナーシップ制度における市町村議論について、北見市、函館市、苫小牧市、帯広市では導入の可否について検討中とのことだが、検討の中でどのような議論がされているのか。
A西田道民生活課長 市町村における検討状況について。道内では、札幌市、江別市において制度が導入されているほか、北見市、函館市、帯広市で検討が進められ、ことし2月には、苫小牧市が市議会において前向きに検討していくことが表明されたものと承知している。
北見市および函館市においては、制度の対象要件や利用できる行政サービスなどに関する審議会の議論を踏まえ、制度案を策定したあと、パブリックコメントを実施しており、北見市においては、ことし4月から制度を導入することとしている。
また、帯広市では、市民を対象とした意見交換会を開催するなど、検討が進められているものと承知している。
Q宮崎委員 道は家庭や学校、企業など、あらゆる場を通じて、学習する機会や情報提供に努めてきたと思うが、一方通行ではいけない。
どのような取組をしてきたのか、また、取組の中から各市町村における課題をどう把握しているのか伺う。
A西田道民生活課長 性的マイノリティーに関する取組について。道ではこれまで、こうした方々に対する理解を深め、偏見や差別がなくなるよう、性の多様性について理解を深めるためのフォーラムを毎年開催し、アンケートによって参加者からの意見の把握に努めているほか、市町村教委の職員等を対象とした指導者研修会や教育相談員セミナーで、性的マイノリティーをテーマとして取り上げるなどの取組を進めているところ。
また、道内各市町村を対象に、パートナーシップ制度導入の検討状況や、検討していない理由のほか、公営住宅への入居等、同性パートナーを対象とした取組についての調査を実施したところ。制度を検討していない理由については、導入する必要性を感じていないという理由も多かったことから、性的マイノリティーの方が身近な存在であることなど、市町村をはじめ、道民一人ひとりの性の多様性に関する理解をより一層深めていただくことが必要と認識している。
Q宮崎委員 市町村教委の職員等を対象とした研修については、しっかりと取り組んでほしい。
日本のLGBT教育に残された課題もある。学校でLGBT教育を行う上で課題となるのが、教員の知識や理解の不足である。指導する側のLGBTに対する知識が十分でないことが、子どもに正しい知識を教えることを難しくしている。
教員の知識や理解の不足という課題を解決するためには、研修やワークショップを実施するなど、LGBTへの理解を深めるための努力が欠かせない。この課題も学校現場に丸投げだ。
さらに、学校の指導において意識しなければならないのが、全ての児童生徒がLGBTについて正しく指導を受けることである。
LGBTに関する授業を受けながら、不快に思ったり、LGBTの子どもがいじめを受けたりしないよう、性的マイノリティーを把握しなければならない。
同時に、校内の環境を整える専門機関や医療機関との連携も今後の課題と言える。授業以外の場面も含め、学校全体で児童生徒のサポートやケアを行うことが必要だ。
理解を深める目標について、周知啓発は極めて重要であり、性的マイノリティーの方々の人権に対する理解を深めていただくために、いつまでに、どの程度まで理解を深めようとしているのか、目標を持った政策なのか伺う。
A田辺くらし安全局長 性的マイノリティーへの理解促進について。性的マイノリティーの方々には、周囲の理解不足による誤解や偏見などから、様々な生きづらさを感じている方がいると承知している。
このため、道としては、性の多様性について多くの人が認識し、理解を深めていただくため、様々な手法を活用した人権啓発や教育に努めるとともに、教育現場における児童生徒に対する支援や相談体制の充実、当事者に対する相談窓口の情報提供を行うなど、学校、職場、地域社会など、様々な場面を通じ、誰もが自分らしく生きることができる社会の実現に向けて、引き続き取り組んでいく。
◆道立学校ふるさと応援
Q佐藤委員 道立学校ふるさと応援事業は、ふるさと納税制度を活用して、道立学校が企画する特色ある教育活動や高校生等の国際交流を推進する目的で、元年度から実施されている。
本事業を開始して3年目だが、これまでにいただいた寄付の件数や金額について、年度別に伺う。
A荒川教育政策課長 寄付の受け入れ状況について。受け入れを開始した元年9月からことし1月末までの間でいただいた寄付は、元年度は52件で363万8986円、2年度は108件で1808万3234円、本年度は94件で1675万9000円、累計で254件、3848万1220円となっている。
Q佐藤委員 事業の実施に当たっては、寄付が特定の学校に偏ることがないよう配慮が必要である一方で、学校に対する支援の輪をさらに広げていくためには、寄付者の意向に沿った制度運用とすることが重要である。
道教委として、これまでどのような制度改善に取り組んでいるのか伺う。
A荒川教育政策課長 改善内容について。本事業の実施に当たっては、寄付が一部の学校に集中することのないよう、道立学校全体に対する寄付の場合は、その全額を全ての道立学校の生徒を対象とした国際交流の事業に活用し、学校を指定した場合でも、その一部を全道立学校の生徒の国際交流に活用し、残りを当該校の教育活動の充実に充てることとしていた。
こうした中、寄付の意向を持つ方や学校から、学校が活用できる割合を現状の2分の1より高めてほしいなどの意見が寄せられたことから、寄付額の2分の1を学校の事業に活用する区分に加え、昨年10月以降は、新たに学校応援重点型として、寄付額の5分の4を学校の事業に活用する区分を設けた。
Q佐藤委員 こうした制度改善の周知も含めて、より多くの方々に事業の趣旨を理解いただくことが必要である。どのように周知のための取組を行ってきたのか伺う。
A荒川教育政策課長 事業の周知について。道立学校ふるさと応援事業の趣旨を道内外の皆さんに広く理解いただくため、これまで、北海道物産展などの各種イベントや道外の北海道アンテナショップなどにおいて、リーフレットの配布やポスターの掲示を行ってきたほか、事業を計画している学校のPR動画の作成、配信や、ツイッターなどのSNSを活用したPR活動を行ってきた。
また、包括連携協定を締結している企業や北海道ふるさと会連合会など、様々な団体の協力を得て、PR用リーフレットを店舗で配布していただくことや、会員に送付していただくなどの取組を行ってきたところ。
さらに、昨年10月以降は、各教育局が協定を結んでいる家庭教育サポート企業などに対し、リーフレットを配布するなど、さらに多くの方々に事業を理解いただけるよう、周知の強化に努めてきたところである。
Q佐藤委員 これまで寄付を活用して実施した事業の実績について伺う。
また、4年度は、事業をどのように進めていく考えなのかも併せて伺う。
A山本総務政策局長兼幼児教育推進局長 寄付を活用した事業について。この制度によって実際に事業を実施した学校は、これまで3校。元年度に寄付を受け、工業実習のための設備の調達に活用したケースや、2年度に寄付を受け、ICT機器の整備に充てたケースがある。
国際交流事業については、新型コロナウイルス感染症の影響によって、現地との往来が困難であることから、オンラインによる対話など、ICTを活用した交流に切り替えたところ。
また、4年度については、高校で9校、特別支援学校で2校の計11校において、ICT機器等の整備や寄宿舎での余暇活動用品の購入などを行うこととしており、国際交流事業については、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めた上で、ニュージーランドやオーストラリアのタスマニア州などと交換留学を実施し、生徒の渡航経費の支援などを行っていく予定である。
Q佐藤委員 学校を応援したいという寄付者の思いや、いただいた貴重な寄付を生かして教育活動の充実を図ろうとするそれぞれの学校の意思をしっかりと受け止めて、道立学校ふるさと応援事業を一層推進するため、道教委として、今後どのように取り組んでいく考えなのか伺う。
A倉本教育長 今後の取組などについて。本事業は、本道の将来を担う人材を育成するため、ふるさと納税制度の活用によって、道立学校の特色ある教育活動を促進するとともに、グローバル人材の育成等の充実を図るものであり、これまで地域の皆さんや、地元ゆかりの個人や企業の皆さんなど、多くの方々から応援いただいている。
道教委では、こうした方々の期待に応えることができるよう、この事業を通じて、より多くの道立学校が充実した教育活動を推進するとともに、子どもたちが、将来、グローバルに活躍できる人として成長することが重要であると考えている。
現在、新型コロナウイルス感染症の影響によって、交換留学等が実施できない状況にあるが、今後のポストコロナに向け、事業のより一層の周知を図るとともに、制度を活用して本道の子どもたちがふるさと・北海道への誇りと愛着を持ち、世界を見据えた幅広い視野を備え、たくましく成長していくことができるよう取り組んでいく。
D佐藤委員 本来、コロナがなかったらもうちょっと進んでいた事業。
さらには、事業の趣旨からすると、留学先を今後はさらに広めていく必要がある。世界の情勢によっては、本来行く目的だったところに行けない可能性もある。その辺も併せて、これからどうか検討していただきたい。
◆教員の働き方改革
Q佐藤委員 道教委では、学校が本来必要な教育活動を効果的に実施することができるよう、3年3月に第2期アクション・プランを策定し、学校における働き方改革の取組を進めている。計画期間は3年となっており、その初年度が終わろうとしている。
まず、重点的取組の一つとして、道立高校および道立特別支援学校における時間外在校等時間を計測、記録し、公表している。
その直近の状況と、前年度と比較してどのような傾向が見られるのか、また、その要因についてはどう分析しているのか、併せて伺う。
A今村働き方改革担当課長 時間外在校等時間の状況などについて。道立学校教職員の時間外在校等時間を集計が終わっている3年度の第3・四半期までと前年度を比較すると、一部の月を除き、概ね減少し、一定の成果が見られるものの、月別に見ると、いずれの年度も4月や10月が比較的多く、4月は年度当初の諸業務が、10月は進路指導や部活動等が時間外勤務の主な要因と考えている。
道教委としては、北海道アクション・プランに基づく各学校における取組によって、時間外在校等時間が減少しているものと考えているが、今後は、特に時間外在校等時間が多い月について詳細に分析し、対策を検討していく。
Q佐藤委員 道立学校の時間外在校等時間については、計測、記録と公表を実施しているが、同様に、市町村立学校の状況についても把握する必要があるのではないか。
A今村働き方改革担当課長 市町村立学校の時間外在校等時間について。時間外在校等時間の客観的な計測、記録、公表は、教職員が自らの働き方を認識するのみならず、保護者や地域住民の理解と協力を得るためにも重要なものと認識しており、各市町村において教職員の時間外在校等時間を公表するよう促している。
なお、これとは別に、道内の公立小・中学校における全体の状況を把握し、学校や教育関係者のみならず、保護者や地域住民に対し公表することも重要であると考え、現在、市町村教委に対する調査を実施しており、4年度の早い時期での公表を目指している。
Q佐藤委員 学校の働き方改革を進めるためには、それぞれの学校の時間外在校等時間の状況を公表することが有効と考えられている。
アクション・プランにおいては、市町村においても公表されるよう積極的に取り組むとしている。各市町村における公表状況はどのようになっているのか、また、その促進に向けてどのように取り組むのか伺う。
A伊賀教職員局長 市町村における公表状況について。道教委では、各市町村教委に対して、通知の発出や市町村教育長会議の開催によって、道立学校における時間外在校等時間の公表方法や、既に公表している市町村の事例を紹介するなど、その公表を働きかけてきたところ。3年度内に公表を予定している市町村は、2月現在で68市町村となっている。
今後は、未公表の市町村に対して、状況を踏まえた個別の指導助言を行うなど、できるだけ早期に時間外在校等時間を公表いただけるよう強く働きかけていく。
Q佐藤委員 道教委では、働き方改革の推進校を指定し、取組を進めていると承知している。
推進校では、具体的にどのような取組を進め、どのような成果が得られているのか、また、その成果をどのように普及啓発しているのか。
A今村働き方改革担当課長 働き方改革推進事業について。道教委では3年度、小学校、中学校、高校、特別支援学校の計35校を推進校に指定し、北海道アクション・プランに掲げる各種取組を積極的に進めるとともに、その普及に努めている。
各推進校では、教職員自ら実態を踏まえた働き方改革の取組を検討するコアチームを設置して、校内で議論しながら働き方改革に取り組んでおり、その結果、業務上の課題を共有し、改善可能な業務を明確にすることができた、効率的に仕事をする意識が高まったなどの報告があったほか、6月から1月までの時間外在校等時間が、平均で一ヵ月当たり7・19時間減少するなどの成果が見られた。
道教委では、こうした推進校の実践の成果について事業報告会で発表するほか、道教委のホームページや啓発資料に掲載し、市町村教委および学校に周知しているところであり、引き続き、実効性の高い働き方改革を強力に推進するため、道外の事例も含め、好事例の普及・啓発に努めていく。
Q佐藤委員 働き方改革を進めていくためには、保護者や道民の理解や協力をいただくことが非常に重要である。
道教委では、道民を対象として、独自に教員の勤務実態に関する意識などについてのアンケートを実施しているが、その結果について伺う。
A今村働き方改革担当課長 道民意識調査の結果について。道教委では、3年11月に、保護者や地域住民を対象に、教員の勤務実態に関する意識についてのアンケート調査を実施し、3636件の回答をいただいたところ。
調査の結果では、教員の勤務実態についてどう思うかという問いに対し「教員の長時間勤務は問題だと思う」が約73%、学校が真に必要な教育活動を効果的に行うことを目指した働き方改革の目的についてどう思うかという問いに対し「目的は妥当である」との回答が約76%となっており、学校における働き方改革の必要性や目的については、一定程度、理解が広がっていると認識している。
道教委としては、引き続き、市町村教委や学校に対し、今回の調査結果を踏まえた保護者や地域の皆さんとの課題の共有など、地域との連携を促し、働き方改革の取組を一層推進していく。
Q佐藤委員 特に教頭・副校長は非常に多忙であると言われており、時間外在校等時間も他の職種に比べて最も長くなっている。
優秀な人材の確保のためにも、業務負担の軽減を進めることが必要だ。
第2期のアクション・プランにおいても、新たに教頭への支援の取組を盛り込んでいる。道教委としてどのような支援策に取り組む考えなのか伺う。
A伊賀教職員局長 教頭への支援について。道教委では、特に多忙な職である教頭への支援に向けて、主幹教諭の配置や事務職員との役割分担の見直しに加え、学校が行う調査業務の見直し、電子メールの添付ファイルの整理や統合などの工夫、弁護士から助言を受けることができるスクールロイヤー制度の導入などの取組を進めている。
加えて、3年4月から、校長会や教頭・副校長会と連携しながら、教頭支援策の充実や人材育成の在り方等に関する協議を重ね、その結果として、調査等に係る報告文書の簡素化をはじめ、新任教頭向けの服務研修資料の作成等に取り組んでいる。
今後とも、市町村教委、校長・教頭会等と意見交換しながら取組の評価を行い、必要な改善を行うなど、教頭の業務負担の軽減に向けた取組を積極的に進めていく。
Q佐藤委員 第2期アクション・プランでは、部活動の地域移行に向けた実践研究に取り組むこととしている。
部活動の地域移行に向けた取組として、道教委では、これまでどのような取組を行ってきたのか伺う。
A今村働き方改革担当課長 部活動の地域移行に向けた取組について。道教委では、2年9月に国が示した学校の働き方改革を踏まえた部活動改革の方向性を踏まえ、3年度から、国の委託事業を活用し、人材や運営団体の確保、費用負担の在り方などについて、道内3市町で部活動の地域移行に関する実践研究に取り組んでいる。
また、生徒や保護者、道民の皆さんの理解促進に向けて、3年11月には、道独自の取組として、オリンピアンや国の審議会の委員を務める民間企業経営者の方を招いた地域部活動推進フォーラムをウェブ上で開催するとともに、各地域において望ましい部活動の在り方について検討できるよう、市町村の規模に応じた地域移行の検討モデルを提示し、より多くの地域で議論や検討が進むよう促しているところ。
Q佐藤委員 これまでの実践研究ではどのような成果があったのか、また、どのような点が課題となっているのか、併せて伺う。
A今村働き方改革担当課長 地域部活動推進事業の成果と課題について。実践地域からは、地域の関係者や保護者への丁寧な説明によって部活動改革の必要性に対して一定の理解が得られた、生徒や教員から、地域の方々による指導に不安はなく、引き続き部活動の指導を続けてほしいとの意見が多く寄せられたなどの成果の報告を受けている。
その一方で、指導人材や受け皿団体の確保、保護者の費用負担、財源の確保などが、複数の実践地域から課題として報告されたほか、部活動は学校が行うものと考える方も多くおり、地域移行に対する理解を得るために、一層丁寧な説明が必要であるという報告もあったところ。
Q佐藤委員 部活動改革を進めるためには、学校だけで取り組むのではなくて、保護者をはじめ、地域の関係者の理解と協力が不可欠だ。
地域移行を含めた部活動改革をどのように考え、今後どのような支援に取り組むのか。
A池野教育部長 部活動改革の取組について。少子化に伴い、学校における部活動数が減少している現状や、教員の負担軽減という課題に鑑みると、持続可能な部活動と教員の負担軽減の実現を目指す部活動改革は極めて重要であると考えている。
こうした取組を進めるためには、児童生徒や保護者、学校関係者はもとより、より多くの方々の参画を得ながら、それぞれの地域における部活動の在り方について検討を進めていくことが重要である。
道教委としては、より多くの市町村において具体的な検討が行われるよう、教育庁職員や学識経験者、実践地域の関係者を派遣するなど、考え方や具体的な取組事例などを含め、積極的な指導助言に努めるとともに、国が5月に示す予定の部活動の地域移行に関する提言を注視し、必要な対応を検討していく。
Q佐藤委員 4年度は、第2期アクション・プランの中間年となる。こうした成果や課題を踏まえて、働き方改革がより実効あるものとなるようにどのように進めていくのか伺う。
A倉本教育長 学校の働き方改革に関する今後の取組について。子どもたちの学びや成長を支えていくためには、学校、家庭、地域との連携をより一層深めながら、教員が本来担うべき業務に専念できる環境を整備していくことが重要である。
道教委では、学校閉庁日や部活動休養日の設定、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員の配置、スクールロイヤーによる法律相談の開始など、働き方改革の推進に努めてきた。
今後は、小・中学校も含めた本道全体としての時間外在校等時間の公表や、道内外の優れた実践事例の普及、校長などのマネジメント研修の充実、部活動の地域移行に向けた実践に加えて、各学校の実態に応じたきめ細かな指導に努めるなど、各学校が真に必要な教育活動に注力できるよう、個の気付き、チームの対話、地域との協働を土台とする北海道アクション・プランに基づく各般の取組を、市町村教委などとも連携しながら、全庁一丸となって進めていく。
P佐藤委員 地域、PTA、親との連携をどう進めていくかも課題。特に最近は、PTA組織の在り方自体が、地域によっては、必要なのか必要ではないのかという議論も含めて、変わりつつある。
さらに、各地の町内会においては、役員の成り手不足ということもあって、多くのことに手を貸すことができないような町内会も出てきている。
特に地域に協力いただくという部分に関しては、なかなか難しい時代になってくる可能性があるがゆえに、今、この結果を公表して、理解していただきながら、少しでも多くの皆さんに先生たちをサポートしていただく体制をつくっていくことが必要だ。
◆幼児教育
Q佐藤委員 文部科学省では、3年5月に幼児教育スタートプランを発表し、多様性にも配慮した幼児教育の質的向上および小学校教育との円滑な接続を進めるため、中教審の分科会に設置された委員会で議論が進められている。
道教委は、国のこうした動きをどのように認識しているのか。
A山本総務政策局長兼幼児教育推進局長 国の動きに対する認識について。3年1月の中教審答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」においては、幼児教育は、義務教育およびその後の教育の基礎を培うものであり、このため、幼児教育と小学校教育との接続の一層の強化が求められると指摘されている。
また、中教審に設置された特別委員会では、地域や家庭の環境にかかわらず、全ての子どもが格差なく質の高い学びへ接続できるようにするための議論が進められており、これを受け、文科省では、学びや生活の基盤を支える幼児期からの教育の充実を図ることを目的として、幼児教育スタートプランを策定し、幼児教育推進体制の整備など、具体的な施策を検討しているものと認識している。
Q佐藤委員 道教委ではこれまで、幼小連携・接続についてどのように施策を進めてきたのか。
A大畑幼児教育推進センター長 幼小連携・接続のこれまでの取組について。道教委では、幼児教育施設と小学校等が互いの教育について理解を深めるとともに、教育上の課題を共有することができるよう、幼児教育施設の保育者や小学校等の教員を対象とする、幼児教育を語る会などの研修機会を確保してきた。
また、幼児教育推進センター設置後の元年度から2年間は、幼児教育と小学校教育の接続の円滑化モデル事業を実施したほか、3年度は、知事部局と連携し、市町村の首長部局や教育委員会の職員を対象とした幼小連携・接続担当者研修を開始するなど、広く幼児教育の重要性を発信し、幼小連携・接続の充実に向けた体制づくりに取り組んできた。
Q佐藤委員 幼児教育と小学校教育の接続の円滑化モデル事業を道内5つの市や町で実施している。
この取組によってどのような効果があったと考えているのか伺う。
A大畑幼児教育推進センター長 モデル事業について。2ヵ年にわたって実施した幼児教育と小学校教育の接続の円滑化モデル事業では、小学校と同一の設置者のもとで運営される公立幼稚園だけではなく、私立幼稚園や保育所、認定こども園等と小学校との間における教育活動の連携、接続の方法や、これを支える市町村の首長部局と教育委員会の連携体制など、地域における様々な工夫を可視化し、発信してきた。
また、こうしたモデル地域における取組に他の自治体から提供された好事例を合わせ、幼小連携・接続ハンドブックとしてまとめるとともに、市町村、小学校、幼児教育施設向けのチェックシートや自治体用オンデマンド資料を作成し、各種研修等で活用してきたところ。
道教委が実施した調査では、接続を見通した教育課程の編成や実施が行われている市町村の割合が増加するなど、一定の進捗が見られる。
Q佐藤委員 これまでの道内での幼小連携・接続に向けた取組等を通じて、どのような課題があると認識しているのか伺う。
A大畑幼児教育推進センター長 幼小連携・接続の課題について。幼児期の子ども一人ひとりの発達や特性を把握し、その後の教育活動に確実につなぐためには、幼児教育と小学校教育の連携協働を深め、各教育主体間で育ちと学びに向けた取組を共有することが重要である。
こうした中、道内においては、幼小の教職員間の交流や域内の全ての幼児教育施設と小学校との引き継ぎの場の設定が少ないことなど、地域ごとに幼小接続の取組に濃淡があることや、円滑に接続するためのノウハウが不足している状況が見られるところ。
Q佐藤委員 道教委としては、本道の幼小連携・接続に関する課題を解決し、幼児教育の充実を図るため、今後どのように取り組んでいくのか伺う。
A池野教育部長 幼小接続に関する今後の取組について。各地域において幼児期からの一貫した教育が円滑に進められるよう、接続期の課題解決につながる知見や連携方策などについて、継続して発信する必要があると認識している。
このため、道教委としては、関係者が連携して接続期の様々な課題の解決を図るモデル的取組である北海道版幼児教育スタートプログラム事業を実施し、幼児教育施設と小学校はもとより、市町村や福祉等関係機関との連携強化を促進するとともに、モデル地域の実践事例を積み重ね、北海道版プログラムとして道内の各自治体が広く共有することで、全ての地域において、子ども一人ひとりの多様性に配慮した学びの基盤が構築されるよう取り組んでいく。
P佐藤委員 課題にもあったように、コロナ禍で幼小の教職員が交流できなかったことがまずは大きな問題であろうと思う。
特に、3年度に関しては、道教委は、知事部局と連携していくという新しい試みを始めているが、市町村においても、市町村の首長部局とそれぞれの教育委員会が連携して初めてできる幼小連携だと思っている。引き続き、頑張っていただきたい。
(道議会 2022-08-23付)
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